著者
高橋 康貴 下平 陽介 吉田 樹 田近 宗彦 髙橋 壮 渡邊 健太 福田 翔 小泉 重仁 松橋 保 飯島 克則
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.120, no.4, pp.325-329, 2023-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
15

64歳女性.SARS-CoV-2 mRNAワクチン(3回目)の接種翌日から排便回数増加,血便,腹痛,発熱を認めた.下部消化管内視鏡検査にて全大腸に深掘れ潰瘍を認め,潰瘍性大腸炎と類似する炎症性腸疾患としてステロイド,インフリキシマブを導入し軽快した.mRNAワクチン接種を契機に発症した潰瘍性大腸炎に類似する炎症性腸疾患を経験した.
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
3

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
渡邊 健一 神尾 友信 大河原 大次 馬場 俊吉 八木 聰明
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.46-51, 1998-02-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
19

バンドノイズマスカーによる耳鳴抑制治療を行い, マスカー装用前後でSOAEを測定した。SOAE検出例のマスカーによる耳鳴抑制効果とSOAEの変化について検討を行った。耳鳴周波数およびラウドネスとSOAEの周波数および大きさには有意な相関関係は認められず, 非耳鳴耳でもSOAEが検出された。また, マスカー装用前後でSOAEの周波数および大きさに有意な変化は認められなかった。これらの結果より耳鳴とSOAEの関連性は低いと考えられた。
著者
渡邊 健 鮎澤 聡
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.21-31, 2021 (Released:2021-10-28)
参考文献数
5

【目的】坐骨神経鍼通電療法とは、殿部あるいは下肢において鍼を経皮的に刺入して坐骨神経に電気刺激を行う方法である。一定の治療効果が報告されているが、体表の指標を目安にブラインド下に鍼を刺入するため、血管等組織損傷の可能性が常に存在する。これまでに、安全性を目的とし、かつ生体を用いた殿部における鍼刺入路の画像解剖学的検討はなされていない。本研究では、殿部の生体画像を用いて、殿部刺鍼点およびその鍼刺入路周囲部における解剖学的構造物(骨盤腔内臓器・血管・骨格筋)の解析を行い、より安全性の高い刺鍼部位について検討を行った。 【対象と方法】殿部における代表的な刺鍼点3点(a:傍仙骨部・b:梨状筋下孔部・c:坐骨結節-大転子間部)を取り上げ、各鍼刺入路周囲部をそれぞれA、B、Cゾーンとし、各ゾーンに存在する構造物について既存のCT画像(男5症例・女7症例)を用いて解析を行い、安全性について検討した。 【結果】内腸骨動脈から分枝する上殿動脈・下殿動脈の分枝パターンと走行は多様ではあるが、Aの頭側には太い上殿動脈、AおよびBには太い下殿動脈が存在することが確認された。坐骨神経内側に伴行する下殿動脈はCにも存在するが、血管径は末梢に向かうほど細くなるため、太い動脈はほとんど確認できなかった。また、AおよびBの腹側では全例で骨盤腔、約半例で腸管等臓器への接触が確認された。Cでは深部であっても臓器そのものが存在していないため、臓器損傷リスクは皆無であり、刺入路の先は筋または骨のみであった。 【結論】A・Bでは鍼先が深部・内側に向くと骨盤腔内臓器損傷の可能性がある。Aでは上殿動脈、A・B・Cでは下殿動脈への血管損傷の可能性はあるが、Cでは血管径が細いため刺鍼に伴う出血のリスクは低いと考えられる。坐骨結節-大腿骨間(C)における刺鍼が最も安全性が高いことが示唆された。
著者
久保田 優 濱畑 啓悟 渡邊 健一郎 林 英蔚 宇佐美 郁哉 中畑 龍俊
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.401-404, 2001-10-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
14

ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に全身の色素沈着を伴った12歳男児例を経験した.患児はビタミンB12の皮下注を受け, 貧血は約8カ月で軽快した.皮膚の色素沈着も徐々に軽快傾向を示し, 3年の経過でほぼ完全に消失した.自己免疫疾患や内分泌疾患の合併はみられず, 色素沈着はビタミンB12の欠乏によると考えられた.色素沈着は成書にも記載のないビタミンB12欠乏巨赤芽球性貧血のきわめて稀な合併症である.患児のように易疲労感を訴え色素沈着を呈する患者では, ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血をも考慮に入れて, 早期に血液検査を実施する必要がある.
著者
西山 康弘 西川 大祐 倉繁 拓志 山根 享 早田 俊司 市川 孝治 中村 勇夫 三宅 茂樹 渡邊 健志
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-35, 2016

上部尿路結石症に対するTULは,バスケットカテーテルで抽石することで術中に全ての結石を摘除できる可能性があることが,ESWLに比較しての最大の利点である.<br> TULでは,その手術における目標到達点の設定を適切に行うことが重要で,それが確実な治療を行う上での要点となる.TULの目標到達点としては,大きく三つのレベルに分けて考える.目標到達点の最良レベルは,術中に全ての結石を抽出できる「術中ストーンフリー」で,これを最大の目標として手術に臨む.次のレベルは,抽石はできないが結石を全て自排石可能な大きさまで砕石できる「砕石のみ」である.このレベルでESWLと同等の治療効果であるが,ESWLにおいては術中に全て自排石可能な大きさまで砕石できるのは最良レベルと言える.その次のレベルは尿管ステントが留置でき尿路を確保できる「尿路確保」である.<br> TULの手術難易度は個々の症例で様々であり,「術中ストーンフリー」を目指していたが,術中所見によっては「尿路確保」ができれば最良の治療効果と判断せざるを得ない症例も存在する. <br> 術中ストーンフリーを目指すTULでは,抽石操作を容易にするアクセスシースを積極的に利用し,抽石効率をに意識しながら手術をすることが重要である.アクセスシースが良好に使用できる症例は抽石操作が容易となり,術中ストーンフリーが得やすい.<br> 例えば尿管嵌頓結石は,症例により難易度が大きく異なり,目標到達点を術中に適切に判断しながら手術することが要求される.<br> 尿管陥頓結石を例に図示し,TULの手順,手術時の術者の思考過程を考察することにより,より適切で確実なTULが普及することに貢献したい.
著者
鈴木 達也 野呂瀬 準 須田(二見) 章子 鈴木 一成 関水 憲一 大内 基司 猪狩 吉雅 渡邊 健太郎 中野 博司 大庭 建三
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.135-139, 2010 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In recent years, elderly patients with dementia have been increasing in Japan. It is currently estimated that behavioral and psychological symptoms of dementia (BPSD) occur in approximately 80% of the elderly patients with dementia. As BPSD occur more frequently in elderly patients with dementia, the caregivers burden increases. Although non-pharmacological interventions can reduce BPSD in patients with dementia, antipsychotic medications have been used to treat severe BPSD. Physicians should be particularly careful in the use of antipsychotic medications in the elderly, which have been associated with dangerous adverse effects. Donepesil not only improves the cognitive dysfunction of Alzheimer disease patients, but may also relieve BPSD in these patients. Moreover, the effects on BPSD of yokukan-san, Kampo medicine, have been reported in elderly patients with dementia. A multicenter randomized crossover study, which we participated in, confirmed that yokukan-san is effective in the treatment of BPSD and that no rebound related deterioration occur after withdrawal of yokukan-san. The effects of yokukan-san on BPSD have been reported to influence gamma-amino-n-butyric acid and serotonin receptors.
著者
渡邊 健
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.69-83, 2018

<p> 2017年6月、「東京都公文書の管理に関する条例」が制定され、翌7月に施行された。同条例は何をきっかけとして、どのような過程を経て制定されたのか。先行して公文書管理条例を制定している地方公共団体の事例に照らして考察した。東京都の場合、豊洲問題という不祥事を契機として、小池百合子都知事のリーダーシップの下、条例化が進展した。その制定過程について、都に対する情報開示請求の結果得られた文書を中心に、「条例案の概要」に対して募集されたパブリックコメントへの意見表明結果や東京都総務局総務部文書課との面談等を通じて、多面的に検討した。東京都の情報公開や公文書管理に対するスタンスは条例制定を経てなお、課題が多いが、今後2019年の新公文書館開館に併せてもう一段の制度見直しが期待される。特に歴史公文書の扱いについて、継続的に動向を注視していくことが必要である。</p>
著者
渡邊 健
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

抗ウイルス薬、特に新たな抗インフルエンザウイルス薬開発の基となる化合物(シード化合物)を発見することを目的とした研究を行った。培養細胞と生きたウイルスを用いて様々な天然物や化合物の抗ウイルス活性を測定した。その結果核外輸送系を標的としたものに限らず、食品や植物の抽出液等、様々な天然物より様々な作用機序を持つ抗インフルエンザウイルス化合物を見出す事ができた。これらの化合物は新規抗ウイルス薬開発のシードとして今後が期待される。
著者
田村 博康 平田 大 栗林 喬 久米 一規 五島 徹也 中村 諒 渡邊 健一 赤尾 健 下飯 仁 水沼 正樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.820-826, 2015
被引用文献数
2

今現在,大吟醸酒に代表される高級清酒の醸造には,広くカプロン酸エチルを高生産する酵母が使用されているが,様々な変異処理をほどこしているために,発酵が緩慢となり,さらには目的以外の変異がはいるというリスクもあった。筆者はそのリスクを取り除くための自然発生的な方法で目的株を分離することに成功し,遊離脂肪酸を測定することで迅速に識別する方法まで示した大変興味深い解説文である。ぜひご一読願いたい。
著者
渡邊 健
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.69-83, 2018 (Released:2018-03-29)

2017年6月、「東京都公文書の管理に関する条例」が制定され、翌7月に施行された。同条例は何をきっかけとして、どのような過程を経て制定されたのか。先行して公文書管理条例を制定している地方公共団体の事例に照らして考察した。東京都の場合、豊洲問題という不祥事を契機として、小池百合子都知事のリーダーシップの下、条例化が進展した。その制定過程について、都に対する情報開示請求の結果得られた文書を中心に、「条例案の概要」に対して募集されたパブリックコメントへの意見表明結果や東京都総務局総務部文書課との面談等を通じて、多面的に検討した。東京都の情報公開や公文書管理に対するスタンスは条例制定を経てなお、課題が多いが、今後2019年の新公文書館開館に併せてもう一段の制度見直しが期待される。特に歴史公文書の扱いについて、継続的に動向を注視していくことが必要である。
著者
栗林 喬 金桶 光起 渡邊 健一
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.9, pp.624-631, 2012 (Released:2017-12-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1

セルレニン耐性を指標としたカプロン酸エチル高生産酵母の育種方法は,日本醸造協会をはじめ,各県公設研究機関,酒造メーカーなどで幅広く利用されている。しかし本法による酵母を用いた吟醸酒は,カプロン酸によるオフフレーバーが問題となる場合もある。著者らは,カプロン酸エチル高生産酵母を用いた吟醸酒において総脂肪酸の大部分をカプロン酸が占めるという知見に基づき,酵素法によるカプロン酸の定量法を設定するとともに,本法がカプロン酸エチル濃度の推定にも有効であることを示した。製造現場でも利用できる簡易な方法なので,吟醸酒の品質管理の参考にしていただきたい。
著者
宇佐美 龍夫 濱松 音蔵 久本 壮一 渡邊 健 中村 亮一 植竹 富一
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.339-351, 1992-12-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
27

For the study of macroscopic characteristics of earthquake, it is necessary to investigate both historical and modern earthquakes from the same point of view. Historical earthquakes present informations on damages only. Modern earthquakes have various kind of data obtained from instrumental observations. Intensity data is common to both old and modern earthquakes. As the first step to study historical earthquakes, we studied the seismic intensity distribution of recent earthquakes, in the Tohoku district, which occurred in the interval from 1926 to 1990. Results are summarized as follows.(1) The isoseismal contours for many earthquakes off the Pacific coast elongate to north and south, and the seismic intensity decays steeply across the line which is almost parallel to the volcanic front. We call this line “Steeply Decay Line of Seismic Intensity (SDLSI)”. On the contrary, the distribution of seismic intensity for shallow inland earthquakes doesn't show this tendency.(2) We investigated the seismic intensity attenuation in the Tohoku district and obtained the next formula, I=A-BXwhere, I is the seismic intensity, X the hypocentral distance. Coefficients A and B are expressed as follows:for earthquakes of G1, G2 and G3 (see Fig. 2)A=0.198+0.679M, A/B=-1332+299.9M (east side of SDLSI), A=0.944+0.589M, A/B=-1329+279.5M (west side of SDLSI).for earthquakes of G4A=-1.315+0.912M, A/B=-410+134.9M(3) For the earthquakes along the plate boundary, we defined relatively low- and high-frequency earthquakes according to the value of MJ-MI, where MJ is JMA magnitude and MI the one determined by comparing observed intensity attenuation data of each earthquake with a curve calculated from formulas in (2). The epicenteral distribution of low- and high-frequency earthquakes does not show clear characteristics. But, off Fukushima Prefecture region, there seems to be a boundary of the high-and low-frequency earthquake's distribution along the plate boundary of about 40km depth. The high-frequency earthquakes are found in the west side of the boundary.
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。