著者
久留戸 涼子 高田 勇太朗 明石 真弥
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.313-331, 2016-03-31 (Released:2016-07-08)

モンシロチョウの成長過程には、様々な環境要因が影響を及ぼすことが考えられる。本研究では、まず、幼虫の成長に及ぼす温度と湿度の関係について調べた。その結果、幼虫の飼育に最も適していた条件は、室温(20 ~ 25℃)で高湿度(80 ~ 100%)であった。また、最も適していない条件は、高温(28 ~30℃)で高湿度であった。また、蛹の色に影響を及ぼす環境要因として、背景色と温度について検討した。蛹の色は、低温では褐色系、高温では緑色系となる傾向が確認され、蛹の色は背景色だけではなく、温度の影響を受けることがわかった。幼虫の食草の選択では、幼虫はキャベツ液を吹きかけたアブラナ科以外の植物にも引き寄せられたが、食草として食べたり、そこにずっと留まっていたりすることはなかった。これらの結果から、モンシロチョウの成長は、温度や湿度などの環境要因に影響され、飼育の際には留意しなければならないことがわかった。
著者
山根 悠介
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.301-312, 2016-03-31

本研究は、静岡県における最近30 年間(1981 年から2010 年まで)の降水量の経年変化について調べたものである。 最近30 年間における変化傾向(回帰係数)を調べた結果、県北部の山間部(井川、梅ヶ島、白糸)及び伊豆半島中部(湯ヶ島)と東部(稲取、網代)で正のトレンドが、県の西部では負のトレンドが卓越していた。しかし、統計的に有意なトレンドは全地点で検出されなかった。 最近30 年間における降水量の経年変化の特徴をより詳細に明らかにすべく、残差和曲線による解析を6 地点(浜松、御前崎、静岡、三島、石廊崎、網代)を対象に行った。その結果、浜松と石廊崎では30 年間の始めから中頃までは上昇傾向、中頃から期間終わりまでは下降傾向がそれぞれ見られた。網代においては、30 年間の始めごろは下降傾向、期間の中頃から終わりにかけては上昇傾向を示していた。御前崎、静岡、三島については、特に目立った特徴は見られなかった。
著者
木宮 敬信
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.237-246, 2016-03-31

2014 年度~ 2015 年度にかけて、看護系学科、理学療法系学科、法律系学科に所属する大学生を対象に出生前診断に関するアンケート調査を行った。その結果、出生前診断に関する認知は、所属する学科の教育内容に影響を受けるものの、受診希望については教育の影響を受けないことが明らかとなった。ダウン症候群についての理解との関連では、理解している人に、出生前診断の受診を希望する人の割合が高いことが明らかとなった。また、出生前診断の受診を希望する人ほど、胎児に障害がある場合に中絶したいと回答する人の割合が高くなる傾向があり、逆に受診を希望しない人ほど出産したいと回答する人の割合が高くなることが明らかとなった。この結果から、妊婦の自己決定の重要性とともに、十分な教育なしにマススクリーニング検査化していくことへの危倶が指摘された。
著者
谷 誠司 内田 智子 吉田 広毅 増井 実子 中山 晃
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.343-354, 2016-03-31

本稿は、済州大学校(韓国)と常葉大学(日本)との間で、2012 年10 月~ 12 月にかけて行った国際交流学習の実践報告である。済州大学の日本語クラスと常葉大学の韓国語クラスで、両校混成グループを作り、オンライン上で交流をしながらグループ課題を達成するまでのプロセスを紹介すると同時に、両校における問題点の把握から交流の結果の検証までをアクションリサーチの手順1で示した。また、学生に対して行った事前・事後のアンケート調査の分析を行うことで、今回の交流学習の意義や成果、問題点等を明らかにした。