- 著者
-
川村 丈志
- 出版者
- 一般社団法人 情報システム学会
- 雑誌
- 情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
- 巻号頁・発行日
- pp.d14, 2017 (Released:2019-07-17)
基礎情報学[1]に於けるHACS/心的システムは, 心理学・精神医学・AI開発領野に適応することで, 哲学に於いて
は永遠に破棄されたかにみえても今なお我々/社会とアプリオリに住まい続ける<思考機械/客観世界:二元論>
モデルを蕩揺し, さらに<身体行為/環世界:意識の自然[2]>モデルへと, その礎の学際的・実践的転回が可能で
あろう.と同時に各学域から共有可能な理論的・事例的接続の磁場も不可欠である.
本研究者は大黒岳彦の「世界身体」[3], 及びフリードリヒ・キットラーの「書き込みのシステム」[4]を, 前者は
<身体行為/環世界:基盤>, 後者は<観察者/記述者:機序>, 各概念の触媒としてそこに措定する.
さらに意識の萌芽と変遷を学際的に遡り, 別の仕方で, 再プロッティングすることで, 弁証法的に作業仮説が検
証され鍵概念が解像度を高めてレンダリングされる.これらを「新実在論」の磁場[5]で覚醒させることで, 諸概念
は自ずと共鳴し, 訴求力ある<こころ2.0>パラダイムは創発されるであろう.本発表はその概要の素描である.