著者
井上 明人
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.59-66, 2009

ゲームを理解させていくプロセスにこそ注目をしていくようなゲーム観やゲームデザイン観を「チュートリアリズム」と名付け、こうしたゲームデザイン観が1980年代前半の日本ゲーム市場の持つ歴史的な偶然性から発達してきた可能性について提示し、このようなゲームデザイン観の可能性と問題について素描した。
著者
根本啓一 高橋正道 林直樹 水谷美由起 堀田竜士 井上明人
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-87, no.17, pp.1-8, 2013-03-11

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションというアプローチが着目されている.ゲーミフィケーションとは,ポイントやランキングに代表される,ゲームに利用されてきた様々な要素や仕掛けを現実世界の活動に援用するアプローチである.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動なども生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関するものである.従来のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザに対して特定の行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,従来の方法では本質的課題を捉えることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良を施していくことが可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ達自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションのアプローチを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計 3 回実施し,48 名が参加した.プラットフォーム上には 9 つのゲームが作成され,課題プレイを通じて,827 個の行動がなされた.本論文では,これらの結果をふまえ,動機付け,能力,誘因という 3 つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.
著者
井上 明人 高橋 志行
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.51-56, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
33

本稿では文献レビューを通して、ゲーミフィケーションの倫理的ガイドラインに、どのような内容が多く提案される傾向にあるかを示し、この作業を通じてゲーミフィケーションに取り組む運営者が、実際に配慮すべき現時点の方向性を提供する。また、ゲーミフィケーションに係る倫理的ガイドラインの限界についても見通しを提示する。最後にゲーミフィケーションのガイドラインとして必要最低限と思われる水準の案を提示する。
著者
清水 洋 福田 一史 井上 明人 鴫原 盛之 松井 彩子
出版者
Institute of Innovation Research, Hitotsubashi University
巻号頁・発行日
2018-12

ゲーム産業生成におけるイノベーションの分野横断的なオーラル・ヒストリー事業
著者
根本 啓一 高橋 正道 林 直樹 水谷 美由起 堀田 竜士 井上 明人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.1600-1613, 2014-06-15

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションが着目されている.ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動が生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関して述べている.従来の社会課題解決型のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザの行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,本質的課題をとらえることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計3回実施し,48名が参加した.プラットフォーム上には9つのゲームが作成され,ゲームプレイを通じて827個の行動がなされた.本稿では,これらの結果をふまえ,動機づけ,能力,誘因という3つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.Gamification, the use of game thinking and game mechanics in a non-game context, is getting more attention as a means of self-motivated and sustained behavioral change. There are social problem solving activities by using this mechanics in order to encourage many people to change their behavior. Most of the applications and activities of Gamification are designed by skilled professionals in order to solve a particular problem. However, problems that a group or community has are slightly different in many ways. Therefore, a given application of Gamification is not enough to fundamentally solve a complex social issue. We believe that designing applications and activities of Gamification need to be more inclusive of stakeholders of the problem. In this paper, we propose a methodology to solve a problem with self-motivated and sustained actions through Gamification. We designed workshops which allow participants to create games to solve their own issues. In addition to the workshop, we developed web-based platform, Gamification Platform, where game ideas created at the workshop can be deployed so that users can play the game idea in actually. We conducted 3 workshops with 48 participants in total. 9 games are prototyped and 827 activities have been done. Finally, we discussed mechanisms to encourage people to take actions from the view point of motivation, ability, and trigger.
著者
井上 明人
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.46-53, 2007 (Released:2021-06-01)

ゲームを成立させている認識を問うことを中心に国内のゲームの先行研究を整理する。
著者
室井 尚 吉岡 洋 秋庭 史典 佐藤 守弘 吉田 寛 小松 正史 安田 昌弘 島本 浣 吉村 和真 須川 亜紀子 カルパントラ ファビアン 大久保 美紀 丸山 美佳 入江 哲朗 ロート マーティン 簗瀬 洋平 井上 明人 小島 秀夫 バラカン ピーター 輪島 裕介 増田 聡 松蔭 浩之 前川 修 増田 展大
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は5名の研究代表者、分担者を中心とした研究会を複数回開催するとともに、大規模な公開研究集会を年に一回開催し、その成果をや報告書にまとめ、webで幅広く公開することによって、一般からもその成果に対する広い関心を集めることができた。また2016年の国際美学会、2017年の国際記号学会においてはラウンドテーブルを組織して、海外の研究者との議論を深めることができた。これらの研究活動によって新しい理論的な枠組の構築に結びつけることができた。本研究はポピュラー文化に関する美学的アプローチの最先端の成果を挙げることができた。
著者
根本 啓一 高橋 正道 林 直樹 水谷 美由起 堀田 竜士 井上 明人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.1600-1613, 2014-06-15

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションが着目されている.ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動が生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関して述べている.従来の社会課題解決型のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザの行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,本質的課題をとらえることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計3回実施し,48名が参加した.プラットフォーム上には9つのゲームが作成され,ゲームプレイを通じて827個の行動がなされた.本稿では,これらの結果をふまえ,動機づけ,能力,誘因という3つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.