著者
内田 敏夫 山本 雄慈
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.24, pp.28-29, 1982-07-15

ハトムギは、昭和56年度から転作作物に認定され、契約栽培などで作付けが増加しているが、その特性が十分に判明していないために生産が不安定である。そこで、契約対象品種の岡山在来について作期と生育量について試験をして若干の知見を得たのでその概要を報告する。
著者
氏平 洋二 石田 喜久男
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.24, pp.24-26, 1982-07-15

ハトムギは転作田における重点作物の一つとして、再び注目されている。従来の茎葉を収穫目的とした栽培に比べて、ハトムギ栽培を殻実生産の立場でみると、早生、短稈、難脱粒性、多収良質品種の育成が望まれる。そこでまず、国内外からハトムギ品種系統を導入して特性調査を実施した。その結果を報告する。
著者
藤岡 正美 内田 敏夫 松永 武之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-10, 1984-07-13

水稲安定生産の要(かなめ)としての苗は、昔から"苗半作"といわれるほどで、現在においても良苗を得るための種子選別法として塩水選が行われている。山口県では、昭和58年度はとくに内海沿岸を中心に籾枯細菌病が多発したが、籾枯細菌病は種子伝染するとされ、塩水比重が1.14以上の溶液で選別すれば防除上有効であるといわれる。これまで横井が水と食塩の重量によって塩水比重がどう変わるか報告した。その後現在に到るまでその値が引用されている。しかしながら、実際にその塩の量を用いて塩水を作るとかなり高い比重の塩水ができ、実用上問題があると考えられたので、種々の塩を用いて塩の量と塩水濃度との関係について検討した。なお、塩の提供等については専売公社山口支局及び山口県農業協同組合連合会ので協力があったので、ここに記して謝意を表する。
著者
西尾 博之 橋本 俊司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.38, pp.70-71, 1997-07-29
被引用文献数
1

本県におけるコシヒカリの栽培は昭和59年頃より始まり、その作付面積は平成8年度には5, 846ha、品種別作付比率第1位となっている。しかしながら、生産される玄米の品質は、倒伏しやすいこと、あるいは近年の気象変動が大きい事などから、決して安定しているとは言い難い。特に、本県平坦地域で生産されるコシヒカリの品質に変動が大きく、栽培面積が拡大していく中で栽培適地の特定が必要となっている。一般に水稲の登熟適温は20〜25℃(松島ら1957、伊藤1979)といわれており、これ以上の高温では収量及び玄米品質に悪影響を及ぼすことが知られている。また一方では、コシヒカリは高温登熟性が高く、高温障害を受けにくいことが新潟農試(佐々木ら1984)において報告されているが、コシヒカリの最適登熟気温については明確となっていない。そこで、標高の異なる現地にポットを置き登熟気温を変化させ、玄米品質について検討した。
著者
土屋 隆生 浦野 光一郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.37, pp.28-29, 1996-08-06

当センター育成品種で, 中生新千本の品質と穂発芽性を改良したあきろまんは, 猛暑であった1994年の翌年の'95年の育苗期に, 特に無加温の育苗や直播き栽培した農家から発芽が不良であると指摘された。この原因として, あきろまんの発芽の様相や休眠の程度に中生新千本と異なる特性があると推測し, 検討したので, その結果を報告する。
著者
宇都宮 宏
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.28, pp.48-49, 1986-07-30

走査電子顕微鏡を利用して, 作物の胚乳細胞内の澱粉粒などの形成, 発達の過程を研究しているが, 本報告では六条大麦皮種横綱の胚乳細胞内の澱粉粒の形状, 大きさと細胞内の分布状態及びその変化などを観察した結果を報告する。
著者
牧田 克巳
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.32, pp.20-21, 1991-08-01

稲作に取り組んで10年になるが、この間、稲との対話に明け暮れして楽しい人生の一時を過ごすことができたことを感謝している。天地人の恵によって、近年は安定して単収800kg内外の収穫を得ることができるようになった。この経験に基づいて、私が稲作りの基本とするところと、稲作診断の要点について述べてみたい。稲作りの基本は、あくまでも土作りで、よい粘土(客土)と有効腐植を多くし、深い耕土と、排水のよい田を創るならば、あまり手をかけなくとも米はよくとれる。前年の秋に、生ワラ全量を施し、これを早く腐熟させるため10a当り乾燥鶏ふん200kgと熔燐60kgを施用。秋耕はしないで、春耕時に過石20kg、塩加15kgを全層施肥する。これらは、土作りと基肥施用を兼ねた作業である。
著者
中野 尚夫 氏平 洋二 石田 喜久男
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.34, pp.16-23, 1993-08-02
被引用文献数
1

山陽地域の主要品種タマホマレを供試し, 1982年と1986年に6月上旬から7月下旬まで1週間隔で播種し, 播種期と分枝数・総節数・稔実莢数および収量の関係を検討した.播種期が早いと主茎節数が多かったが, 6月下旬から7月上旬の播種における差は小さかった.分枝数は, 播種期が遅いほど少なく, 特に7月にはいってからの播種ではその減少が大きかった.総節数, 稔実莢数とも分枝数の少ない遅播きで少なかった.収量は稔実莢数と高い相関関係にあり, 稔実莢数は総節数, 分枝数に支配された.このため収量は, 早播きほど多かった.しかし, 早い播種では下位節分枝の枯死率が高い, 結莢率が低いなどにみられるように過繁茂が懸念された.一方結実期間の短い遅播きでは百粒重の低下も懸念された.したがって, 当地域のタマホマレ栽培における播種適期は, 6月下旬から7月極上旬と判断された.
著者
梶木 慧一 高見 博 藤岡 正美
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.29, pp.38-39, 1988-08-01

台風12号(昭和62年8月30日〜31日)が朝鮮海峡を北上し日本海へ通過したが, 風台風であったため光市室積地区の水稲へ多大な被害を及ぼし, 共済被害面積率は40.9%に達した。このため, 海岸からの距離と被害について調査, 検討した。
著者
岡 浩司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.29, pp.36-37, 1988-08-01

昭和62年8月30日〜31日にかけて東シナ海から日本海へ北上した台風12号は, 最大瞬間風速39.7m, 降雨量は4mm (防府自衛隊北基地調)と典型的な風台風で, 出穂期前後を迎えていた瀬戸内沿岸の水稲に潮風害等大きな被害を及ぼしました。特に, 大道干拓(防府市大道)は, 東と南が海に面しており, 暴風が海側から直接吹き込んだため水稲の被害は甚大であったので, 本調査により実態の把握を行った。
著者
中野 尚夫 水島 嗣雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.29, pp.44-45, 1988-08-01

岡山県の山間地域は, 河岸の小規模な段丘水田, 背後の傾斜畑, それらをかこむ山林から成っている。このような平野部と著しく異なる立地条件は, 作物選択や栽培法にこの地域個有のものを成立させた。その代表的なものは, 薪炭林や杉・桧植林地においてそれらの再利用が可能になるまでの期間に行われた焼畑の利用とミツマタ栽培であろう。この農法は決して生産性の高いものではなかったが, 自然の再生力を利用した合理的なものであったと思われる。しかし, 暖房燃料が炭から石油に変換した昭和30年代半葉を境にこの農法は一気に消滅した。本報告では, この焼畑について行った聞き取り調査の結果を紹介する。