著者
中尾 優奈 堀内 博皓 町田 大輝 松井 勇起
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.143-148, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
19

本稿では、日本においてメタバースが「キャズム」を越えられるかという問題に対し考察する。具体的には、メタバース(VRSNS)の代表的なプラットフォームであるVRChat を、メタバースとしばしば混同され既にキャズムを越えているバーチャルYouTuber と、「『遊び』の性質という視点から分析・考察する。分析結果として、VRChat の『遊び』としての本質は「起業家精神」であり、社会的に高い価値を持つ一方で、本質的にVRChat はマジョリティ向けに設計されていないことが判明した。しかし、バーチャルYouTuber の訴求力・認知的にメタバースと混同しやすい点を活かすことで、周囲の影響を受けやすいレイトマジョリティ層から迂回的にアーリーマジョリティ層にVRSNS を普及させる戦略を提案できた。
著者
河村 拓哉 西 康晴
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.112-115, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
8

ロールプレイングゲームでは、クリアタイムを競うRTA が近年盛んに行われている。RTA の既存プレイヤーは経験でプレイしていて、速い戦略は確立されておらず、新規プレイヤーが参入しにくい。RPG ではバトルで負けてしまうとクリアまでのタイムを大きくロスしてしまう。そこで高い確率で勝てる戦略が必要となるが、高い勝率の戦略はタイムが遅いことが多く、勝率を高くするだけではRTA の戦略として不十分である。そこで本研究では勝率とタイムの関係からRTA で最適な戦略とは何かを議論する。
著者
笠松 寛矢 松吉 俊 兼松 祥央 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.161-166, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
30

2022 年スマートフォンを中心としたソーシャルゲームが多く運営されており、市場規模も年々増加している。一方で、古くから配信されているソーシャルゲームが市場に滞留して、新規IP は売上を伸ばしていくことが難しい。このような状況下で、新規ゲームがどのようにトップ10 にランクインできたのか、理由が不明な点も多く、様々な観点から要因追求が求められている。本研究では『ウマ娘プリティーダービー』と『原神』の2 作品を分析する。分析には、ソーシャルゲームユーザが利用するSNS のTwitter のツイートを用いた。このツイートから、他のタイトルをプレイしているユーザが、分析対象のゲームに来る過程とその経過を調査する。これらのことから、どのようなユーザが獲得できたのかを考え、特性を探る。
著者
井上 明人 高橋 志行
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.51-56, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
33

本稿では文献レビューを通して、ゲーミフィケーションの倫理的ガイドラインに、どのような内容が多く提案される傾向にあるかを示し、この作業を通じてゲーミフィケーションに取り組む運営者が、実際に配慮すべき現時点の方向性を提供する。また、ゲーミフィケーションに係る倫理的ガイドラインの限界についても見通しを提示する。最後にゲーミフィケーションのガイドラインとして必要最低限と思われる水準の案を提示する。
著者
森本 大翔 村井 源
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.123-128, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
33

従来のゲームの種々の要素に関する自動生成技術は,研究段階にとどまらず商品化などにも応用されてきている.しかし,既存の物語の続編を自動生成する試みはゲームにおいても他のメディアにおいてもほとんど行われていない.本研究では,人気のある続編の共通性や,ユーザーが前作の続き として続編を受け入れる条件などを明らかにした.具体的には,続編に評価軸を設け,選定した作品に対し評価軸が前作とどの程度合致するかを問うアンケートを行い,その結果によって続編の基準を設定し,続編と認められた作品に関して分析を行った.また,ロールプレイングゲームとシューティングゲームの続編のそれぞれの特徴を分析し,その違いを明らかにした.
著者
武田 拓也 久野 桜希子
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.102-106, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
15

本発表では、ゼロ年代以前のゲーム雑誌の分析を行う。前半では、ゲーム雑誌が誕生し始めた1980 年代に焦点を当てる。その際、読者同士あるいは読者と編集者とのコミュニティがどのようなかたちで形成されていたのかを明らかにする。後半では、ゲームが社会的な認知を得ると同時に、ゲーム雑誌の創刊も相次いだ1990 年代の様相に着目し、ゲームに対する社会一般の眼差しと、それに対する読者および編集者の応答を考察する。
著者
齋藤 慎之介 和三 史弥 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.29-34, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
7

本稿では,ガンダムアクションゲームを対象とした,試合中の任意時間帯における優劣を可視化する振り返り支援インタフェースを提案する.対象ゲームは,味方プレイヤと連携しながら戦うゲームであるが,試合後に味方との連携に関連する要素を考慮した振り返りを行うことが難しい.本稿では,味方との連携に関係する4 つの要素に着目して,試合の優劣を判定し,優劣の度合いを可視化する.評価実験を通して提案システムの有効性を示す.
著者
小林 樹生 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.271-274, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
13

一部のリズムゲームでは、ノーツを叩く位置を示すUI が自由に移動する。そのようなゲームでは、ノーツを叩いた際に再生されるアニメーション演出が多岐に渡る。このアニメーション演出の種類によっては、入力する操作が同じであっても、プレイ体験が変わる可能性がある。本研究はアニメーション演出がプレイ体験に与える影響を調査するために、操作ごとに演出の内容やパラメータを変更できるシミュレーターを作成した。
著者
陳 俊業 伊藤 彰教 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.281-286, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
9

ネオ・リーマン理論を用いて、19世紀から現代の劇伴音楽までのPan-Triadic な楽曲群に和音分析を実施した。分析の知見を動的に変化する音楽に応用するため、Cohn の"Voice-Leading Zones"を用いて和音を分類とパラメータ化し、Wwise とUnity で動的な音楽システムを構築した。ゲームを想定したインタラクティブデモを制作し、システムによる和音の動きを検証した。
著者
西村 明美
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.70-75, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
27

世界で猛威を振るったコロナウイルス感染症のパンデミックの中、『あつまれどうぶつの森』は国際的に記録的セールスを達成した。各国のメディアでは、このゲームを取り巻く社会現象には当該パンデミックが関連していると報道した。そこで、本研究では、日本、フランス、イギリス、韓国、アメリカの5 ヵ国を調査対象とし、当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが前述の状況の下、文化的普遍性を有する現象なのかを検証した。その結果、国際的に当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが、「レクリエーション」であることが示唆された。また、このモチベーションには、異文化理解の枠組みとして世界的権威を持つホフステードの6 次元モデルの2 つの指標である「人生の楽しみ方」と「短期志向/長期志向」と呼ばれる各国の文化的価値観との間に関連性があることが明らかにされた。