著者
永井 由美子 野島 久雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.38-43, 2011-03-01

現在、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービスのように誰もが簡単にメディア表現や情報発信できるような技術的な環境が充実しつつありるが、自分たちの手で地域に根ざした「パブリック」なネットワーク作りができるようには十分にデザインがなされてはいない。また高度な技術も個人で手に入れられる。本稿では誰もが直面する問題としてパーソナルな「思い出」を残す方法を考える「思い出を記録するワークショップ」講座を対象とした。講座を経験することで、個人の段階での次の新しい表現活動をしたいという気持ちが個人の段階に生じ、またグループでもやりたいと思えることが、継続する表現活動につながっているようである。そして「思い出」というプライベートなものを「パブリック」な表現とするためには講座という小さな他者のいる共同体ができあがり、そこから家族、知人、と表現物を共有する範囲が広がっていく。ここでの講座で主催者が提供したものは、講座のプログラムと空間であり、参加者と主催者が相補的に関係性をつくりあげていった共同体である。ここで大切だったのは、全員に表現形式の提案をすることとそれを共有することであった。
著者
濱崎 雅弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.14-21, 2011-03-01

本稿では集合知を創発する場、特にウェブ上における場のデザインに関して議論する。ウェブ上に生まれた創造活動の場は、膨大な参加者と、デジタル空間であるため場(プラットフォーム)を自由にデザインできるという特徴を持つ。これは大きな可能性を秘めている一方、そのデザインには多くの知見が新たに必要となると考えられる。本稿ではウェブ上に生まれた創造活動の中でも多数の人々の参加による創造活動、つまりは集合知に着目する。本稿ではまずウェブに限定しない、集合知一般に関するこれまでの議論を振り返り、集合知が創発されるための要件と、そのための場のデザインはどうあるべきかについて述べる。次にウェブ上で展開される様々な試みをもとに、ウェブ上での場のデザインの可能性について述べる。最後に知識や道具などとは異なる個人的主観性の高いコンテンツを生み出す集合知の場のデザインについて実データの分析を交えながらその可能性を議論する。
著者
神野 由紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.13-20, 2002-03-31
参考文献数
51
被引用文献数
2
著者
河原林 桂一郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.8-9, 1999-03-31
被引用文献数
1