著者
杉野 隆
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第7回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.6-2, 2011 (Released:2020-05-25)

「管理」という言葉の由来を中国清代、日本の江戸・明治時代の文献に遡り、当時における意味を確認する。また、江戸時代に翻訳された中国の小説などを元に、「管理」の意味が変わっていないことを確認する。更に、現在において、品質管理における「管理」の意味、「管理」に対応する3つの英語 administer、control、manageの意味の違いを調べ、PDSサイクル上にプロットすることによって、多義的な「管理」の意味の位相を明らかにする。
著者
古賀 広志
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.b22, 2017 (Released:2019-07-17)

近年、社会物質性という考え方が注目されている。それは、システム開発の開始時点で、組織と技術を分離して考慮するのではなく、組織的行為=情報実践の中で両者が浮かび上がってくるとする考え方である。しかし、その視座はシステム設計に役に立つのか、という批判が少なくない。ところで、社会性物質の視座は、ソフトウェア工学におけるアジャイル開発の設計思想と軌を一にする点が少なくない。そこで、本稿では、アジャイル開発における社会物質性の意義を探ることにしたい。そのために、まず問題の所在を明らかにし、次いで社会物質性について概説を行い、最後にアジャイル開発の実践的意義について私見を述べることにしたい。
著者
松平 和也 小久保 幹紀
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第7回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.2-2, 2011 (Released:2020-05-25)

日本には情報参謀が育たなかったと信じられている。直近の太平洋戦争での情報戦は戦争開始前から負けていた。情報という言葉が明治初年に軍事用語として使われ始めた。そのため、一般の日本人にはなじみがないというのかもしれない。確かに太平洋戦争において、情報の活用は未熟であった。そのため、真珠湾奇襲からして、その奇襲により米国民の意欲を挫いてしまうという目的を達成できなかった。逆にルーズベルト大統領に外交暗号を解読されていて、“リメンバー・パールハーバー”という合言葉で、米国国民の日本への憎しみをあおられ、米国国民一丸となった参戦をはたした。しかも、“日本人はずるい”という言葉が戦争中流布された。誇り高い山本五十六大将は、この戦争開始時の米国への情報伝達について大変気にしていた。不思議なことに、山本大将自身は、司令部に情報参謀を配置しなかった。しかも、自分自身が米国の傍受網にかかり乗機が撃墜されて戦死した。戦後、米軍は日本の諜報技術をつぶさに調べて、陸海軍の一部情報参謀の優秀性を評価している。日本の陸海軍の情報参謀は、情報の無視と軽視の環境下でも地道に努力を継続し、劣勢の中で独特の工夫をしていた[1]。しかしながら、指導者に影響を与えられるだけの知識を有した国家的参謀を育てられなかったので戦争に負けたといえる。現在に至るまで、国家情報参謀は育てられていない。本論文では、日本人の情報活用能力が諸外国に比して遅れていたわけではないことを主張する。と同時に、日本の歴史上国家に貢献した参謀を見出し、彼らが如何に国家情報参謀足りえたかを、彼らの知識獲得の仕方、獲得した知識の分野などから学ぶ。これにより、今後、国家参謀を育成する上で、不足している教育分野を明らかにした。本論から、国家情報参謀育成の知識モデルを示す。国家が、進化的変革を達成しつつ持続的成長を実現するためには優れた人材を育て、その知識資源の有効活用によって、日本国家リーダが正しい意思決定を行うことで日本の政治経済力の一歩前進を期待するのである。
著者
松平 和也
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第2回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.7-04, 2006 (Released:2021-01-04)

今情報システム部門は役割を見失っている。発足以来電算課から情報システム部門へとすくすく育ったが経営環境の急変に付いて行けずに旧来の機能を墨守しているに過ぎない。戦略情報システム子会社ともてはやされて分社したら、数年を経ず電算メーカに売却されてしまったなどという例もある。コストカット対象部門になって久しい。 情報の語源は敵情報知からきたという。この語源が示唆することは、この部門の本質的機能は経営者に敵、即ち競争相手および潜在的競合の情報を報告知らせることではなかったか。軍組織ではこの役割は情報参謀と言っていた。CIOはこの参謀達の主任である。本論文ではダブルキャストのCIO制と配下の参謀組織を文字通りSTAFFとして再編成して持つ新しい役割機能を提案するものである。
著者
冨永 章
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第2回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.7-01, 2006 (Released:2021-01-04)

ソフトウェア規模の増大に伴い,ちょっとした間違い(グリッチ)が大事故に繋がるリスクが高まっている。組込み分野の欠陥は意外な結果となり目立ち易い。しかし,大企業の情報システムはもっと複雑な場合が多く,また機器のように比較的閉じた世界にはない。ソフトウェアの複雑化はグリッチを招き,社会問題ともなり得る。設計までの考慮漏れの場合はテストもされないため,防止策の立案は容易ではない。保険制度等はあるが,予防ではなく賠償策である。本稿ではグリッチの予防に必要な事を整理し,最近のプロジェクトで効果のあった策を示す。
著者
佐々木 桐子
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第11回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.a21, 2015 (Released:2019-10-28)

日本海側の地域では,冬,急速に発達する低気圧により地吹雪がしばしば発生する.地吹雪発生時,幹線 道路では通行止めや交通規制の措置が速やかにとられるようになったが,代替先の道路では交通容量を超え る人や車輌であふれ,大きな混雑や渋滞が発生し,二次的影響も少なくない.そこで本研究では新潟国際情 報大学周辺で 2010年 2月に 発生した地吹雪に関して,当時の状況を再現すべく交通流のシミュレーションモ デルを構築し, 幹線道路の通行止めが周辺道路へもたら した影響に関して分析をおこな った
著者
花本 洋平 古宮 誠一
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第4回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.D1-2, 2008 (Released:2020-06-29)

オブジェクト指向言語で開発されたプログラムでは,ポリモーフィズムによって分岐網羅の基準が実際の分岐を反映しなくなるため,分岐網羅のテストカバレッジが100%であっても十分に分岐をテストしているとは言えない.本研究では新しい分岐網羅基準を提案し,その基準に基づいたカバレッジを取得するためのツールを開発することでオブジェクト指向プログラムの信頼性を向上させることを目的とする.また,有用性についてはオープンソースソフトウェアに対して実験を行うことで検証する.
著者
石田 和成
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第5回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.A2-2, 2009 (Released:2020-06-29)

Wikipediaにおけるエイリアスもとづき,キーワードの表記ゆれ情報の抽出を行った.エイリアスはWikipedia内のページ名と異なる名前で, 指定したページへのリンクを張る仕組みである.この仕組みを用いて,Wikipediaの編集者はページ編集において,編集中の文脈に沿ったキーワードを選定して文章を構成する.そのため,本研究ではエイリアスにもとづきキーワードの表記ゆれおよび同義語の抽出を試みた.
著者
谷合 大 奥野 祥二 内田 智史
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.a12, 2017 (Released:2019-07-17)

一人の読者の理解力には波があり、一冊の書籍の内容に対しても、その読者が理解し易い部分や理解し難い部分がある事が考えられる。そこで、読者が必要性に合わせ文章の難易度を各節毎に選択し変更できる、新たな形態の電子書籍を我々は提案している。これは、書籍を小分けにし、難易度分けする事で、少しでも書籍の難易度の波を、読者の理解度の波に対して近付けようという試みである。 しかし、この書籍の執筆には、難易度選択のユーザインタフェース設計や小分けした文章の管理等、通常の書籍の執筆よりも大きな負担が、執筆者に生じると予想される。そこで、我々はこの難易度が変化する電子書籍の執筆補助の為の専用エディタの開発を行っており、そのエディタに必要な機能について検証している。
著者
伊藤 重隆
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第8回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.c1-2, 2012 (Released:2020-05-25)

情報システムは現在,多方面に情報技術発展の恩恵もあり配置され活用されている。企業情報システム,公共情報シス テム,産業用機器制御情報システム,電化製品組込情報システム、自動車に組み込まれている制御情報システム,通信 サービス支援情報サービス等,また,最近、著しく利用者が多くなっているインターネット・サービスもこの事例であ る。これらの情報システムが作られる時には,その時点のある目的を持って作成されている。過去に作成された情報 システムについて人間活動の視点から見直し情報システムのあり方を検討する。
著者
川村 丈志
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.d14, 2017 (Released:2019-07-17)

基礎情報学[1]に於けるHACS/心的システムは, 心理学・精神医学・AI開発領野に適応することで, 哲学に於いて は永遠に破棄されたかにみえても今なお我々/社会とアプリオリに住まい続ける<思考機械/客観世界:二元論> モデルを蕩揺し, さらに<身体行為/環世界:意識の自然[2]>モデルへと, その礎の学際的・実践的転回が可能で あろう.と同時に各学域から共有可能な理論的・事例的接続の磁場も不可欠である. 本研究者は大黒岳彦の「世界身体」[3], 及びフリードリヒ・キットラーの「書き込みのシステム」[4]を, 前者は <身体行為/環世界:基盤>, 後者は<観察者/記述者:機序>, 各概念の触媒としてそこに措定する. さらに意識の萌芽と変遷を学際的に遡り, 別の仕方で, 再プロッティングすることで, 弁証法的に作業仮説が検 証され鍵概念が解像度を高めてレンダリングされる.これらを「新実在論」の磁場[5]で覚醒させることで, 諸概念 は自ずと共鳴し, 訴求力ある<こころ2.0>パラダイムは創発されるであろう.本発表はその概要の素描である.