著者
平岡 史生
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.2-9, 2020 (Released:2020-04-15)

株式会社ワッツは、ダイソー、セリア、キャンドゥ、と並び、100 円ショップの大手4 社の一角を占める。同業他社 が大型化を志向して、消費者の嗜好性を喚起するような商品開発を目指す中、同社は、ローコストオペレ ーションとお買い得感を追求した店舗展開を進めている。本稿では、100 円ショップ業界の歴史的な経 緯と今後の目指すべき方向性について語った。
著者
藤 和彦
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.36-38, 2018 (Released:2019-03-31)

日本は5年後から「多死社会(約50年連続で年間150万人以上が死ぬ)」に突入する。家族のシェルター機能が弱まる状況下で、介護・看取り・葬送のネットワークは「血縁」から「結縁」に変わっていかざるを得ない。また団塊世代(生産性重視の思考が強く死生観が希薄)を中心に「積極的安楽死」を求める声が高まることも予想される。このように隠蔽されてきた「死」が社会に回帰することになれば、世の中の価値は「生産性」一辺倒から「関係性」などを含めた多様なものに変化していくのではないだろうか。 一方多死化とともに進展するAI化により、「死」の価値が高まる可能性がある。寿命知らずのAIは人間的な深い共感を理解できないからである。汎用AI時代が到来すれば、AIが真似できない「死の意識に裏打ちされた美意識」が人間の強みになるのではないか(知識社会から美意識社会へ)。 多死社会がもたらす価値観の転換や「関係性」の組み替えを促進するため、仮想通貨の戦略的活用が有益であることも指摘したい。
著者
窪田 ひろみ
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-16, 2015 (Released:2019-01-31)
参考文献数
8

地熱発電は,設備利用率が高く(約80%), ベース電源としての役割を担う。地熱発電 用タービンの世界シェアは約70%と,国内 企業の技術力は高い。また,発電だけでな く熱水のカスケード利用(農水産業,暖房, 融雪,乾燥等)による省エネ・地元産業活 性化・観光資源としての貢献,非常用電源 としての有効活用等が期待されている。 しかしながら,現状では,地熱発電の設 備容量は約52 万kW,電源構成に占める割 合は僅か約0.3%である。地熱資源の約8 割 が国立・国定公園内に存在するとされ,自 然環境保護の観点や,建設コストが高い等 の理由から開発困難な地域も多い。地熱発 電の固定価格買取制度(FIT)認定設備容量 は14,725kW(2014.10 時点)であり,太陽 光や風力に比べて極めて少ない状況にある。 そこで本稿では,再生可能エネルギーの 中でも質の高い電気を供給できる地熱発電 について,開発に伴う様々なリスク(不確 実性)とその対策の現状と課題を紹介する
著者
高橋 正
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.20-23, 2020 (Released:2020-10-30)

本講演では、日本ホスピスホールディングス株式会社(以下、当社)の創業者である高橋正氏に御講 演いただいた。当社は末期がん患者や難病患者等を対象にしたホスピス住宅でケアサービスを提供して いる。多死社会を迎えた現在のわが国において、各人がどのような最後を迎えるかという問題は社会的 な課題と考えられる。このような環境下、当社は、看護師を主体としたサービスに注力することで、在 宅看護の居心地よさと病院の専門性を兼ね備えたホスピス住宅を展開している。
著者
早川 研介
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.13-19, 2020 (Released:2020-10-30)

本講演では、産業用ドローンで世界最先端の技術と実績を持つ自律制御システム研究所(ACSL)の早 川研介氏にお話しいただいた。労働人口の減少とインフラの劣化が同時進行している現在の我が国にお いて、省人化、無人化による社会システムの再構築は国家的課題である。産業用ドローンを用いたイン フラの劣化診断をはじめとする各種ソリューションを提供している当社の仕事は、今後ますます重要に なりそうである。
著者
小方 信幸
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.8-18, 2018 (Released:2019-05-02)
参考文献数
21

2015年9月の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国連・責任投資原則(UN-PRI)への署名表明を契機に、わが国のESG投資は急速に拡大している。この動きは、わが国における健全なインベストメント・チェーン構築に貢献することが期待される。しかし、わが国のESG投資は、欧米のSRI・ESG投資と比較すると、歴史は浅く市場規模は大きいとはいえない。そこで、100年以上の歴史がある欧米SRI・ESG投資を参考に、わが国のESG投資の課題と持続的に発展させるための施策について述べる
著者
小林 和博
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.46-51, 2020 (Released:2020-10-30)
参考文献数
4

数理最適化問題を、コンピュータを用いて解くには,問題例の入力データを効率よく作成するモデリング言語と,その問題例の最適解を効率よく計算できるソルバをあわせて用いると便利である. Python言語では,人間の読みやすい形式で問題例を表現できるモデリング言語と,最適解を効率よく計算できるソルバを,パッケージとして簡単に利用することができる. このチュートリアルでは,基本的な数理最適化問題を Python 言語のパッケージを用いて解く方法を述べる.
著者
髙森 寛
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.59, 2020 (Released:2020-10-30)

本書は、その題名「投資戦略の数理モデル」が表しているように、「投資」という人間の基本的な、かつ普遍的な行為に関わる「戦略」なるものを扱い、また、その数理モデルへの水先案内をねらいとしている。 特に、投資の戦略については、近年、「リアルオプション」なる考え方が、個人の行動や、経営、経済の諸分野で、実践され、研究され、また、話題になっているが、本書は、このリアルオプションなるものを、数理的に、整合性のある体系化されたモデルとして、纏めている。
著者
森谷 博之
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-22, 2020 (Released:2020-04-15)
参考文献数
11

CTAの行政上の取り扱い、歴史、投資戦略等をまず簡単に説明する。CTAとは金融先物、オプション、スワップを対象とした取り引きに関する投資のアドバイスやサービスを個人、ファンドに提供する個人、または組織に対する金融行政上の用語で、正式名はCommodity trading advisorである。CTAという用語は投資信託、ETFを含むヘッジファンド、プライベートファンドへの投資アドバイスにも適応される。CTAs は米国連邦政府による規制対象であり Commodity Futures Trading Commission (CFTC) への登録と National Futures Association (NFA) のメンバーになることが義務付けられている。また、CTAはヘッジファンドの投資スタイルのひとつ (Global Macro) でもある。
著者
鵜飼 裕司
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.6-9, 2016 (Released:2017-07-14)

「ウィルス対策ソフトは死んだ」、ある代表的なウィルス対策ベンダーの言葉ですが、この言葉に象徴されるように、昨今、従来のウィルス対策ソフトの効果が限定的となっています。2015年に発生した日本年金機構に対するサイバー攻撃が大きな問題となった他、最近においてはシステム内のデータを暗号化し、その復号をするにあたって金銭を要求するランサムウェアや、オンラインバンキングの不正送金ウイルスが流行しており、サイバー脅威及びセキュリティ対策の必要性が高まっております。 しかしながら急速に拡大するサイバー脅威に対して現状は弊社のように感染前に防御できるソリューションを提供するセキュリティベンダーはほとんどなく、情報漏えい被害等は拡大している状況です。 本セミナーでは、前述のようなサイバーセキュリティの詳しい現状や、弊社の取り組みについてお話します。
著者
伊藤 剛
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.17-25, 2017 (Released:2019-01-31)

破壊的イノベーションと、電力事業のビジネスモデル変革についてお話をさせていただきます。 電力システム改革によって、色々な企業が電気の小売業へ参入できるようになり、総括原価方式による料金認可制が廃止され、卸電力市場における流動性が増大するようになりました。その結果、新しいリスクが発生します。例えば、卸市場や小売市場において取引相手の倒産等により電気代を回収できないリスクであるとか、燃料価格や卸電力価格の変動により、当初期待していたリターンが得られなくなるリスクなどです。こうしたカウンターパーティリスクや価格リスクについては、電力会社をはじめ、色々な企業、機関が議論を深めてきました。ところが、最近、こうした“伝統的な”リスクとは異質の新しいリスクが登場してきており、今日は、この新しいリスク、非連続的な業界構造の変化に伴うリスクのお話させていただきます。レイトン・クリステンセン教授が提唱した「破壊的イノベーション」や「イノベーション・ジレンマ」は大変示唆に富む考察ですが、この論理は、情報通信業界のような技術革新のサイクルが短い業界に適用されるものであって、電力業界は、あのようなダイナミックな産業の構造変革とは無縁だと思っていました。それが実は、この電力業界でも、破壊的イノベーションが起こり得て、ドラスティックな変革が業界大で起こりうると思うに至っております。
著者
下郡 けい
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.2-7, 2015 (Released:2019-01-31)
参考文献数
6

世界に先駆けて電力市場の自由化に取り 組んだ英国では,原子力発電事業が民営化 された1996 年に計画段階にあった加圧水 型原子炉(PWR)の新設計画が白紙撤回され てから,EDF Energy のHinkley Point C 原子 力発電所建設計画が政府から計画承認を受 ける2013 年3 月まで,具体的な原子力発電 所の新規建設計画はなかった. 英国は,1989 年に電気法を制定し,1990 年には発電市場の自由化,1999 年には小売 市場の自由化が完了している.自由化され た電力市場を背景に,英国はエネルギー政 策というよりも競争政策の中でエネルギー 安全保障や電源構成をとらえてきた.しか し,2000 年代の環境変化を受けて,“競争” から“支援”をともなうエネルギー政策へ と転換する.2013 年12 月には,原子力発 電を含む低炭素電源導入促進へ向けた FIT-CfD を盛り込んだ「エネルギー法」が成 立した. 本稿では,原子力発電の推進には政策的 な支援が重要な役割を果たしており,経済 性にのみ基づいて電源が選択されるような 競争的な市場の下では,原子力発電の新設 計画は困難に直面する,という仮説をたて, 英国においてこれまで原子力発電がどのよ うに位置付けられ,それがどう変わってき たのかを整理・分析し,日本への示唆を検 討する
著者
松本 博
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.2-8, 2018 (Released:2018-11-15)

当社は1996年の創業以来、業態変化を繰り返しながら成長してきました。現在はスマートフォン向けに動画・音楽・書籍等のコンテンツを配信するサービスを主力事業としていますが、今後はヘルスケアサービス事業を主力事業として拡大させるために、当社の独自の強みを活かしながら様々な取り組みを展開しています。 ヘルスケアサービス事業は、成長性が高いものと期待される上、「赤ちゃん」から「お年寄り」までの健康管理をサポートすることから、当社のビジョンである「お客さまの“一生のとも”となるサービスを提供する」ということと整合性が取れています。 当社がこれまでどのように業態変化を行ってきたかのご説明を行うとともに、ヘルスケアサービス事業において、どのような考えや方針に基づいて取り組んでいるかをご説明致します。
著者
森中 一郎
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.8-13, 2017 (Released:2018-04-25)

エフアンドエム(以下、当社)は、コンサルティング会社の出身である私、森中一郎が、1990年に設立した会社です。個人事業主の記帳代行サービスで圧倒的な実績があるだけでなく、中小企業向けの多様なサービスを展開中です。本講演では、日本経済の担い手である個人事業主や中小企業の現実と、その生産性改善に向けた当社の取り組みについてお話しいたします。