著者
長山 正義
出版者
大阪市立大学大学院看護学研究科
雑誌
大阪市立大学看護学雑誌 (ISSN:1349953X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.21-25, 2008

はじめに : spiritualityは霊性とも訳されるが、鈴木大拙は日本的霊性として、霊性の前に日本を置き日本の霊性であることを強調している(鈴木, 1999)。日本的霊性とすることによって霊性というものが国や地方によってやや異なっていることを表現している。例えば、霊性をキリスト教信者が有しているものに限定して考えると、同じ宗教であったとしても他国の信者が有している霊性と日本での信者の霊性とは異なっているということである。わが国とは風土、言語、教育などが大きく異なっている国が多々あることから、その国々で霊性のもつ意味が異なるということである。また、スピリチュアリティつまり霊性を宗教信仰に限定することは必ずしも現実的ではない。spiritual, but not religious(SBNRと略す)に傾倒する人々、つまり宗教を信じないが、霊性は信じている人々の存在である。unchuched peapleとも呼ばれるが、これは内村鑑三の無教会主義(無教会主義キリスト教)と紛らわしい。無教会主義はキリスト教信仰の形式の一つであるとされるので、SBNRの人々つまりunchuched peapleとは明らかに異なる。このSBNRに傾倒する人々が最近、米国で増加しているといわれる(R. C. Fuller, 2001)。……
著者
有馬 和代 横山 美江
出版者
大阪市立大学大学院看護学研究科
雑誌
大阪市立大学看護学雑誌 (ISSN:1349953X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-9, 2018-03

本研究は、これまでの結核におけるDOTS対策に関する文献学的考察を行い、今後のDOTS対策推進に寄与することを目的とした。引用文献の検索には、医学中央雑誌web版を用いて原著論文の検索を行った。検索された54件の文献を、日本版DOTS戦略に基づき4つの視点で整理し、法的改正等の動向も交えた。結果、院内DOTSは、患者教育、服薬支援、保健所との連携が重要であり、医療連携は、結核専門機関から一般医療機関へ、医療と服薬支援が的確に繋がるしくみの必要性が指摘されていた。地域DOTSは、患者をアセスメントし、中断リスクや患者のニーズから患者に合うDOTS実施が重要であり、かつ、これらの活動には、患者と信頼関係を築きながら服薬支援する重要性が報告されていた。DOTS推進のためのツールやしくみは構築されつつあるが、一方で支援者に必要とされてきた姿勢を蔑ろにする状況も報告されていた。今後DOTS実施者が、患者中心の服薬支援を行う重要性を的確に継承するための研究が求められる。
著者
塚田 定信
雑誌
大阪市立大学看護学雑誌 (ISSN:1349953X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.60, 2017-03

1. はじめに : 腸内フローラは一般的に善玉菌20%と悪玉菌10%、そして日和見菌が70%でバランスを構成していると言われています。健康になる、また健康を保つためには、この腸内フローラをのバランスを正常に保つ。すなわち善玉菌が活発に活動できる環境を作ることが大切です。正常な腸内フローラ(善玉菌の活躍)がもたらす効果としては、「免疫の働きを高める」「便秘や下痢の改善」「感染防御作用」「炎症性腸疾患の改善」などがあげられていますので、つぎのポイントに取り組んでみてはいかがでしょうか。