著者
掛須 春希 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.16, pp.239-240, 2017

映像音響演出の分野において「Atmospheric Sound」と呼ばれる類の音は,登場人物の心情や状況を表現するためにも活用されている.これらは音楽とも効果音とも言えない中間領域の音響表現が用いられているが, 演出技法には特定の概念がなく,制作手法についても系統だった調査分類などが行われてきていない.本研究では 主に日本のSF アニメに焦点をあて,00 年代以降のコンテンツを中心に 12 タイトル,83 シーンの調査を行った. これにより映像表現技法としては各種編集技法との関連が深く,音響制作技法としては不協和音や非整数次倍音をふんだんに含んだサウンドが多用されていた.さらに海外コンテンツと比較すると,電子音響の使用率の高さが顕著にみられた.
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.189-192, 2021 (Released:2021-07-07)
参考文献数
7

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され,数多くのキャラクタが生み出される.その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.本報告では,キャラクタと声質の関 係について分析する諸手法を提案する.セリフから得られた音響特徴量と印象値の関係を学習させる.この学習結 果を活用することで,新しいキャラクタに関する任意の印象値を与えることで適切な音響特徴量を推定できる.こ の音響特徴量の推定結果をカバーできると思われる声優を選出し,声優候補リストとして生成する.一方で,ゲー ム作品に関するウェブ上の文書から自然言語処理を用いてキャラクタ間の距離を算出し,可視化する.これらを用 いることで本研究では,声優候補リストとキャラクタ間距離から声優をキャスティングするシステムの開発を目指 す.このシステムは例えば,声優をゲームキャラクタに割り当てる際の議論に有用であると考えられる.
著者
馬場 真奈美 伊藤 彰教
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 画像電子学会第300回研究会講演予稿
巻号頁・発行日
pp.327-330, 2022 (Released:2023-03-31)

本研究では,FPS ゲームの銃声音とプレイパフォーマンスの関連性を調べるため,『VALORANT』を対象として,音と見た目の変化による印象評価実験を実施した.ゲーム内での2種類の銃を対象とし,それぞれの銃の標準状態および見た目・音のバリエーションを作成する「スキン」を適応した状態を4種ずつの計 10 種を実験刺激として選定した.ゲーム内の練習用射撃場ステージにて,この 10 種の武器を3回ずつ,計 30 回のプレイを実施し,打ちやすさに関する印象評価およびクリアタイムを算出した.20 歳から 25 歳の男女計 12 名の被験者に対する評価実験を実施したところ,見た目および音のいずれも,プレイパフォーマンスに対して統計的に有効な測定結果を得ることはできなかったが,見た目の変化およびこれに伴う音の変化に対する印象には,ある種の従属関係がみられる可能性が示唆された.
著者
金 剛元 三上 浩司 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.11-20, 2011 (Released:2017-08-01)
参考文献数
15

韓国や日本ではマンガの特性を活かした創作手法の提案や制作工程の効率化が強く望まれている.特にマンガのストーリー構成とネーム制作手法の提案がマンガの質の向上と制作の効率化のために重要である.この課題を解決するために,本研究ではストーリーマンガ制作のための段階的なネーム構成支援手法を提案することを目的とする.このために,まず,ストーリー制作の初期段階からネーム制作段階までを分析し,その制作手順を明らかにする.そして,ストーリーとネームの構成要素を用いて,段階的なストーリー構成とネーム構成手法を提案する.さらにこの提案手法で用いる効率的な制作情報管理のためのシーン設定テンプレートとページ設定支援テンプレートを考案する.最後に,本研究の提案手法とテンプレートを用い,マンガ制作実験を行った.その結果,本手法の有効性が確認できた.
著者
渡邉 野々香 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.93-96, 2016

ストーリーを歌詞で語らせるミュージカルは、音楽構造・シナリオと歌詞・映像構成を有機的に計画する必要がある。従来のNLSによるビデオコンテではこの点が計画しにくい。そこで本研究ではアメリカのミュージカル映画およびドラマでカットの多いミュージカルシーンを対象とし、カット分析・楽曲分析・歌詞の音韻調査を行い、制作技法上の有機的構造を調査した。並行して絵コンテ・楽譜・音韻記号を可視化の観点から再定義し、前述の有機的構造を統合的ビジュアライズする手法を検討した。この成果を元に、プレプロダクション用アプリを想定したデザインテンプレートを構築し、用途に応じた動的な構成を検討可能にした。
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.123-124, 2016-03-02

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され,数多くのキャラクタが生み出される.声色の印象が与える効果はコミュニケーションにおいて約4割を占めるという考えがある.そういった考えからも,その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.そこで本研究では,ゲームからセリフを録音し音響特徴量を計算し,今回は基本周波数をヒストグラムと散布図にて表示した.さらに,キャラクタの性格分析を行う.最終的には性格から声質を推薦するシステム開発をめざしている.
著者
原 祐里子 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.89-90, 2015-03-07

スクリャービンやメシアンなど共感覚を持つといわれている作曲家たちは、独自の感覚によって、音高や調性と色彩が感覚的に結合している。一方で子供たちなどは、特殊な感覚が無くとも音高や調性と色を自由に結び付けて音楽的な遊びを行うことは珍しくない。本作品は音高と色彩とを古典的な音楽インタフェイス上で柔軟に組み合わせることにより、こうした融合的な感覚を手軽に楽しめるようにしたインタラクティブ作品である。3DCGを用い、iOS上にSwift言語により実装した。
著者
戀津魁 伊藤彰教 三上浩司 近藤邦雄 菅野太介 金子満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.605-607, 2011-03-02

映像作品を制作するにあたって,初めに作成される情報としてシナリオがある.シナリオなくして映像制作をするのは非常に困難であり,シナリオ執筆は必須の作業と言える.しかし,シナリオを記述するためにはキャラクター設定やエピソード等膨大な情報を考え,記述したものを管理する必要があり,シナリオ執筆自体にかかる以上の労力を必要とする.そこで本研究では,PHPとMySQLデータベースを用いてシナリオライターの情報管理を補助するシステムを開発した.Webブラウザを介して執筆過程の情報を随時データベースシステムに登録し,好きなタイミングでユーザーが参照できるインターフェースを作成した.また,記述された情報を自動的にシナリオの体裁を整えた形に表示する機能を実装した.これによって,多種・多数に渡る中間生成物をシステムが管理するためライターの負担を軽減し,また執筆完了後は記述された情報を効率的に参照できる形として出力可能になる.
著者
中村 陽介 三上 浩司 渡辺 大地 大圖 衛玄 伊藤 彰教 川島 基展 竹内 良太
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012-CG-146, no.6, pp.1-8, 2012-01-31

近年,スマートフォン向けアプリやソーシャルゲーム等新しい市場に向けたゲームの普及により,その開発スタイルも市場に合わせ多様化する傾向にある.特に,短期間でのゲーム開発は,従来の家庭用ゲーム機向けの大規模な開発とは必要なノウハウが大きく異なっている.この様な新しい開発スタイルにも対応できる人材を育成するため,東京工科大学と日本工学院が合同で行った,短期開発による開発スキルとコミュニケーション能力の向上を重視した新しいスタイルの教育カリキュラムについて,その結果をアンケートと評価データを元に報告を行う.
著者
新井 宗一郎 伊藤 彰教
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 画像電子学会第300回研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
pp.315-318, 2022 (Released:2023-03-31)

本研究では『アイカツ!』作品における登場キャラクターに付随する効果音を分析し,キャラクターや音の対象ごとの Diegesis の傾向等を分類することを目的として研究を実施した.アニメ版『アイカツ!』内の 5シーン 24 個の効果音を用いた印象評価実験を実施し,Diegesis の判断の妥当性を確認した.ゲーム版に認められる,サウンドインタラクションと考えられる音や機械に連動した音については、非現実的に聞こえる音でも Diegetic として判断する可能性が示唆された.さらに,同じ意味内容や意図意図が想定できる音でも,登場人物の状況によって Diegesis の判断は変化し,その時々に適した解釈が無意識のうちに行なわれていることが明らかになった.
著者
陳 俊業 伊藤 彰教 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.281-286, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
9

ネオ・リーマン理論を用いて、19世紀から現代の劇伴音楽までのPan-Triadic な楽曲群に和音分析を実施した。分析の知見を動的に変化する音楽に応用するため、Cohn の"Voice-Leading Zones"を用いて和音を分類とパラメータ化し、Wwise とUnity で動的な音楽システムを構築した。ゲームを想定したインタラクティブデモを制作し、システムによる和音の動きを検証した。
著者
宮園 知奈 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-74, 2018

音響のみで構成されるオーディオドラマのサウンドデザインを対象とした研究は行われてこなかった.本研究では,Chion らが伝統的に行ってきた映像音楽・音響研究分野の手法を援用する.「私たちに語りかけている」 ようなオーディオドラマを「『主観ショット型』オーディオドラマ」と命名した.映画音楽の narrative 機能の基盤である二分法をもとに,Neumeyer は「5 つの双対」を提唱した.自身の過去の研究に,Neumeyer の 5 つの双対から「前景/後景」を加えてタイムライン分析を実施した.この過程で,声と効果音の中間にあたるような音が,映画に比べて多数付与されていることが分かった.特に,本研究で提案した「Mouth Noise」は重要な演出手法になり得ることが判明した.
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 画像電子学会第281回研究会講演予稿
巻号頁・発行日
pp.181-184, 2017 (Released:2020-07-01)

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され 数多くのキャラクタが生み出される.その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.本報告では,キャラクタと声質の関 係について分析する諸手法を提案する.セリフから得られた音響特徴量と印象値の関係を学習させる.この学習結果を活用することで,新しいキャラクタに関する任意の印象値を与えることで適切な音響特徴量を推定できる.こ の音響特徴量の推定結果をカバーできると思われる声優を選出し,声優候補リストとして生成する.一方で,ゲー ム作品に関するウェブ上の文書から自然言語処理を用いてキャラクタ聞の距離を算出し,可視化する.これらを用 いることで本研究では 声優候補リストとキャラクタ間距離から声優をキャスティングするシステムの開発を目指 す.このシステムは例えば,声優をゲームキャラクタに割り当てる際の議論に有用であると考えられる.
著者
戀津 魁 安藤 健翔 神山 大輝 細川 慎一 日置 優介 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.169-170, 2013-03-08

「ハノイの本」は100年以上前から存在する木製パズルゲーム「ハノイの塔」のルールを踏襲し,乱雑に置かれた本を大きな本から順に本棚に収納していくiOS向けパズルゲームである.「ハノイの塔」のシンプルなゲーム性と本棚の特徴を融合させ,知的な楽しさと共に整理整頓の快感を提供する.よりよいユーザ体験の為に,デバイスに適したグラフィックインタラクション,及びゲームの特性に適したサウンドインタラクションを実装した.