著者
服部 孝道 平山 恵造
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.289-292, 1991-12-01
被引用文献数
1

神経内科外来患者1193名に対し排尿症状についてのアンケート調査を行なった結果,日中頻尿は17.1%,夜間頻尿は20.2%,尿意切迫感は28.3%,閉塞症状は13.8%,切迫性尿失禁は6.5%,腹圧性尿失禁は9.1%,夜間遺尿は1.5%にみられ,患者の50.4%がなんらかの排尿症状を有していた。排尿症状全体の有病率は加齢と共に明らかな増加傾向を示し,日中頻尿と夜間頻尿,閉塞症状は男性に多く,腹圧性尿失禁は女性に多く,その他の症状には性差はなかった。従来報告されている尿失禁の頻度から推測すると,一般社会に生活する人もこの結果とほぼ同様な頻度に種々の排尿症状があるものの推測された。
著者
三浦 義彰
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.211-216, 1994
著者
松原 久裕
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.261-270, 1990-08-01

HTLV-1とSV40のプロモーターを用いた発現型cDNAライブラリーとモノクローナル抗体を用いて細胞表面抗原遺伝子のcDNAクローン化の条件を種々検討した。COS7細胞への遺伝子導入の効率をプロトプラスト融合法とDEAE-デキストラン法においてFACSを用いて比較検討した結果,DEAE-デキストラン法において導入効率が数倍高かった。また,DEAE-デキストラン法において導入DNA量と形質発現に至るまでの時間の検討をFACSを用いて行った結果,10μgのDNAを用いて遺伝子導入を行い48時間後が最も形質発現の効率が高かった。さらに目的とする遺伝子クローンを選別するための遺伝子導入-パニング-Hirt法による遺伝子回収という方法におけるenrichmentの効率をヒトIL-2レセプターcDNA,抗ヒトIL-2レセプター抗体を用いてコロニーハイブリダイゼーション法により解析した。この結果,目的とするcDNAが1/10^4以上含まれていれば1回の操作で約30倍に濃縮され,本法が表面抗原をコードする遺伝子のクローニングに有用であることを示した。次にB16マウスメラノーマ細胞より作製したcDNAライブラリーを用い,マウスメラノーマ抗原遺伝子のcDNAクローニングに成功した。また,種々の細胞,臓器におけるこの遺伝子の発現様式をノザンブロット法により解析したところ,マウスメラノーマ細胞に遺伝子発現を認めたが正常組織には検出できなかった。
著者
角坂 育英
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.357-365, 1984-12-01

肺原発扁平上皮癌患者45例に対して,bleomycin (BLM)とmitomycin-C (MMC)併用療法(以下B-M療法)を施行し,抗腫瘍効果,延命効果を評価し,さらに放射線治療との合併療法についても検討を加えた。B-M療法はBLM 5mgを7日間連日点滴静注したのちMMC 0.2mg/kgを一回静注し,これを1コースとする。このあと1週間の休薬期間ののち同じコースをくり返し2コース以上行なうことを原則とした。放射線治療との合併療法は45例中35例について行なったが,ここではB-M療法,放射線治療の抗腫瘍効果を各々求めたあと全体としての評価を併せて行なった。また対象を4群に分けて抗腫瘍効果および延命効果を評価した。第1群はB-M療法のみ施行,第2群はB-M療法後に放射線治療を施行,第3群は放射線治療後にB-M療法を施行,第4群はB-M療法と放射線治療を同時に施行した症例である。全体としての奏効率は第1群20.0%,第2群46.2%,第3群50.0%,第4群50.0%であり,B-M療法のみを第1群,第2群から評価すると奏効率は13.0%であった。生存期間はB-M療法,放射線治療いずれか先行した治療開始日より算定した。中間生存期間を4群について検討した結果は第1群18.4過,第2群37.7週,第3群34.7週,第4群44.3週であり,抗腫瘍効果,延命効果ともに第4群で良好な成績が得られた。副作用ではBLM肺臓炎が6例にみられ,うち3例が治療にもかかわらず死因となり,B-M療法施行のうえで最も重篤な副作用となった。
著者
野田 公俊
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.161-165, 2017-08

[注記] 本稿は,本会の助成により,野田公俊先生が長年に亘り実施され,文部科学大臣表彰「平成20年度科学技術分野の科学技術賞(理解増進部門)」受賞の対象となった「全国無料出張講演」についての報文を「化学療法の領域」2017年2月号より許可を得て転載したものであります。
著者
吉永 尚紀
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.251-256, 2017-12

[要旨] 抗うつ薬を用いた薬物療法は,社交不安症(対人恐怖症)に対する標準的な初期治療として国際的に最も普及している。しかし,この治療では多くの患者が十分な改善を示さないことが指摘されており,次の有効な治療法を確立することが急務の課題であった。筆者らはこれまで,(1)社交不安症に対する認知行動療法マニュアルの開発と有用性の検討(探索的試験),(2)標準治療(抗うつ薬)で改善しない社交不安症に対する認知行動療法の効果研究(検証的試験)に取り組んできた。また本研究成果により,2016年度の診療報酬改定において,認知行動療法の対象疾患に「社交不安症」が加わった。本稿では,筆者らが取り組んできた社交不安症に対する認知行動療法の臨床研究および普及促進に向けた今後の展望を概括する。[SUMMARY] Antidepressants are the most commonly used standard treatment for social anxiety disorder (SAD). However, a significant proportion of patients fail to remit following antidepressant treatment, and no standard approach has been established for managing such patients. The authors have performed the following studies: (1) developed a treatment manual for cognitive behavioral therapy(CBT) for SAD and evaluated its feasibility in an exploratory study; (2)valuated the clinical effectiveness of CBT for patients with SAD who remain symptomatic following antidepressant treatment. Based on our findings, CBT for SAD has been covered by national health insurance in Japan from FY2016. In this paper, the authors will give an overview and summarize the clinical trials mentioned above, and describe the future prospects for disseminating CBT for SAD patients.
著者
杉本 元子 清水 栄司 SUGIMOTO Motoko 清水 栄司 シミズ エイジ SHIMIZU Eiji
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.199-208, 2015-10

【目的】学生などの若者を対象に,デート中の暴力(デートDV)の予防教育を行うための,約20分のe-ラーニング・コンテンツ「デートDV防止教育プログラム」を開発し,コンテンツ視聴前後のデートDVに関する知識の理解度質問票によって,その効果検証を行うことを本研究の目的とした。 【方法】18歳以上の大学生・専門学校生131名,平均年齢19.8歳を対象とし,研究内容の説明の後,書面での同意を得た。コンテンツ視聴前後に16項目のデートDV理解度質問票の回答を得た。使用したe-ラーニング・コンテンツは「デートDV防止教育プログラム」(約20分)である。コンテンツの内容は,第1章はデートDV・配偶者DVの基本知識,第2章はデートDVに巻き込まれた時の対応,第3章は,短いアサーティブネス・トレーニングの3章から成るフラッシュアニメ動画である。また,デートDV被害経験等の質問票の回答を封筒に入れて回収し,解析を行った。 【結果】16項目デートDV理解度質問票の総得点は,視聴前の21.85点から視聴後の25.73点と有意な上昇がみられた(P<0.001)。また,2種類以上の暴力を受けたと回答した者(デートDV被害者)21名(16.0%)に限定した解析によっても,視聴前後で同様に有意な上昇がみられた。 【考察】今回開発したe-ラーニング・コンテンツによって,視聴前後で有意な知識の向上をみた。今後,今回の予備的研究をさらに発展させるため,より多くの被験者を対象に,コンテンツ視聴者群と視聴無し群を設定し,2群に割り付けたランダム化比較試験を行っていく必要がある。また,我が国におけるデートDV被害状況を踏まえ,このコンテンツについて以下のWebサイトで自由に視聴してもらうことで普及を進めていく。 (https://www.stop-violence-chiba.jp./el/)
著者
関谷 貞三郎
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.42-42, 2004-02-01