著者
土方 敦司 塩生 くらら 中江 摂 塩生 真史 太田 元規 金谷 重彦 白井 剛
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.102-106, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

The novel coronavirus disease (COVID-19) pandemic has emerged in late 2019 and rapidly spread all over the world. In order to assist structure-based discovery efforts for repurposing drugs against the infectious disease, we constructed homology models of SARS-CoV-2 proteins. We identified several potential drugs by comparing the ligand molecules in the template structures with approved or experimental drugs and compounds of natural drugs, including carfilzomib, sinefungin, tecadenoson, and trabodenoson, that would be further investigated for their potential for treating COVID-19.
著者
金谷 重彦 森田 晶 大橋 美名子 小野 直亮 黄 銘
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O14, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
11

料理の健康への寄与を体系的に理解することを目的とした料理レシピ・データベースを設計し開発した。現在までに1,539種の薬膳を格納した。これらの薬膳において、468種の食材、221種の効能情報が含まれている。本発表では、料理とヒトの健康への寄与の関係を集めたデータをもとに体系的に整理する。
著者
比嘉 悠貴 深見 裕之 小野 直亮 金谷 重彦
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.97-101, 2022-07-31 (Released:2022-08-13)
参考文献数
13

紅麹菌(Monascus)を米に生育させた紅麹米は,世界中で食品として利用されている.近年は天然色素としての着色料だけではなく,血圧低下作用やコレステロール低下効果など機能性食品としての利用も高まっている.紅麹菌はヒトの健康に良い効果をもたらすモナコリンKやアザフィロン色素を生産する一方で,健康を害すると考えられるカビ毒シトリニンも作る.したがって,安全に食品として利用できるカビ毒シトリニンをつくらない紅麹菌の産業利用が望まれる.我々は,紅麹3菌種について次世代シークエンサーを用いたゲノム解析とLCMSを用いた二次代謝物解析を行った.その結果,ゲノムレベルと代謝物レベルでカビ毒シトリニンを生産しない紅麹菌株としてMonascus pilosus NBRC 4520とMonascus ruber NBRC 4483を見出した.また,Monascus ruberについてはシトリニンを生産することが報告されているが,Monascus pilosusについてはゲノムレベルでシトリニンの生合成遺伝子が保存されていないことが複数の菌株で報告されている.したがって,食品として利用するための紅麹菌種として安全性が最も高いのはMonascus pilosusであると考えられる.これらの研究知見が,安全な紅麹菌の研究を通じて食品への利用,世界中のヒトの健康の維持増進へ貢献する端緒となれば幸いである.
著者
村岡 伸哉 上野 豊 佐藤 哲大 小野 直亮 杉浦 忠男 金谷 重彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第37回情報化学討論会 豊橋
巻号頁・発行日
pp.O04, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
4

生体内高分子の反応を可視化する分子アニメーション作成には、静的な分子モデルが採用され、分子の動的な特性を考慮しにくいのが現状である。本研究では、高分子の基準振動解析の結果を用い、熱揺らぎを考慮した動的なモデルを構築する手法を考案したので、その結果について議論したい。
著者
金谷 重彦 小野 直亮 森田 晶
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第42回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.1P02, 2019 (Released:2019-10-22)
参考文献数
3

メタボローム研究を中心に薬用・植物知識ベース(機能性、配合)、さらにヒト生理活性を統合的に扱うデータベースKNApSAcK Family DB(http://kanaya.naist.jp/ KNApSAcK_Family/)の構築を進めている。メインウインドウを図1に示す。KNApSAcK Core Systemには、生物種と二次代謝物の関係データ情報が整理されており、現在までに、114,238レコードの生物種-二次代謝物の関係、二次代謝物の総数は51,086種となっている。さらに、アルカロイドにおける生合成経路データベースCobWebを開発した。本データベースを活用し、グラフコンボリューションニューラルネットワークにより、代謝経路既知のアルカロイド化合物を生合成開始物質へ分類したところ、非常に良好な識別結果を得た。
著者
横山 直己 小野 直亮 有田 正規 太田 大策 金谷 重彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.P20, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
5

ミドリムシ(Euglena gracilis) は、嫌気条件下においてバイオジーゼルの燃料の原料となるワックスエステルを生合成し、細胞内に蓄積することが知られている。しかしその調節メカニズムについてはいまだ不明な点が多い。本研究では、トランスクリプトームデータのもとづいてベイズアノバ法によりミドリムシにおける代謝動態におけるシステム解析を行った。
著者
金谷 重彦 平井 晶 高橋 弘喜 Altaf-Ul-Amin Md. 中村 建介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.322, pp.71-76, 2010-11-25

ゲノムプロジェクトの進展に伴って、現在までに、数百種のバクテリアゲノム、数十種の植物および動物のゲノムが解読された。植物における二次代謝産物は約20万種以上と推定され、5万種については構造決定されていると報告されている中で、ゲノムサイエンスの一環として、代謝産物と生物種の関係を体系化することを目的に、文献情報をもとに生物種とその生物において発見された代謝物の関係をデータベース化することを2004年より開始した。本論文では、このようにして開発された代謝物データベースKNApSAcK DBの現状を紹介する。さらに、生物資源の多面的な利用の目的からの代謝物検索を容易にするためのウェブサービスとしてKNApSAcKファミリーの研究開発を進めている(http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK_Family/)。現在までにLunch Box(目的:食履歴)、KAMPO(漢方生薬)、KNApSAcK from around the world(世界の薬用植物)などのデータベース構築が完了した。これらのデータベースの現状についても紹介する。