著者
森脇 寛智 川下 理日人 田 雨時 高木 達也
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.Y4, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
13

定量的構造-活性相関では、化合物の構造からその特徴を表す記述子を算出し、重回帰分析などにより予測モデルを構築する事が広く行われている。そのため、記述子を計算するソフトウェアは商用、非商用を問わず多く開発されている。PaDEL-descriptorは300回以上引用されている著名なソフトウェアで、多くの記述子を算出できる。そのため、我々も使用してきたが、これには多くの不具合が存在する事を見出した。また、最近では、特にニューラルネットワークにおいてPythonを使用して機械学習を行なう事が多くなってきている。これらより、我々は記述子計算ソフトウェアであるMordredを開発した。これはPython2/3両対応のモジュール、Command line Interface、ウェブアプリケーションから使用可能で、約2,000の記述子を算出できる。MordredはBSD3ライセンスで配布している。
著者
柄本 涼介 榎本 大義 後藤 仁志
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.P11, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
9

生体内で機能しているタンパク質の多くは四次構造を形成している。この構造を予測するタンパク質ドッキングには,タンパク質間相互作用を高速に評価する手法が重要である。これまでの我々の研究において,Krishnamoorthy等らが開発した統計的粗視化ポテンシャルや,我々によるその改良ポテンシャルをスコア関数に採用したタンパク質―ペプチドリガンド複合体の高速構造探索(ペプチドリガンドドッキング)法を開発してきた。本研究では,これらの粗視化ポテンシャルをタンパク質四次構造の安定性評価に適用できるかどうか検討するため,ホスホフルクトキナーゼ四量体の多形構造を生成し,それらをAMBER力場と粗視化ポテンシャルを用いて比較した。
著者
金谷 重彦 森田 晶 大橋 美名子 小野 直亮 黄 銘
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O14, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
11

料理の健康への寄与を体系的に理解することを目的とした料理レシピ・データベースを設計し開発した。現在までに1,539種の薬膳を格納した。これらの薬膳において、468種の食材、221種の効能情報が含まれている。本発表では、料理とヒトの健康への寄与の関係を集めたデータをもとに体系的に整理する。
著者
小林 正人 岩佐 豪 高 敏 高木 牧人 前田 理 武次 徹也
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O18, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
5

金属ナノクラスター触媒の反応性は、構成元素だけでなく、サイズや環境、構造など様々なファクターに依存するため、触媒活性の決定的因子の解明は困難であった。本研究では、銅クラスター触媒によるNO解離反応を例に、反応経路自動探索法を用いた系統的量子化学計算とスパースモデリングの手法を併用した触媒活性因子の抽出を試みた。具体的には、LASSO推定、SCAD推定、MC+推定の3つの手法を使い、軌道エネルギーや局所的な指標などの説明変数を用いて、Cu13クラスター上でのNO解離の遷移状態エネルギーを回帰した。その結果、遷移状態のエネルギーはLUMOの軌道エネルギーと負の相関があること、SCAD推定やMC+推定ではLASSO推定よりもコンパクトで相関係数の高いモデルが得られることがわかった。
著者
上岡 千紋 由井 芹菜 山本 栞 山崎 広之 西端 芳彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O9, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
10

化学構造データベースは、化学に関する研究情報の蓄積・公開には必須のシステムであるが、商用システムは導入・運用コストが高く、大学などの研究機関にはあまり普及していなかった。非営利研究機関向けライセンスやオープンソースソフトウェアの登場により、大学などでの利用も可能にはなったが、実用に供するシステムを開発するには大きな労力が必要である。一方、システム開発の効率化のためにアジャイル開発が注目を集めている。我々は、アジャイル開発と親和性の高いWebフレームワークであるDjangoに注目し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化合物データベースシステムの開発を試みた。我々の研究は、コンピュータプログラミングについての知識のない薬学部の学部学生が、短期間で実用的な化学構造検索システムを開発可能であることを示し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化学構造データベースシステム開発の有用性を明らかにした。
著者
和泉 博
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.P14, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
12

立体配座探索にはMerck社からの報告に代表される分子力場(MM)計算が一般に使用されている。ところが、日本の製薬企業に協力して水素結合を有するキラル医薬候補分子の解析を進めたところ、三割以上予測赤外円二色性(VCD)スペクトルが実測のものを再現しない結果が得られた。そこで、共通するSMARTS記法で表されるフラグメントをもち自由度が高い分子にむけて、フラグメント分子のデータベースの中から立体配座探索を行い、密度汎関数法計算のための初期構造を自動作成するプログラム(ConfFragGeneration)を構築した。フラグメント分子であるcyclohexyl nonanoate の立体配座データからキラル分子であるcholesteryl pelargonateの初期構造を自動作成し、コレステリック液晶状態の赤外円二色性(VCD)解析を行った。
著者
山﨑 広之 西端 芳彦 山乙 教之 広野 修一
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O10, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
12

fragment-based drug designでは、従来実験手法により活性フラグメントを同定し、それらのフラグメントを組み合わせて化合物設計を行う。近年、活性フラグメントの同定や化合物設計に用いる実験手法の代替案として計算機手法を用いることが期待されている。計算機的手法でフラグメントを同定する場合、数多くの候補フラグメントの数が同定され、その組み合わせは爆発的な数となる可能性がある。この全ての組み合わせに対して計算機手法による化合物設計を行うことは、計算コストが非常に高く、組み合わせを絞り込むための計算コストの低い手法が必要である。そこでフラグメント組み合わせの選択条件を検討するために、我々はフラグメントライブラリから取り出した全ての3個の組み合わせが既知化合物および物理化学特性を特定した化合物中に存在するかどうかを解析した。
著者
横山 直己 小野 直亮 有田 正規 太田 大策 金谷 重彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.P20, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
5

ミドリムシ(Euglena gracilis) は、嫌気条件下においてバイオジーゼルの燃料の原料となるワックスエステルを生合成し、細胞内に蓄積することが知られている。しかしその調節メカニズムについてはいまだ不明な点が多い。本研究では、トランスクリプトームデータのもとづいてベイズアノバ法によりミドリムシにおける代謝動態におけるシステム解析を行った。