著者
古賀 良彦
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.179-186, 2004-03-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
4
被引用文献数
1

我々は、香りが生体に与える効果を脳の機能の変化というレベルで評価する試みを行い、脳波の分析によってその変化を詳細に捉えることができることを示してきた。今回は、コーヒーの香りの効果について評価を行った結果について紹介する。コーヒーはその香りによってリラックス感を得たり、ほどよい緊張感を取り戻す効果があることが知られている。我々は、コービー豆6種を選び、脳波の分析によって豆の種類による効果の差異を検討した。リラクセーション効果の測定には、アルファ波の分析を用いた。グアテマラ呈示時のアルファ波パワー値は、マンデリン、ハワイコナに比べて有意に高く、コントロールおよびモカマタリと比較しても高い傾向がみられた。一方マンデリンは、コントロールに対しアルファ波を減少させる傾向がみられた。また、認知機能の生理学的指標としては事象関連電位P300を用いた。 P300潜時は、ブラジルサントスは無臭時、グアテマラ、モカマタリ呈示時に比べて有意に潜時が短かった。また、ブルーマウンテンよりも短い傾向がみられた。これらの結果は、コーヒーの香りは豆の種類によって影響が異なるので、目的に応じて豆を使い分けることにより、顕著な効果を得ることができることを示すものである。脳波をはじめとして、最近、目覚しい進歩を遂げた脳機能画像を利用することにより、今まで未知の部分が多かった匂いとヒトとの関わりに関する研究が飛躍的に発展することが期待される。
著者
樋口 雄三
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.387-390, 2003-09-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
9

最近、ようやく気功が広く知られるようになり、大学病院でも気功を取り入れて治療をしているところが現れている。気功には多くの功法があるが、自分で練功した場合は、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどが40分間の錬功直後に減少し、ナチュラルキラー(NK)細胞活性、インターロイキン(IL)-2などが増加した。これらのことから交感神経活動水準が低下し、ストレスが緩解し、免疫能が向上することが明らかとなった。また、外気治療においては患者のNK細胞活性は治療直後にやや減少し、40分後に増加した。遠隔治療においても同様な傾向が認められた。著明な効果を現す気功師の多くは、霊的エネルギーを利用しており、今後、スピリチュアルヒーリングの解明が課題である。
著者
奥 健夫
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.150-159, 2004-03-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
60

本研究では、すべての物理現象を説明可能な量子重力理論の有力候補であるホログラフィック原理に基づく現代宇宙論の観点から、意識のメカニズムに関する一考察を行うことを目的とした。ホログラフィック理論によれば宇宙は一枚のホログラムにコード化されており、究極理論は場や時空ではなく情報に関する理論になる可能性が指摘されている。人間の意識は情報から形成され、また意識はエネルギーを有すると考えられる。情報理論におけるシャノンエントロピーは、すべての自由度を考慮すればエネルギーに変換可能であり、またエネルギーは物質へ可変である。本研究では、意識の一形態である情報がエネルギーに変換され生命エネルギーとなり、その一部が物質化して身体を形成する原子を形成しているモデルを提案した。宇宙の時空は4次元のため、すべての情報が3次元境界面に記録されていることになり、そのI_<HB>&le;.2R^2×10^66 bits のコード情報が意識に対応していると考えられる。
著者
高木 治
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2011

量子力学の世界観においては、それまで物理学の基本的な前提と考えられてきた、実在性・局所性・因果性という概念が破綻してしまう可能性がJ.S.ベルによって指摘された。この中で、実在性とは客観的なものであり、量子論的物体(素粒子)の実在に関しては、観測者(人間)の自由な意志による主観的な選択の余地はないはずである。ところが、量子論的物体が実在するかどうかを確認するには、何らかの方法で観測者が測定をすることが必要となるが、もし観測者に測定方法の選択に自由意志が存在するならば、量子論的物体にも観測結果を左右する自由意志が存在するという驚くべき結論が、コンウェイとコッヘンによって2006年に示された。これは、「自由意志定理」と呼ばれているが、その中では自由意志の存在が人間というマクロな生物から、非生物であるミクロな素粒子にまで拡張されることを示している。ここでは自由意志定理の意味と、そもそも自由意志とは何かについて考察をする予定である。
著者
河野 貴美子 石 継明 段 立葉
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.22-31, 1996-03-01 (Released:2017-04-25)
被引用文献数
1

気功師38名(中国人20名、日本人18名)および気功は素人の受け手一般人29名の脳波を測定した。気功中は、α波と共にθ波が増大すると言われている。しかし、気功師の安静時、θ波出現は8名(21.1%)、外気功28例中6例(21.4%)、内気功19例中7例(36.8%)で、いずれのθ波も2〜3周期の短いものが全汎性に、かつ一連(約10分間)の実験中、数回現われたに過ぎない。気を受けた一般人の37.9%にθ波が現われたのに比較し、気功師に多いとは言えず、また安静時より気功中に増えるとも言えなかった。そこで、α波の周波数変化を調べた。気功師38名の安静閉眼時、α波のピーク周波数は平均9.55±0.14Hzであったが、外気功中は9.74±0.18Hz、内気功中は10.05±0.22Hzといずれの場合も増大した。しかし、気功師個々には、速波化タイプと徐波化タイプがあり、外気功の7名(26.9%)、内気功の7名(41.2%)が徐波化タイプであった。曹洞禅や阿字観瞑想(密教系瞑想法)など仏教系の瞑想では深い瞑想中α波の周波数は遅くなる。超越瞑想(TM)ではほとんど変化がなく、わずかに速波化であった。TMは、心の中でマントラを唱えつつ、集中することで瞑想に入る。気功も同様に気のイメージの様なものが関与し、それへの集中があるものと思われた。徐波化する者の気功法には、瞑想法的な要素が考えられる。しかし、彼等は安静時から周波数が高いものが多く、僧侶においてα波が徐波化してθ波が現われるのと違い、θ波出現者との間に相関は見られなかった。
著者
小林 常雄
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.121, 2017 (Released:2018-06-13)
参考文献数
31

癌細胞は突然変異によってできるという説が宣伝されてきたが、遺伝子プロジェクトによる治療計画は殆ど失敗してきました。公衆衛生学や微小癌の研究から、遺伝子異常説が間違いであることが判明しています。今回、癌のミトコンドリアの呼吸代謝を特異的に抑制する薬を用いて、ミトコンドリアの幽霊化が"癌化の本質である"ことを証明しました。同時に、ミトコンドリアが18億年前に、古細菌に共存して、高等細胞が出来たとき、何故、ミトコンドリアの呼吸遺伝子が、核に9割、ミトコンドリアに1割、配置されたかの生物学上の謎が解明できました。また癌は、胎児と同様にできますので、その原理を使えば、腫瘍マーカー総合検診(TMCA)で、癌を癌に罹る前から、また癌になってからでも、画像診断の100倍の精度で、ダイナミックに診断ができますから、癌の予知予防も、癌の再発予防も簡単にできるようになりました。
著者
有田 秀穂
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, 2015

脳幹・背側縫線核のセロトニン神経はオキシトシン受容体を備えているので、脳内オキシトシンの分泌が増えるとセロトニンが活性化され、不安や緊張、鬱などストレスフルな気分を解消させる。オキシトシンは子宮収縮や乳汁分泌を促す母親のホルモンとして古くから知られてきたが、最近の研究で、男性も未婚の女性も、すなわち性別や年齢に関係なく分泌される脳内物質であり、その役割は、視床下部のストレス中枢を抑制して、HPA軸(視床下部・下垂体・副腎システム)を抑え、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を減少させることが明らかにされた。その活性化因子は、グルーミング行動であり、マッサージ、エステ、リフレクソロジーなど心地よいスキンシップ、友人や家族との団欒、などである。これらの社会的癒し行動は、ストレス解消術として知られてきたが、その背景に、オキシトシンという脳内物質が働いていることが判明した。この点について、我々の最近の研究を紹介しながら、解説する。
著者
河野 貴美子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.218-229, 1998-09-01 (Released:2018-12-29)
参考文献数
7

気功と催眠の違いを検討すべく、それぞれ施術者、受け手の脳波同時測定を行なった。気功法実施中、気功師の前頭部には後頭部のα波と同期したα波の出現が見られた。即ち、後頭-前頭間におけるα波出現位相のずれ(τm)を計測すると、安静時よりずれ時間が小さくなる。この現象は気を受けた一般人にも見られた。また、気功師が特異なβ波パターンを示す時、受け手にも似たパターンが現れた。暗示による効果を極力除いた二重盲検法を導入しての実験でも、受け手のτm値は気功師同様小さくなった。両者の脳波の同調的現象から、何らかの信号が受け手に伝わっている可能性が示唆された。一方、充分にラポール(精神的意志疎通関係)のとれた相手に言語を用いず、かつ閉眼による催眠誘導を行なったところ、外見的には気功と類似の動きも見られたが、β帯域に同調的パターンは見られなかった。α波は催眠中、施術者、受け手とも前頭部にも多少現れわ、τm値は、両者ともに安静時より小さくなる傾向が見られた。しかし気功ほど顕著ではなく、暗算等課題集中時に見られる位相同期の範囲を超えないことから施術者に直接同調しての現象とは言い難かった。催眠では非言語誘導であっても、受け手は常時施術者から受けている誘導言語を自身のうちで反趨し、自ら催眠に入っているものと思われた。
著者
奥 健夫
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.144-154, 2005-03-01 (Released:2019-05-03)

本研究では、量子論及びホログラフィック原理に基づく現代宇宙論の観点から、意識生命エネルギーのメカニズムに関する考察を行うことを目的とした。人間の意識生命エネルギー(ECL)を、ある波動関数で表わされるフォトン的な波動と考え、巨視的量子凝縮体への光の凍結物質化のメカニズムを提案した。意識場光がダークエネルギーダークマターに光凍結し、負のエントロピー形成から物質生命体における原子自己組織配列が生じると考えられる。ECLは、ボースアインシュタイン凝縮、フェルミ凝縮、量子エンタングルメント、トンネルフォトンなどの量子コヒーレント的性質をもたらしていると考えられる。またホログラフィック原理及び超弦理論から、宇宙の4次元時空の全情報が3次元境界面に記録され、そのコード情報もしくは余剰7次元がECLに対応する、意識⇒生命エネルギー⇒物質情報変換モデルを提案した。物質情報から見ると宇宙情報は、時間凍結した状態であろうと考えられる。
著者
小久保 秀之 谷口 順子 平澤 雅彦 山本 幹男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.247-254, 1998-09-01 (Released:2018-12-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1

本研究室における手の温度測定経験から、安静時に、手掌部中央の温度が高いヒトと、母指球・小指球の温度の高いヒトがいることがわかっていた。そこで、安静時のヒトの手の温度分布の基礎データを得ることを目的に、一般人81名の右手の温度分布2次元パターンを調べ、その平均温度を比較した。2次元パターンの特徴から、測定データを、手掌部中央が高温のタイプ、母指球・小指球が高温のタイプ、およびその中間的タイプと混合的タイプの4群に分けた結果、タイプによって平均温度に違いが見られた。また、性別・年齢による平均温度の違いは見られなかった。
著者
根本 泰行
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.21, 2020 (Released:2020-04-01)

故・江本勝博士は、1999年に水の氷結結晶写真集『水からの伝言』を出版した。『水からの伝言』の真意は、水の結晶写真を通じて、一般の人々に「水は情報を記憶する」ということ、さらには「意識によって人は物質世界に影響を与えることができる」ということを伝えることにあった。 従来科学の枠組みにおいては、「水の情報記憶」について、なかなか認められなかったために、「『水からの伝言』は非科学的である」との批判を受けてきたものの、『水からの伝言』は様々な言語に翻訳されて世界各国に伝わっていき、多くの一般の人々が結晶写真について知ることとなった。 しかしながら、『水からの伝言』が世界中に広まっていったことに呼応するように、過去10年ほどの間に、世界のトップレベルの科学者たちから、「水は情報を記憶する」ということを示唆する―もしくは完全に証明する―証拠が提示されてきている。 ルパート・シェルドレイク博士の「形態場」仮説によれば、「多くの人々が何らかの事柄について学習すると、その効果は、形態共鳴を通して、それらの人々と直接的な接触のない人々に対しても、広がっていく」と考えられる。『水からの伝言』を知ることによって多くの人々が水の結晶写真を認知したことにより、「水は情報を記憶する」という可能性が人類の「形態場」にアップロードされ、さらには「形態共鳴」を通じて、人類全体の意識に広まった。最新の水の科学の世界において、「水は情報を記憶する」ということが実験的に示唆もしくは証明されるまでに至った理由として、そのような作用が働いたのではないか。その可能性について、議論する。
著者
劉 超 町 好雄 張 永祥
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.511-520, 2000-09-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
8

本研究は、気功師の治療効果に関わる生理変化を明確にする目的で、気功師の内気功と治療目的の外気功を測定し、気功師の生理データと治療の被験者のデータを分析した結果について述べる。これらの結果から、内功と動功、外気治療方法の生理データから差異があるかどうかを検討した。その結果、次のことが判った : 1.内功(10秒)の時の呼吸は動功(2秒)よりも長い。 2.LF/HFのデータから、気功師の内功時、体の動きはない、つまり静の状態にあるか、体内の自律神経系は大きく変化して動の状態にある。動功時には逆に、体内の自律神経系は静の状態であった。これは、中国で「内動外静」とか「外動内静」と言う気の鍛錬における一つの技術である。 3.気功師が気功治療の目的において、気功中に開眼と閉眼の状態の変化により生理状態に変化があることが判った。 4.治療の被験者は、治療中に心電図のR点が末梢に伝わった時の遅延時間が減少し、循環が改善されることが判る。
著者
よしだ ひろこ
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.37, 2017 (Released:2018-06-12)

「催眠療法」などの深い無意識レベルの場において、潜在意識下に存在する高次元のエネルギー、つまりハイヤーセルフの存在を確認することは容易ではなく、物理学的にも不明である。しかし、ハイヤーセルフのエネルギーは確実に存在し、膨大な記憶と知識を持ち、過去から現在へと単一の方向に流れるはずの時間も、現世から前世、また未来や死後の世界にさえも、まるで意識のコンピューターのように自在に往来しているエネルギーである。当センターの臨床時にも被験者にハイヤーセルフの存在する位置を確認しているが、ほとんどの被験者が「みぞおち」の周辺に光のエネルギーを感じると答える。太陽神経叢のあたり、みぞおち周辺に物理的粒子のような気のエネルギーが存在しているように思える。ハイヤーセルフの微細なエネルギーを活性化させるためには純粋な光のイメージが必要で、それにより「非物質的な魂の波動エネルギー」と結びつくことが出来るのである。そのスピリチュアルな魂のエネルギーは今まで「一方通行」と思われていた「あの世」の扉から、微細にして大いなる光を「この世」に届けてくれているのを私は感じる。 「あの世」からのメッセージを催眠中の4人の言葉から検証する。
著者
渡部 俊彦
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.81-90, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
24

1848年にアメリカで発生した叩音事件から科学者らによる心霊現象の研究、近代心霊研究が始まった。欧米を中心として、心霊現象や死後の霊魂存在を実験によって探求する研究が行われ、イギリスでは心霊研究協会(SPR)が生まれた。さらに、霊魂存在や霊魂との交信の可能性を認めるスピリチュアリストが生まれた。ここから、新しい人生指導原理であるスピリチュアリズムが誕生した。欧米の心霊研究は浅野和三郎によって日本に紹介され、彼は心霊科学研究会を設立し日本スピリチュアリズム(日本神霊主義)を生んだ。脇長生が日本神霊主義を発展させた。さらに桑原啓善がイギリスの霊界通信の内容を加味させて、ネオ・スピリチュアリズムを作り出した。
著者
樋口 雄三 林 義貢 山本 竜隆
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.91-95, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
4

前立腺癌の患者に内分泌療法とともに霊的施療を行い、著しい改善が認められた症例について報告する。患者は67歳で、2003年12月から夜間頻尿、尿勢低下を訴え、2004年5月に受診し、前立腺癌(stage D_2)と診断された。前立腺特異抗原(PSA)は39.01ng/ml、直腸内触診(DRE)において硬く、針生検では中分化-低分化腺癌(Gleason grade 4+5, score 9)であった。さらにCT、MRIにおいても確認され、また骨シンチグラフィーにより左坐骨に異常集積が認められた。6月より内分泌療法を行うとともに7月から5回の霊的施療を行った結果、2005年2月に前立腺癌の縮小と左坐骨を含め骨には異常なしと診断された。
著者
戸部 有希子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.194, 2019 (Released:2019-12-27)

精神科医療において催眠療法の知名度は低く、催眠を活用できる精神科医は極めて少ないが、プラセボやマインドフルネス、呼吸法、リラクセーションといった暗示やイメージを用いたアプローチは様々な場面で活用されている。 催眠状態とは、意識が内的に解放されセラピストの言葉や本人のイメージが潜在意識に深く浸透することのできる状態である。日常生活において一人の人物のただ一言によって非常に大きな衝撃を受けたという患者の語りを聞くことがあるだろう。催眠理論の活用によりそのような状況を意図的に作り出し、許しや解放などのポジティブな暗示を実践する。一般臨床での催眠誘導の実施は時間的、空間的、心理的な制約が大きいが、対話の中で、セラピストの言葉が深く暗示として入り込む瞬間を察知し、利用することで、誘導を行わない暗示療法が可能となる。 現代の心理精神療法は「今、ここで」を基準に行われている。しかし、根深い葛藤に対して「今、ここで」に限定した関与では太刀打ちが行かないという体験を臨床家はしているだろう。催眠療法は現在のみならず、過去、未来の葛藤に対してもダイレクトにアプローチすることのできる画期的な治療法である。 当日は、拒食し退院意欲の乏しい末期がん患者、パニック障害の若年女性、失声症をきたした中年男性などの事例を交えて発表する。
著者
森谷 峰雄
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.466, 2002 (Released:2019-05-01)

本報告は、筆者が20代の時に得た宗教体験を示し、人間能力の限界乃至可能性の一例を示したいと思う。学術的報告ではなく、たとえば、ウィリアム・ジェイムズ張りの「宗教体験の諸相」の一例にはなるであろう。しかし、私は散文ではなくて、詩の形で報告することをお許し願いたい。人間の生き方如何の問題の根本的問いかけに対するひとつの答えになると思う。キリスト教における宗教的体験は人に巨大な量の霊的エネルギーと新生を与えるものである(発表は筆者個人の経験による)。宗教経験は次の8つの要素で特色つけられる、1)罪の悔い改め、2)神の御子による罪の許しの真の感覚、3)心に洪水のような喜びが湧き上がる、4)霊的的宇宙に到達する、その広大さの中で、自らが針の大きさに縮小する現実感を得る、5)知性・感性は冴えている、6)良心の感覚は例外的に強まる、7)この世は神の世界からは絶望的なほど堕落しているという意識を持つ、8)超越的なるある実在者と常に一体となってその方から純粋の喜びが来る。
著者
種市 孝
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.42-45, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
3

物理学的基盤の上に立って、脳活動以外に意識の源泉を求める場合、多次元宇宙描像は困難で非自明な問題を解決してくれる。しかしそのような描像の、問題への単純適用は、ある種の階層性の問題とも言える別の問題に抵触してしまう。パラサイトフェルミオンは余剰次元、即ち我々の住む4次元宇宙の外側に存在する物質粒子である。我々の宇宙に存在する、ホストフェルミオンと名付けられる物質粒子とそれとの性質上の相違を、その相違を生む出すメカニズムと共に概括する。このメカニズムにより、当該物質粒子は、我々の近傍に存在するにも拘らず不可視となり得る。では、この新規な物質の存在様式を心身問題に適用すると、どのような成果が期待できるであろう?脳外に心の源を求める際に乗り越えなければならない問題を、パラサイトフェルミオンモデルが解決できることを示す。
著者
中村 泰治 河野 貴美子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.96-102, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
6

祈り、統一により人は宇宙の根源と一体になりそのエネルギーを受け、その人の命は生かされ、同時に他の命も癒す。本研究は、報告者の一人が被測定者になり、祈り (統一)の測定中に本人が実体感した意識状況と測定された結果とを対比し、祈りと肉体の関連を究明するため行われた。祈り、統一中の脳波測定の結果、特にα波の変動状況は坐禅、瞑想、静功などに共通な点があることを前回述べた。今回測定したのは、脳波、脳内血液流量変化、皮膚電気活動である。脳波について、被測定者が深い統一に入っていたという時間帯を今回さらに詳細に検討し次の結果を得た。α波は徐波化が進み、減少し全頭においてθ波と周波数の低いα波が優勢となった。その時、β波は特に頭頂から左前頭部にかけて強く、左後頭部にも現れた。脳内血液流量変化の測定結果、頭頂と左前頭部に特に大きな変化(Oxyヘモグロビンの増加)が観測された。この部位は深い統一時のβ波の強い部位と一部一致しており、その関連性について今後研究する必要があると思われる。皮膚電気活動測定では、EDAは統一開始直後から低下し続け180秒以後はほぼ安定して低いレベルを保ち続けたことが認められた。この結果は、被測定者が実感したとおり、開始後3分頃から深い統一に入っていたとことを科学的に裏付けたものと言える。
著者
木戸 眞美
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.552-560, 2004-09-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
7

養生気功の1つである六字訣における中国人、日本人気功師による発声の音声解析を行った。その結果、14.8kHz 以上の高い周波数成分があることが分った。基本周波数は2次に倍音が基本だったが、どちらの六字訣の発声音かにより構造に違いが見られた。さらに、六字訣の気功師による発声音を聴くことによりどのような生理物理的変化が経絡に現れるかを、15人の被験者で単一矩形パルス法により測定した。六字訣による経絡間の順位変化の平均値は系統的な傾向を示した。つまり、これまで六字訣の実践は嘘、呵、呼、〓、吹、〓の6音韻を発声して体に響かせることにより対応した臓器を強化できると考えられてきたが、実際に特定の内臓や経絡に影響すると考えられる。