著者
土屋 圭 豊田 正史 喜連川 優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.31, pp.1-6, 2013-07-15

鉄道の運行トラブルが発生した際,マイクロブログには鉄道の運行状況に関する情報が投稿されている.マイクロブログの投稿には運行トラブルについて,公式情報よりも詳細な情報が含まれることがある.鉄道の運行状況について詳しく知ることは意思決定を行う上で非常に重要である.本論文では Twitter の投稿を解析することによって,首都圏の鉄道運行トラブル状況に関する詳細な情報を抽出する手法について提案し,その評価を行う.提案手法は,東京メトロ 9 路線における運行トラブルの発生状況,復旧状況,混雑状況を対象に情報の抽出を行う.運行トラブルの発生状況については,運行トラブルを全線運転見合わせ,一部区間運転見合わせ,その他の異常の 3 段階に分けて抽出を行った.実験結果から,全線運転見合わせ,一部区間運転見合わせを抽出する場合において提案手法が有効であることが確認できた.また,復旧状況および混雑状況の抽出によって,公式情報だけではできないような意思決定を支援できうることが確認できた.
著者
高橋公海 佐藤進也 松尾真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.24, pp.1-6, 2013-07-15

Web 上の blog 記事や Twitter などのテキストには,日常生活における人々の行動や出来事と,その繋がり (行動パターン) が記述されている.それらのテキストデータを元に行動パターンをモデル化することが出来れば,人間の行動や思考の予測が可能となり,ユーザに対して状況に即した行動提示 (ナビゲーション) や推薦,といったコンテキストアウェアサービスへの応用が見込まれる.とり得る行動は状況により異なるため,モデル化する際にはどのような状況において成立する行動パターンであるかを考慮することが望ましい.そこで本稿では,blog 記事集合を対象として,キーワードに関連する状況毎に文書集合をクラスタリングし,文書集合全体から推定した行動パターンの頻度と,クラスタ内の文書集合から観測される頻度の差を利用して重み付けすることにより,状況に依存した行動パターンを抽出する手法について検討を行った.実験では,本手法を用いて blog 記事集合から抽出した状況ごとの行動パターン例についても報告する.
著者
中渡瀬 秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.96, no.70, pp.37-42, 1996-07-25
参考文献数
14

近年WWW上には多種多様な情報が存在している. そのためユーザ(検索者)にとって必要な情報はそこから入手できる場合が多い. しかしブラウジングによる検索には多大な手間を要する. 本稿では経済的効率を考慮したWWW検索のための情報発信者と検索者との協調について論じ, 協調事例を提案する.
著者
両角 彩子 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.1-14, 2008-10-30

近年の情報技術の発展に伴い、マンガ作品の情報の共有・交換が盛んに行われるようになった。筆者らの研究室では、マンガに関する情報を統合的に扱うためのマンガメタデータスキーマを開発している。その一部に、読者が作品の内容を書き表すためのメタデータスキーマがある。本稿はマンガの知的内容を表すことを目的としているため、同じストーリーの表現手法である小説や映画も参考にする。そこで、Wikipedia内に表れるマンガ、小説の作品記事から100件をそれぞれ無作為に抽出し、記述項目について調査した。これらの調査結果および目次テンプレートを参考に、読者が作品の知的内容を書き表すためのメタデータ基本セットを提案する。
著者
牧野 浩之 栗原 俊介 荒金 陽助 上野 正巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-6, 2013-07-15

電力のピーク需要削減や全社的なエネルギーマネジメントに向けて,オフィスピルや設備の電力,温度,空調実態など 5,000 センサ規模の情報を 10 分間隔で把握でき,複数ピルからの情報を集約可能なスケーラピリテイを持つ電力可視化システム (DKS) の構築,運用を行った.DKS の実装として,MongoDB を用いたセンサデータのセミリアルタイム集計,および HBase を用いたスケーラブルな大規模データ蓄積が可能な基盤を構築した.予備実験では,フィールドトライアルを想定した条件において,目標とするセミリアルタイム性,スケール性を満たすことを確認した.その後,1 ピルでのフィールドトライアルを実施し,DKS を用いた節電対策によってシステムの有効性を実証できた.
著者
堂前友貴 関洋平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.8, pp.1-6, 2013-07-15

本研究では,ツイート中のトピックには,地域に偏りがあるものと,共通で現れるものがあるという仮定のもと,トピックを利用し,Twitter ユーザの生活に関わる地域を推定する手法を提案する.まず,訓練データとして,ロケーション項目に地域名を記述しているユーザのツイートを使用し,LDA を用いて地域ごとにトピックを作成する.次に,各トピックを比較し,地域に偏りのあるトピックに地域ラベルを付与する.そして,地域ラベルが付与されたトピックに対応するツイートを使用し,ツイートをトピックに分類する.各ユーザの生活に関わる地域は,ユーザのツイートに割り当てられたトピックに対して,付与された地域ラベルに基づき推定する.都道府県を,生活にかかわる地域の単位とし,16 の都道府県を対象として,ユーザの生活に関わる地域の推定実験を行ったところ,精度 0.59,再現率 0.54,F 値 0.56 となった.
著者
David Ramamonjisoa
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-6, 2014-01-31

User-contributed comments are one of the hallmarks of the Social Web, widely adopted across social media sites and mainstream news providers alike. While comments encourage higher-levels of user engagement with online media, their wide success places new burdens on users to process and assimilate the perspectives of number of user-contributed perspectives. This paper describes a comparison between two methods for analyzing topic trends from users' comments in social media. The first method is using the information retrieval weight tfidf and empirical topic extraction algorithm. The second one is based on the topic modeling.
著者
佐藤静香 児玉英一郎 王家宏 高田豊雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.13, pp.1-6, 2013-07-15

近年のインターネット普及に伴い,Web 上には多数の楽曲動画が存在するようになった.そのため,ユーザが求める楽曲動画を効率よく検索することが重要となってきている.また最近では,歌声合成ソフトウェアである初音ミクを用いた CGM 型の楽曲動画が数多く作成され,動画投稿配信サイトの YouTube などで公開されている.従来のアーティスト名や曲名を利用した検索方法では,初音ミクを用いた楽曲動画など無名なものを検索する際,曲名や制作者がわからないことも多く,検索が困難である.このため,「初音ミク」 をキーワードとして検索し,投稿順にランキング形式で表示された検索結果の中から 1 曲ずつ視聴し,ユーザが気に入ったものを見つけるといった場当たり的な手法に頼らざるを得ない.本論文では 「カンカン」 などの擬音語や 「のほほん」 などの擬態語の総称であるオノマトペを利用し,Web 上から無名な CGM 型の楽曲動画をも効率よく検索するシステムのモデルの提案を行う.また,本モデルの有用性確認のための,本モデルの実装系を利用した評価実験についても報告する.
著者
新井誠也 平川豊 大関和夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-09-19

マイクロブログサービスの Twitter が注目を集めている.Twitter が持つ特徴の 1 つにリアルタイム性に優れていることが挙げられるが,近年ではその特徴を生かし,実世界で起きているイベントを Twitter から観測しようとする研究が活発に行われている.本研究では,列車の遅延というイベントに焦点を当て,鉄道利用者から発信されるツイートをもとに各路線の列車の運行状況を判断するシステムを提案する.加えて,リアルタイム性の観点からシステムの有効性を確認する.遅延検出の閾値を,実際の遅延発生時における単位時間当たりのツイート数と各路線・各時間帯の鉄道利用者数を考慮して定める.その結果,鉄道会社の公式運行情報よりも早く列車遅延の第一報を配信可能としたことを示す.
著者
石田 栄美 石塚 英弘 根岸 正光 山本 毅雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.97, no.86, pp.109-116, 1997-09-11
参考文献数
12

先に発表した, 大きな分野を対象とする大量の自然語テキストデータの検索・分類のための単語リスト作成方法を詳しく検討した. 情報処理学・農芸化学・土木学などの学会予稿抄録の一部を単語リスト作成用データとし, 他を検索・分類用データとした. 単語リストの選択基準に含まれる二つのパラメタを変えて検討したが, 単語リストの大きさや内容は大きく変わるものの, 互いに離れている上記3分野間では, 分野推定の結果は安定していることがわかった. さらに, 分野に重なりのある電子情報通信学を加えて影響を調べた. また, これらの単語リストを応用して文献の分野関連度, 文献集合の分野関連度などを求める方法を示した.