著者
山元 隆春
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.49-57, 1996-01-10

<誤読>が積極的な意味を帯びるのは、それが私たちの既存の価値観を揺さぶる時である。本稿においては、<誤読>を単に正しい読みに対立する概念としてではなく、代案としての様々な読みを示す営みを指すものとして捉えた。リチャーズやリファテールの読みの理論を批判的に捉えた上で、主としてスコールズの<対抗的に読むreading against>という考え方に依拠しながら、一次的なテクストに対するもうひとつのテクストを読者が産み出し、その営みを通じて読者としての主観性を形成することが、出来事としての読みを誘うことに繋がると論じた。
著者
石井 茂
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.29-39, 1980-11-10

It had been said that materials for Hitokure no Tsuchi were suggested by Heizo Rikiishi who was from Yugawara. However, it was quite unknown who the model for a heroine was. This is a research on the bereaved family, and as a result, it has become clear that Heizo's uncle Ichitaro Ozawa's wife, Raku might be a model.