著者
高橋 昭雄
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済体制学会会報 (ISSN:18839797)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.58-60, 1997-02-20 (Released:2009-07-31)

現在ミャンマーの軍事政権、国家治安秩序再建評議会(SLORC)は、外国資本の導入、民間貿易の認可、ホテルや銀行の民営化等、積極的な開放化、市場経済化政策を遂行している。こうした市場経済体制への移行下で、ミャンマーの農業政策および農業のパフォーマンスがどのように変わってきたのか、その変容のミャンマー的特質と原因を米穀生産を中心に考察することが本報告の目的である。具体的には、最近のミャンマーにおける米の大増産ははたして市場の刺激によるものなのか、という問題を手掛かりとして、市場体制への転換期におけるミャンマーの農業政策の性格を明らかにしてみたい。
著者
森岡 真史
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済体制学会会報 (ISSN:18839797)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.33, pp.45-48, 1995-11-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
5

ソ連・東欧の体制転換は,社会主義システムにおける独裁と不効率とに対する徹底した批判者である現代オーストリア学派にとって有利な出来事であった.しかし同時に,これらの批判者は,そのように欠陥に満ちたシステムがなぜ数十年にわたって存続・成長しえたかという問題に説明を与える課題に直面している.特に,ミーゼスは,社会主義の不効率性だけでなく,実行不可能性をも主張してきたから,彼の社会主義批判と,ソ連・東欧などに見られた歴史上の社会主義の数十年間の存続とはどのような関係にあるのかという疑問が生じるのは当然であろう(Prychitko,1994,p.229).すなわち,もしもミーゼスが批判した社会主義と歴史上の社会主義とが同一ならばミーゼスの立場は破綻するし,逆に両者が全く交わるところがなければ,やはりミーゼスの社会主義批判の意義はおおいに減殺される.したがってミーゼスの社会主義批判に何らかの積極的意義を認めるならば,2つの社会主義がどの点で重なり合い,またどの点で異なるのかを,彼のソ連解釈の批判的検討を通じて明らかにすることが必要である.
著者
Valeriy ZAITSEV
出版者
Japan Association for Comparative Economic Studies
雑誌
比較経済体制学会会報 (ISSN:18839797)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.32, pp.56-59, 1994-10-01 (Released:2009-07-31)

Grand designs are associated with great risk. So it was with Communism, so it with Liberal capitalism.The victory of former communists in Poland, and more recently in Hungary's parliamentary elections, and strategic retreat of pro-reform parties and politicians in Russia, Belarus and Ukraine could mean that countries in Eastern Europe and the former Soviet Union are trying to achieve too much too fast in their market reforms.This paper supports the gradualist position in Russia and maintains that transition can be managed more gently, with better protection for those who stand to lose. The Paper also claims that Russia should learn more from the East Asian model of economic and social development. From different aspects, especially because of the legacy of state-led command economy, can-style libertarian approach to reforms.