著者
宮腰 靖之 永田 光博 安藤 大成 藤原 真 青山 智哉
出版者
北海道立総合研究機構水産研究本部
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.83, pp.41-44, 2013-03

2003~2005年の5~6月,北海道オホーツク海側東部の網走沿岸で刺網,釣り,表層曳網により魚類を採捕し,サケOncorhynchus ketaあるいはカラフトマスO.gorbuscha幼稚魚の捕食の有無を調べた。サクラマスO.masou,ソウハチHippoglossoides pinetorum,クロソイSebastes schlegelii,コマイEleginus gracilisの4種がサケあるいはカラフトマスの幼稚魚を捕食していた。Nagasawa(1998)は日本沿岸におけるサケ幼稚魚の魚類捕食者を9種記載しているが,ソウハチ,クロソイ,コマイの3種は含まれておらず,これら3種については本報告がサケあるいはカラフトマスの魚類捕食者として新たな記載となる。
著者
下田 和孝 青山 智哉 坂本 博幸 大久保 進一 畑山 誠 竹内 勝巳
出版者
北海道立総合研究機構水産研究本部
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.92, pp.65-77, 2017-09

北海道の10河川でブラウントラウトの年齢と尾叉長を調べ,ベルタランフィの成長曲線に当てはめた。全河川の測定データから求めた4月時点における各年齢の尾叉長は,1+で12.4cm,2+で20.8cm,3+で28.4cm,4+で35.4cm,5+で41.8cm,6+で47.6cm,7+で53.0cmであった。この成長曲線と各河川の成長曲線を比べたところ,年齢によって大小関係が変化するなど河川毎に特徴が見られた。4河川を対象に性成熟を調べたところ,雄は10月下旬以降に,雌は11月下旬以降に成熟個体が確認され,最低成熟年齢は雄1+,雌2+であったが,いずれも河川による違いが見られた。
著者
虎尾 充
出版者
北海道立水産試験場
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.83, pp.27-36, 2013-03

1997~1999年の5~7月に網走湖内で稚魚ネットを用いてワカサギの採集を行ない,湖内分布と発育様式を検討した。採集されたワカサギは全て仔魚期(Phase A~F)の個体であった。ワカサギ仔魚は発育初期に河川流入域付近に比較的高密度に分布していたが,湖内加入後は速やかに湖内全域に分散すると考えられた。分散後の分布密度や発育段階組成は一様ではなかったが,特定の時期や水域に集中する傾向は見られなかった。仔魚密度指数は1997年級が574個体/曳網で最も高く,1998年と1999年はそれぞれ177個体/曳網と190個体/曳網でほぼ同程度であった。発育速度は1997年級群が最も低かった。
著者
虎尾 充
出版者
北海道立水産試験場
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.81, pp.131-139, 2012-03

網走湖におけるワカサギ天然魚の初期発育を形態的・生化学的な指標を用いて検討した。形態的には発育段階の移行期である全長12mm,33mm,42mm,54mmに体型の変曲点があると考えられた。RNA/DNAおよびタンパク質/DNA比の変化から,網走湖産ワカサギは仔魚期には盛んな細胞分裂が中心の増殖的成長,仔魚期から稚魚期への移行期には細胞の大きさが増大する肥大的成長,稚魚期以降は増殖・肥大的成長が中心の成長様式を持つと推定された。特に顕著な形態的・生化学的な発育段階の変化が認められた脊索屈曲期(Phase D)は食性転換が認められる時期と対応しており,形態形成・生理的な発育段階・食性移行の関連性が推測される。
著者
宮腰 靖之 永田 光博 安藤 大成 藤原 真 青山 智哉
出版者
北海道立水産試験場
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.83, pp.41-44, 2013-03

2003~2005年の5~6月,北海道オホーツク海側東部の網走沿岸で刺網,釣り,表層曳網により魚類を採捕し,サケOncorhynchus ketaあるいはカラフトマスO.gorbuscha幼稚魚の捕食の有無を調べた。サクラマスO.masou,ソウハチHippoglossoides pinetorum,クロソイSebastes schlegelii,コマイEleginus gracilisの4種がサケあるいはカラフトマスの幼稚魚を捕食していた。Nagasawa(1998)は日本沿岸におけるサケ幼稚魚の魚類捕食者を9種記載しているが,ソウハチ,クロソイ,コマイの3種は含まれておらず,これら3種については本報告がサケあるいはカラフトマスの魚類捕食者として新たな記載となる。
著者
佐藤 敦一 竹内 俊郎
出版者
北海道立水産試験場
雑誌
北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes (ISSN:21853290)
巻号頁・発行日
no.80, pp.25-31, 2011-12
被引用文献数
1

マガレイのDHA要求に基づいた形態異常防除技術の実用性を評価するために試験を行った。4種の栄養強化剤(市販品3種、高純度DHAオイル、計4区)で処理したワムシをふ化後15~25日齢まで給餌し、その際栄養強化アルテミア(各区共通)も給餌した。26日齢~稚魚期までは強化アルテミアのみ給餌した。形態正常率および生残率は、DHA要求に対応したワムシを給餌した場合、対応していない場合と比べて顕著に高くなった。市販栄養強化剤でもDHA要求量に対応するように調製すれば、DHAオイルで強化した時と同様に、形態異常魚の出現を1割以下に抑制できることを実証した。これらは、DHA要求に着目した形態異常防除技術の実用性が高いことを示している。