著者
日高 敏隆 米川 誠
出版者
日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.27-31, 1959-01

In full-grown larvae (50mm or a little more in body length) of Malacosoma neustria testacea Motschulsky, extirpation of either the prothoracic or the mesothoracic ganglion results in a marked distension of the body within about 24 hours. The body becomes fully stretched, attaining about 70mm in length. The larvae become almost unable to move, except that they show a continuous biting and swallowing movement of mouth-parts. The alimentary canal is filled with air thus swallowed. When punctured by needle, the air escapes from the alimentary canal and the body immediately becomes reduced in size (see Figs. 1 and 2). After removal of the subesophageal ganglion or of the brain, the mouth-parts become immobile. In these larvae, extirpation of the prothoracic ganglion no longer causes the distension of the body. If the mouth and anus are closed with paraffin immediately after removal of the prothoracic ganglion, no distension of body can be observed. It is obvious, therefore, that the body distension following removal of the prothoracic ganglion is largely attributable to an abnormal intake of excess amount of air into the alimentary canal. Extirpation of the prothoracic ganglion appears to bring about a failure of a proprioceptic inhibitory mechanism. In younger larvae, mature larvae or prepupae no distension of body takes place after removal of the prothoracic ganglion. In the silkworm (Bombyx mori, L., J-122×C-115) deprived of the prothoracic ganglion, the distension is very slight.
著者
小汐 千春 石井 実 藤井 恒 倉地 正 高見 泰興 日高 敏隆
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-17, 2008-01-05 (Released:2017-08-10)
参考文献数
52
被引用文献数
1

東京都内に広く分布するモンシロチョウ Artogeia rapae (=Pieris rapae)およびスジグロシロチョウ A. melete (=P. melete)の2種のシロチョウについて,東京都内全域において,過去にどのような分布の変遷をたどってきたか調べるために,アンケート調査,文献調査およびフィールド調査を行った.その結果,特別区では,1950年代から1960年代にかけてモンシロチョウが多かったが,1970年代以降スジグロシロチョウが増え始め,1980年代には都心に近い場所でも多数のスジグロシロチョウが目撃されるようになったが,1990年代以降,再びスジグロシロチョウの目撃例が減少し,かわってモンシロチョウの目撃例が増加したことが明らかになった.さらにこのようなモンシロチョウとスジグロシロチョウの分布の変遷は,特別区以外の郊外の市町村や島嶼部でも見られることがわかった.
著者
小林 正人 岩佐 豪 高 敏 高木 牧人 前田 理 武次 徹也
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

金属ナノクラスター触媒の反応性は、構成元素だけでなく、サイズや環境、構造など様々なファクターに依存するため、触媒活性の決定的因子の解明は困難であった。本研究では、銅クラスター触媒によるNO解離反応を例に、反応経路自動探索法を用いた系統的量子化学計算とスパースモデリングの手法を併用した触媒活性因子の抽出を試みた。具体的には、LASSO推定、SCAD推定、MC+推定の3つの手法を使い、軌道エネルギーや局所的な指標などの説明変数を用いて、Cu13クラスター上でのNO解離の遷移状態エネルギーを回帰した。その結果、遷移状態のエネルギーはLUMOの軌道エネルギーと負の相関があること、SCAD推定やMC+推定ではLASSO推定よりもコンパクトで相関係数の高いモデルが得られることがわかった。
著者
井川 房夫 日高 敏和 桑原 政志 松田 真伍 大園 伊織 知久 正明 北村 直幸 ショパン アントワン 島原 佑基
出版者
島根県立中央病院
雑誌
島根県立中央病院医学雑誌 (ISSN:02895455)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.3-12, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
34

日本は人口比MRI保有台数が世界一であり,日本人の未破裂脳動脈瘤は欧米人の2.8倍 破裂しやすいため,脳ドックが発展している.近年人工知能による未破裂脳動脈瘤診断もされるよ うになったため,未破裂脳動脈瘤のMRI画像診断,人工知能による画像診断について報告する.
著者
寺本 英 日高 敏隆 河合 雅雄 川那部 浩哉 伊藤 嘉昭 松田 博嗣
出版者
京都大学
雑誌
特定研究
巻号頁・発行日
1986

昭和58〜60年度の3年間におよぶ本特定研究の研究成果は下に述べるとおりであるが、本年度はそれらの研究成果をもとに国際シンポジウム「生物の適応戦略と社会構造」が計画され、この分野で活躍する外国の専門研究者17名の参加を得て実施された。本シンポジウムはいろいろな動物群あるいは数理モデル等の各分野の専門家が一同に会して動物の社会構造や社会行動についての諸問題を議論したユニークなものであり、本特定研究の研究成果に国際的な評価を与えるものとなった。シンポジウムの内容は特定研究の研究成果を含め英文報告書として取りまとめられた。また、それとは別に「生物の社会構造」と題する和文の啓蒙書も出版されている。3年間の本特定研究の研究成果は次のとおりである。昆虫における真社会性の進化、昆虫および甲殻類の交尾戦略・繁殖戦略の研究では、野外調査を主体に、特に南西諸島での本格的な調査とともにいくつかの事実の発見があり繁殖戦略・社会構造の理論の発展を得た。脊椎動物では魚類,鳥類,哺乳類を中心に調査研究が組織的に遂行され、交尾・育児・採餌行動と社会構造の詳細な比較検討が行なわれた。霊長類についてはニホンザルの調査を中心に、新しい調査方法によって採餌戦略・繁殖戦略によるサル社会の分析がなされ、個体群維持機構に関する事実が見い出された。ヒトに関する研究は旧来の伝統的風習や制度の残る沖縄や東北の僻地社会で重点的な調査が行なわれ貴重な資料が集収された。またそれに基づく社会構造と生存戦略の分析をとおしてヒト社会の特徴が抽出された。これらの広い研究対象で明らかにされてきた種々の動物行動の適応戦略的視点からみた統一的理論および社会構造形成モデル理論の探求が個体群動態論と適応戦略論の融合した理論として世界に先がけて精力的に行なわれた。
著者
重本 博充 原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之 上田 清 中村 秀司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.176, pp.1-8, 1999-07-16
被引用文献数
1

電気自動車に搭載されるバッテリの車載型充電器用として, 補助スイッチを用いたZVS昇圧形コンバータに関する検討を行った. 回路の諸特性及び主スイッチのソフトスイッチング動作について, 解析及び試作機を用いた実験により検討を行い, ZVS条件並びにスイッチに発生する電圧及び電流ストレスを明らかにした. 特に, 転流用付加回路の接続位置が異なる2態様のコンバータに関して, これらの動作解析による諸特性の比較を行った. 試作機を用いた実験において, コンバータは最大電力4.4kW, 最大効率95%を得た.
著者
小塚 良允 田村 博昭 清水 保 長谷川 美知子 田中 熟 日高 敏男 鳥浜 慶熈 杉山 陽一 石井 奏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.684-686, 1975

近年における抗生物質の開発進歩には目覚しいものがあり, 各種感染症に対してあるいは汚染手術の術後感染予防に対して著明な効果を期待できるまでに至つている。しかし, その投与方法に関しては, 未だに慣用的な要素が多く, 今後の研究の余地が残されている。抗生物質の本来の効果を期待するには, 薬剤の濃度と起炎菌の感受性との関係を解明した上での正しい投与法をおこなう必要がある。<BR>産婦人科領域における術後感染症として最も重要なのは, 子宮頸癌-広汎子宮全摘除術における骨盤死腔炎である。私どもは, この種の手術にさいして, 子宮全摘除後の骨盤死腔内に, Sodium cophalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) の粉末29を散布し, 術後骨盤死腔炎の予防効果を挙げている。今回, CET2g骨盤死腔内投与後の血中濃度を測定し, 術後の抗生物質の投与方法について検討する機会を得たのでその成績を報告する。
著者
梅宮 弘道 大高 敏男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.56, no.532, pp.3860-3868, 1990-12-25
被引用文献数
3

A theoretical analysis of a snow-melt road has been performed using a method of imaging line sources. The results showed that: (1) The snow-melt road proposed in this report is assumed to be a uniform concrete road which has a deep heat storage zone 2.9m under the road. (2) The heat loss through the road shoulder can be eliminated by a thermal insulator buried in the shoulder 50cm deep. (3) The power of the proposed type of heat storage is far superior to the standard one. Over 5 days, the surface heat flux of this road is larger than the standard one. (4) The optimal relation between the pitch, the depth of the buried heat transfer pipes and the temperature of water used are shown in the figures. A thermal design process is proposed.
著者
杉村 直紀 原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之 難波 嘉彦 吉田 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.25, pp.7-12, 2002-04-12
被引用文献数
2

将来、電磁波低減型照明器具の開発を解析シミュレーションにより行えるようにするため、本報告ではそのモデル化技術について述べている。さらに、その技術を使った電磁波低減型照明器具の検討の一例を紹介し、実測にてその妥当性を検証した。最終的には0.05〜0.50MHzの周波数範囲で約3dB以内で高精度な解析モデル化技術が開発された。
著者
小高 敏郎
出版者
俳文学会
雑誌
連歌俳諧研究 (ISSN:03873269)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.18, pp.1-8, 1959-07-20 (Released:2010-08-10)
著者
井川 房夫 日高 敏和 吉山 道貫 松田 真伍 大園 伊織 道端 伸明 康永 秀生 山口 修平 小林 祥泰 栗栖 薫
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-6, 2020 (Released:2020-04-08)
参考文献数
18

最近フィンランドから,くも膜下出血頻度はそれほど高くなく,他のヨーロッパ諸国と同程度と報告されている.最近のくも膜下出血頻度に関するメタ解析では,日本のみ増加しているが,我々の推測では軽度減少している.また,日本のくも膜下出血の治療成績は,退院時転帰不良率はクリッピングとコイリングで差がなく,死亡率はコイリングで有意に少なかった.全国的データのメタ解析ではどちらも差がなかった.日本でなぜくも膜下出血頻度が高いのか,その理由を突き詰めることが今度の動脈瘤研究にとって重要と考えられる.
著者
小汐 千春 石井 実 藤井 恒 倉地 正 高見 泰興 日高 敏隆
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-17, 2008
参考文献数
52

東京都内に広く分布するモンシロチョウ Artogeia rapae (=Pieris rapae)およびスジグロシロチョウ A. melete (=P. melete)の2種のシロチョウについて,東京都内全域において,過去にどのような分布の変遷をたどってきたか調べるために,アンケート調査,文献調査およびフィールド調査を行った.その結果,特別区では,1950年代から1960年代にかけてモンシロチョウが多かったが,1970年代以降スジグロシロチョウが増え始め,1980年代には都心に近い場所でも多数のスジグロシロチョウが目撃されるようになったが,1990年代以降,再びスジグロシロチョウの目撃例が減少し,かわってモンシロチョウの目撃例が増加したことが明らかになった.さらにこのようなモンシロチョウとスジグロシロチョウの分布の変遷は,特別区以外の郊外の市町村や島嶼部でも見られることがわかった.