- 著者
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竹内 由香里
兒玉 裕二
石川 信敬
小林 大二
- 出版者
- 北海道大学低温科学研究所
- 雑誌
- 低温科学 物理篇 (ISSN:04393538)
- 巻号頁・発行日
- no.51, pp.p63-76, 1992
- 被引用文献数
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積雪の有無は地表面熱収支特性を大きく変え,大気の温度変化にも影響をおよぼしていると予想される。そこで積雪が地表面や大気の温度変化におよぼす影響を明らかにするために,消雪日をはさんで約4週間の地上気象観測を行なった。融雪期と消雪後の接地境界層の熱的特性を比較した結果,積雪は,高いアルべトのため融雪期の正味放射量を消雪後の半分にしていること,融雪期には日中でも表面温度が 0℃に保たれ,地表面が吸収した熱量の80%が融雪に使われることが示された。消雪後には正味放射で得た熱量の60%を蒸発の潜熱で失っていることも明らかになった。この蒸発には土壌の表面付近に残った融雪水がおもに寄与していると推察できる。また,消雪後の気温は表面熱収支に依存して決まることが示唆されたが,融雪期の気温と表面熱収支の関係は不明瞭である。