著者
須永 剛司 永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.4-12, 2014-03-31 (Released:2017-11-27)

「デザイン思考」という枠組みが提示され、今さまざまな学問が横断的な知として「デザイン」を教育プログラムとして設置しはじめている。しかし、デザインを「思考」の組み立てとしてのみ捉えることはその営みの本質を取り逃がすことになる。デザインすること、つまり「デザインニング」には思考とともにそれを駆動する表現行為がある。いまデザインの共同体に求められているのは、未知の物事を描き、創造し、具体に仕立て上げる力と、それを駆動している本物のデザインの知の成り立ちを明らかにすることだ。そんな思いから著者らはデザインの実践家たちが「デザインの知」を描き出す試みを実施した。本稿では、デザイナーたちが自らのデザイン実践を省察し、デザインをいかに「行い」、デザインすべき課題をいかに「知る」のかを語りその意味を探る試みを報告する。またそこから見出されたデザインの思考と行為を形づくっている3つ原理、「じゃない感」「結果と問いのカップリング」「3種類のコミュニケーション・モード」を、実践するデザイナーの「デザイン知」として考察する。
著者
永井 由美子 野島 久雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.38-43, 2011-03-01

現在、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービスのように誰もが簡単にメディア表現や情報発信できるような技術的な環境が充実しつつありるが、自分たちの手で地域に根ざした「パブリック」なネットワーク作りができるようには十分にデザインがなされてはいない。また高度な技術も個人で手に入れられる。本稿では誰もが直面する問題としてパーソナルな「思い出」を残す方法を考える「思い出を記録するワークショップ」講座を対象とした。講座を経験することで、個人の段階での次の新しい表現活動をしたいという気持ちが個人の段階に生じ、またグループでもやりたいと思えることが、継続する表現活動につながっているようである。そして「思い出」というプライベートなものを「パブリック」な表現とするためには講座という小さな他者のいる共同体ができあがり、そこから家族、知人、と表現物を共有する範囲が広がっていく。ここでの講座で主催者が提供したものは、講座のプログラムと空間であり、参加者と主催者が相補的に関係性をつくりあげていった共同体である。ここで大切だったのは、全員に表現形式の提案をすることとそれを共有することであった。
著者
安松 啓子 多田 美穂子 永井 由美子 中田 悠
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.261-268, 2021 (Released:2021-07-02)
参考文献数
48

脂肪の検出に味覚器が関与する証拠が2000年前後から相次いで報告され,舌の味覚器に脂肪酸トランスポーターをはじめとする受容タンパクの発現検索,そして続いて機能証明が多角的になされている。筆者らはGPR40(FFAR1),GPR120(FFAR4)がマウスの舌に発現し脂肪酸の情報を脳に伝えること,GPR120は鼓索神経領域で長鎖脂肪酸を受容伝達して,他の味との弁別に役立っていることを報告した。さらに舌咽神経領域におけるCD36の嗜好性の脂肪酸情報の役割も現在解明中である。GPR120は消化管で最初に機能が報告されたが,脂質による腸管ペプチドGLP-1を通じてインスリン分泌や満腹感などにも関与し,胃のグレリン分泌を抑制することで食欲を抑える機能も最近明らかになっている。味覚による脳相反応によって,消化吸収の準備が始まり,満腹感にまで影響を与える可能性が大きい。味覚と疾患の関連として,肥満・糖尿病患者は味覚感受性が低下しており,さらに脂質や調味料を摂りすぎる危険性がある。味覚は今や摂食調節や生活習慣病と密接にかかわることが明らかで,美味しさ・不味さの解明は全身とのつながりにおいても重要である。
著者
高崎 裕治 永井 由美子 井上 馨 真木 誠 大中 忠勝 栃原 裕
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.99-106, 2011-11
被引用文献数
3

冬季における高年者の入浴習慣について,札幌,秋田,大阪,福岡の4地域における特徴を比較し,入浴事故死亡率の地域差に関連する要因を検討するため,質問紙による調査を実施した.高年者の半数以上は何らかの治療を受けており,特に高血圧症の治療を受けている者がいずれの地域においても最も多かった.札幌より大阪や福岡の高年者の方が冬季の浴室を寒いと感じていた.暖房器具として,脱衣場所ではストーブがよく使用され,浴室では暖房乾燥機が専用のものとして使用されていた.脱衣場所や浴室に暖房器具を設置していない者は,その必要性を感じていなかった.ロジスティック回帰分析を行うと,入浴事故死亡率が低い札幌での冬季の入浴習慣として,入浴回数が少なく,浴室への滞在時間や浴槽に浸かる時間が短く,入浴中はあまり寒さを感じていないという傾向が示された.同様な入浴習慣を形成できれば,致命的な入浴事故を防ぐために有効と思われる.
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017-08-31

【目的】日本調理科学会平成24~26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理のおやつの特徴について報告する。<br /><br />【方法】平成 25 年 10 月~27 年 2 月に群馬県内の8地域において,各地域 2 名以上(60 歳~80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後、嬬恋村において追加調査を行った。<br />【結果】群馬県は,冬期の日照時間が長く、乾燥した気候で、水はけのよい土地であるため、小麦の生産に適し、平坦地では米と麦の二毛作が行われている。小麦粉はおっきりこみやうどんなど主食として食するほか、いろいろなおやつが作られている。中でもまんじゅう類は種類が多く、炭酸まんじゅう(ふかしまんじゅう)、ゆでまんじゅう、すまんじゅう、そばまんじゅう、焼きまんじゅうなどがある。焼きまんじゅうは、すまんじゅうを竹串に刺し、たれ(赤みそ、砂糖、水)をつけて香ばしく焼いたもので、祭りや縁日の屋台で売られ、群馬のソウルフードともいえるおやつである。また小麦粉に野菜などを入れた焼いた焼きもち(ふちたたかっしゃい、もろこしおべった)や、たらし焼、じり焼き、甘ねじなどもある。米粉を使ったものでは、あんぴんもち、草だんご、きびもち、すすり団子などのもちや団子も喜ばれた。また、いも類のおやつでは、さつまいもを蒸して干した乾燥いもや油焼き、里芋をゆでて串にさしたれをつけたいも串、じゃがいもでは、いも餅やいも串などがある。様々なおやつの工夫がみられる。
著者
高崎 裕治 大中 忠勝 栃原 裕 永井 由美子 伊藤 宏充 吉竹 史郎
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-34, 2006-05
被引用文献数
4

浴槽死亡事故の地域差に影響する因子を検討するにあたり,本研究の目的は日本の各地域における入浴実態を比較してその差異を明かにすることである.質問紙による調査を全国11の地域(札幌,秋田,仙台,北千葉,南千葉,静岡,富山,大阪,広島,福岡,鹿児島)で実施した.各地域で約30戸の戸建て住宅を対象に,質問紙を夏と冬の2回配付した.建築後の経過年数,住宅の設備や温冷感,入浴行為等について質問を行った.その結果,以下のような入浴実態やその地域差が認められた.すなわち,保温性や断熱性という観点からは比較的新しい住宅や北日本の住宅が優れていること,予期に反して冬期に南日本の人たちの方が北日本の人たちよりも浴室を寒く感じていることなどである.また,入浴頻度,時間や最初に入力する人にも地域差が見られた.各地域の入浴実態と浴槽事故死亡率には関連がありそうであるが,さらに検討が必要である.
著者
綾部 園子 堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会平成24〜26年度の特別研究で,次世代へ伝え継ぐ資料とし群馬県内で聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め,群馬県の家庭料理の副菜の特徴について報告する。</p><p>【方法】平成25年〜27年に群馬県内の8地域において,各地域2名以上(60 歳〜80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後,嬬恋村・片品村において追加調査を行った。</p><p>【結果および考察】群馬県は首都圏に近く気候にも恵まれ,いろいろな野菜が生産され,旬には山菜やきのこなどの利用も多い。これらの野菜を使って多様な野菜料理が作られているが,中でも「きんぴら」はそれぞれの家庭の味つけで鍋いっぱいに作る常備菜で,おかずはもちろん麺類の「こ」としてもよく登場した。また,自宅でとれた野菜をたっぷり入れたみそ汁は副菜を兼ねるもので,牛蒡,大根,にんじん,里芋,ねぎなどの野菜に油揚げ,豆腐,こんにゃく等をいれたけんちん汁はその代表ともいえる。野菜の煮物にはさつま揚げなど「買ったもの」を入れることも多かった。漬物(ぬか漬け,梅干し,沢庵,白菜づけ,紅しょうが,らっきょう,きゅうりの味噌漬け,きゅうりやなすの塩押し,山菜漬け,きのこ漬け等)はそれぞれ自家製の野菜を樽で漬けた。ゆでた野菜はうどんの「こ」にする他,お浸しや胡麻よごしとしても食べた。大根葉,切り干し大根,いもがら,ぜんまいなどの乾燥野菜や切り昆布は戻して煮物にした。野菜の天ぷら,花豆などの煮豆,特産のこんにゃくを使った田楽や白和えも来客時や日常食として食されている。</p>
著者
高崎 裕治 大中 忠勝 栃原 裕 永井 由美子 伊藤 宏充 吉竹 史郎
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.65-71, 2010 (Released:2018-03-22)
参考文献数
16
被引用文献数
2

パイロットスタディとして大阪と秋田で冬期に入浴と排泄の模擬行動を観察し,高齢者におけるヒートショックの状況を検討した.さらに,全国調査で収集した室内温熱環境の資料を用いて,浴室とトイレの暖房設備等と気温の関係,居間との気温差,高齢者の温冷感を検討した.パイロットスタディでは寒冷地において居間と他の部屋の気温差が大きく,居間から浴室やトイレに移動したときに大きな血圧上昇を示すものがいた.全国調査の資料より,居間と浴室やトイレとの気温差は夕方8時前後に最大となった.同じ温冷感であるにもかかわらず,浴室やトイレでの実際の気温は居間の気温よりも低かった.高齢者は身体にストレスを受けているが,浴室やトイレの寒さには寛大であるように思われる.居間と浴室の気温差は浴室での死亡率と相関する傾向にある.
著者
山口 要子 永井 由美子 山川 正信
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.15-22, 2015-02

整容における毎朝の整髪が患者のリハビリ意欲や身だしなみに及ぼす効果について検討した。整髪後のフェイススケール得点は整髪前に比べて有意に改善された(p<0.05)。また,整髪前後の気分変化では整髪後に気持の穏やかさ(p<0.01),体調・疲労感(p<0.05)において有意な改善を認めた。整髪により患者が気持ちがよいと感じることと,リハビリ意欲との間に関連を認めた(p<0.05)。整髪による身だしなみへの波及効果については,更衣し服装を整える,化粧を行うなどの変化が見られ,更衣し服装を整えたこととリハビリ意欲との間に有意な関連が認められ(p<0.05),整髪はリハビリ意欲の改善につながることが明らかとなった。
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 阿部 雅子 高橋 雅子 永井 由美子 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】群馬県は日本の中央部に位置し、かつては養蚕業が盛んであったが、現在では兼業農家が多く、首都圏向けの農業物を生産している。この度、日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』に参加し、群馬県内5地域で調査を行ったので報告する。<br>【方法】平成25年10月~26年2月に群馬県内の5地域において、各地域2名以上(60歳~80歳代、居住年数40年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い、調査の同意を得た上で、調査票に沿って対話したものを記録した。<br>【結果】群馬県内全体では、昭和30年代までは現金収入としては、養蚕、水稲、麦、豆が中心であり、日常の食では、飯には押し麦を混ぜ、1日1食はうどん、おきりこみやすいとんなどの小麦粉を使った料理を食していた。内陸県のため、魚は行商から購入した干魚や缶詰、川魚を食した。野菜の煮しめ、けんちん汁、お焼き、きんぴら、まんじゅうも共通する料理である。ハレの食としては、北部のみなかみ町では、赤飯、うどん、そば、草餅のあんぴん、ぼたもち、まんじゅう、山菜の天ぷら、野菜の煮しめ、車麩の煮物、切り昆布の煮物など、赤城町では、餅、煮しめ、きんぴらなど、群馬町では、ザクニや天ぷら、赤飯、ふかしまんじゅうなど、中央部の前橋市田口では煮物、寿司、けんちん汁、ぼたもちなど、南部の太田市では、赤飯、けんちん汁、巻きずし、煮物などがあった。現在、みなかみ町や赤城町には農業環境と観光とを連携したが施設あり、地域の農産物を直売するとともに、そば打ちやこんにゃくつくりなどを体験でき、地域の家庭料理を伝える場ともなっている。
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】日本調理科学会平成24〜26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理 行事食の特徴について報告する。</p><p>【方法】平成 25 年 10 月〜27 年 2 月に群馬県内の8地域において,特別研究の方法に従い,各地域 2 名以上の調査対象者に対して同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録し,その後の追加調査の結果も加えた。</p><p>【結果】群馬の行事食では、赤飯ときんぴらの組み合わせやけんちん汁の頻度が高い。赤飯にはもち米だけでなくキビやアワ加えることもあり、豆は小豆、ささげ、いんげん豆、花豆などを用いて色をつける。小麦の産地なので、日常食として手打ちうどんやそばを食するが、行事食としても供される。また、蒸かし饅頭も行事の折(田植え、農休み、七夕、釜の口開けなど)に作る。焼き饅頭は、初詣、初市、地域の祭りなどでは必ず屋台がたつ。代表的な年中行事の行事食は、正月(雑煮、きんぴら、なます、煮物、煮豆)、七草(七草がゆ)、小正月(小豆粥)、どんど焼き(まゆ飾り、餅花)、節分(しもつかれ、ざく煮、福豆、いわし)、ひな祭り(ちらしずし、菱餅、草餅、きんぴら)、お彼岸(ぼたもち、おはぎ、天ぷら)、端午の節句(柏餅、鯛の塩焼き、赤飯)、田植え(おにぎり、田植えにしん)、お盆(煮しめ、うどん、天ぷら、きんぴら)、十日夜(けんちん汁、もつ煮、だんご)、えびす講(ざく煮)、屋敷祭り(けんちん汁、いわし)、冬至(かぼちゃの煮物、おっきりこみ)、年越し(晦日そば、きんぴら、年越しそば)など,通過儀礼では初誕生(一升餅),結婚式(太巻き、ざく煮)などがある。</p>
著者
中島 千英子 永井 由美子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 人文社会科学・自然科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:24329622)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.41-49, 2020-02

晩婚化や晩産化,育児の孤立化等,子育てを取り巻く状況は大きく変化しており,十分な育児支援を受けられる母親は少なくなっていることが予測され,育児情報源も多様化している。本研究では,近年普及の著しいSNS について着目し,育児中の母親の育児情報源について質問紙調査を行った。育児情報源としてインターネットを利用していた母親は,92.7%であった。また,Instagram,LINE等SNSのいずれかを利用している母親は75.1%であった。さらに,情報リテラシーの認知度が35歳以下の母親と比べて,35歳以上の母親では21%と有意に低く(P<0.05),母親の情報リテラシー教育の必要性が見出された。
著者
小田 麗子 永井 由美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.302-310, 2021-10-01 (Released:2021-11-24)
参考文献数
26

【目的】大阪市内の高等学校に通う高校生の食育への関心度からみた,食知識・配慮・調理技術・食の主観的評価の実態を明らかにすること。【方法】大阪市立A高等学校の全校生徒686名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った。因子分析により抽出された「食育関心度」(食育とは知っているか・食育の情報を得られているか・食育について関心があるか・食育は自分にとって必要か)の回答から,「食育関心度」高群と低群の2群に分けた。さらに食知識,調理技術などの各質問項目の回答は,2群に分け,「食育関心度」高群,低群の回答の分布をχ2 検定で比較した。【結果】「食育関心度」高群は低群と比べ,食に関する知識(主食・主菜・副菜について,1日の食事バランス,食品表示を見る方法,伝統的な料理や行事食について,和食がユネスコ文化遺産となったこと)を知っている者,食生活(栄養バランスよく,野菜を多く食べる,加工食品を取りすぎない,塩分をとりすぎない,食品表示を見る)についての配慮をしている者,調理(だしのとり方,煮物調理,揚げ物の調理,一汁三菜)ができる者の割合が有意に高く,食事が満足,楽しいと思う者の割合も高かった。一方,「食育関心度」低群は,穀類,野菜類の摂取が1日1回以下の者の割合が高かった。【結論】高校生において,「食育関心度」と食知識・配慮・調理技術・食の主観的評価の実態には関係性があることが示唆された。
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.220, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】日本調理科学会平成24~26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理のおやつの特徴について報告する。【方法】平成 25 年 10 月~27 年 2 月に群馬県内の8地域において,各地域 2 名以上(60 歳~80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後、嬬恋村において追加調査を行った。【結果】群馬県は,冬期の日照時間が長く、乾燥した気候で、水はけのよい土地であるため、小麦の生産に適し、平坦地では米と麦の二毛作が行われている。小麦粉はおっきりこみやうどんなど主食として食するほか、いろいろなおやつが作られている。中でもまんじゅう類は種類が多く、炭酸まんじゅう(ふかしまんじゅう)、ゆでまんじゅう、すまんじゅう、そばまんじゅう、焼きまんじゅうなどがある。焼きまんじゅうは、すまんじゅうを竹串に刺し、たれ(赤みそ、砂糖、水)をつけて香ばしく焼いたもので、祭りや縁日の屋台で売られ、群馬のソウルフードともいえるおやつである。また小麦粉に野菜などを入れた焼いた焼きもち(ふちたたかっしゃい、もろこしおべった)や、たらし焼、じり焼き、甘ねじなどもある。米粉を使ったものでは、あんぴんもち、草だんご、きびもち、すすり団子などのもちや団子も喜ばれた。また、いも類のおやつでは、さつまいもを蒸して干した乾燥いもや油焼き、里芋をゆでて串にさしたれをつけたいも串、じゃがいもでは、いも餅やいも串などがある。様々なおやつの工夫がみられる。
著者
永井 由美子 奥野 めぐみ 山下 茜
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.37-44, 2012-02

本研究は,休息時における歯磨き行為による疲労回復の効果について検討したものである。実験は計算課題を20分間行った後,10分間の椅座位安静とした。次に休息時に歯磨きをする群(歯磨き群)と歯磨きをしないで立った状態(立位待機群)とした。さらに10分間の安静を保った。安静時には生理的反応として心拍変動とフリッカー値を,心理的反応としてPOMS短縮版により感情・気分の状態を測定した。被験者は大学生(男子16名,女子14名)とした。実験Aでは,歯磨き群16名と立位待機群14名で比較を行った。実験Bでは,歯磨き群のみを対象とし,男子8名と女子8名で性別による比較を行った。 実験Aでは,副交感神経活動は,計算後と休息後の変化量が歯磨き群に比べて立位待機群が増加する傾向を示した。フリッカー値は,歯磨き群が立位待機群と比較して計算後よりも休息後の方が有意に高いことが認められた。POMSでは,T得点の変化量において歯磨き群の方が立位待機群に比較して疲労が軽減し,活気が上昇することが認められた。実験Bでは,男子の方が女子よりも歯磨きをすることによりフリッカーの値が有意に高いことが認められた。以上の結果から休息時の歯磨きは,身体をリラックス状態にさせて,大脳皮質の活動水準を高くして,疲労の気分を軽減することが示唆された。The purpose of this study examined the effect that recovery from fatigue by tooth brushing behavior in rest was restorativeness. The experimental condition assumed it a group of tooth brushing and a group of standing readiness. A subject calculated an experimental procedure for 20 minutes and rest for 10 minutes, rest of presence tooth brushing, and rest for 10 minutes more. In experimental A, we compared a measurement item with a group of tooth brushing between a group of standing readiness. In experimental B, only a group of tooth brushing does subjects, and subjects were eight male and eight female. In experimental A, quantity of change after rest compared parasympathetic nerve with a group of tooth brushing after calculation, and a standing position readiness group showed the determination which increased. A group of tooth brushing compared flicker value with a group of standing readiness, and rest was significant, and a high thing was recognized from the calculation back. In POMS, a group of tooth brushing compared it in a standing readiness group in quantity of change of a T score, and fatigue reduced it, and that animation rose was recognized. In experimental B, flicker value was significantly high was recognized by male tooth brushing its teeth than female. As for the tooth brushing of rest, as for the subjects, relaxation was in a condition by this study. Therefore, as for the tooth brushing behavior of rest, this study was suggested that it was effective methods.
著者
永井 由美子 野島 久雄 小早川 真衣子 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.A12-A12, 2010

私たちは「思い出を記録するワークショップ」を2006年から行っている。ここでの表現には「写真」と「語り」が使われている。本稿では開発した「Zuzie」を使用したミニワークショップを行った。そこでの「語り」は次の4種類あった。1語りたい語り、2写ってない語り、3見てない語り、4本当かどうかわからない語り。「思い出を記録するワークショップ」では、参加者は、表現方法についてはすぐに話し合えるが、個人の思い出に関して語るには時間がかかる。このミニワークショップでは、一つの写真に対して、いくつもの視点からみることによって、いくつもの「語り」を行うことができた。このことが、表現の共同体を構成するための重要な要素となると言える。
著者
須永 剛司 植村 朋弘 永井 由美子 須永 公清 繁田 智行 小早川 真衣子 敦賀 雄大
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.55, pp.122-123, 2008-06-20
被引用文献数
2

Information Design driven a multi disciplinary research project has been started. It is one of the CREST project funded by JST. In this paper we introduce a framework of the project that is "Platform design and development for creating, sharing and exchanging of people's everyday expressions." Concept of the design from "Marginal Art" by Shunsuke Tsurumi, philosopher, comprehensive views and recomposing functions for reflective thinking on the expressions and communal wisdom of the expressions are introduced as the framework. Acting practical workshops as ways of organizing the research project with multi disciplines for developing these concepts into technological system and cultural program are also discussed.
著者
永井 由美子 須永 剛司 山内 裕平 松井 功 小川 俊二 高橋 敏也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.230-231, 1999-10-15

When we develop tools and system that include complicated information system, "designing" and "using" need to connect with each other. On this ongoing project, "future black board system" for a junior high class room, we approach "activity based design." It leads to develop good design for users. From beginning of this project until now, we go and research the junior high slass room, then results took in the system. And further, designers need to take part designing curriculum that contains using the system.
著者
永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2011 (Released:2011-06-15)

本稿は2009年から行っている「写真を見ることのデザイン」授業実践を基にしている。授業では写真を楽しんでみるための道具のデザインを課題としており、学生自身の経験を基にデザイン案を提案している。ここでは次の7種類の表現を使っている。A作文を描く、Bシナリオスケッチを描く、C道具のアイデアスケッチを描く、E操作画面のシナリオスケッチを描く、F画面遷移図を描く、G機能リストを書く。これらの表現の難しいところは、次の3点である。1具体的な事例を描くこと、2自分の経験を描くこと、3シナリオスケッチを描き直すこと。ここで需要な点は、シナリオスケッチを描くことでありそこには、ユーザーの行為と思いが文字としても含まれている。これはスケッチなので何回も描くことが重要となる。
著者
永井 由美子 山内 祐平 中原 淳
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.260-261, 2001-10-15

Community on netowork-BBS, ML-, there are useing text while people communicate. Members of a BBS have to imagine a community's activity by the text. Our subject of stydy is interaction on community. There are included activity of the community, content of their talk and relation with each participats. On this development, visualization of the state of community's activity is our purpose. We visualized these;(i)icon's movement of a location on screen : comparison of other icons.(ii)icon's motion : variable of icon's quantity. (iii)icon's cloma : variable of icon's quality. (iv)icon's brightness : variable of icon's quality.