著者
高橋 澄夫 井野口 卓 華 常祥 堤 善多 森脇 優司 山本 徹也
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.211-215, 2006 (Released:2012-11-27)
参考文献数
15

It is well known that patients with gout frequently have acidic urine, a major risk factor for urolithiasis. However, the underlying mechanism of acidic urine in patients with gout remains unclear. Recently, uric acid nephrolithiasis has been reported to be a factor contributing to of renal manifestation of metabolic syndrome. Therefore, to clarify the mechanism of acidic urine in patients with gout, we investigated the relationships between urinary pH and other components of metabolic syndrome. Patients with a 24-hour urinary pH below 5.5 showed higher or greater levels of blood pressure, serum triglyceride, blood sugar, plasma insulin, and visceral fat area, compared with those with a 24-hour urinary pH above 5.5. In addition, there were negative relationships between 24-hour urinary pH and serum triglyceride, visceral fat area, and HOMA index. PPAR a agonist, bezafibrate, significantly raised the 24-hour urinary pH in gout patients in accordance with a reduction in serum triglyceride concentration and HOMA-R, probably through improvement of insulin resistance. These findings suggest that insulin resistance plays at least a partial role in the development of acidic urine in patients with gout.
著者
土橋 卓也
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-8, 2016-07-25 (Released:2016-07-25)

Evidence is accumulating that hyperuricemia is closely associated with lifestyle-related diseases including hypertension and may play a significant role as cardiovascular risk. Hypertensive patients especially complicated with obesity or metabolic syndrome are more likely to be resistant hypertension. In the management of resistant hypertension, antihypertensive combination therapy including diuretics is often necessary to achieve strict blood pressure control advocated by the hypertension guidelines. However, hyperuricemia is commonly associated with hypertension with metabolic syndrome or chronic kidney disease and the use of diuretics may further increase serum uric acid. Thus, careful management of uric acid with the appropriate use of uric acid-lowering drugs is warranted when diuretics are included in the treatment of hypertension. The goal of serum uric acid level in the uric acid-lowering therapy in hypertensive patients with hyperuricemia awaits the future intervention trials.
著者
金子 希代子 工藤 優子 西澤 裕美子 堀場 沙世 茂木 淳一 馬渡 健一 中込 和哉 山辺 智代 藤森 新
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.23-29, 2007 (Released:2012-11-27)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

食品中のプリン体含量を測定した.今回対象とした食品は,和食で使用される野菜を中心とした食材で今までに測定されていない食品とおつまみ類,および健康食品である.プリン体含量は,四塩基合計値として,空豆,おくら,もやしは40mg/100g以下であった. 豆もやし, 貝割れ大根,おから,ブロッコリースプラウト,舞茸は50~130mg/100gとpurine-rich vegetablesに分類された.おつまみ類(生ハム,さきいか,アーモンド),調味料(唐揚げ粉),粉末スープ類(ポタージュ, コンソメ) には3 0~180mg/100gのプリン体が含有されていた.一方,健康食品(ケール,ローヤルゼリー, ビール酵母, クロレラ,DNA/RNA)は40~21500mg/100gと大量のプリン体を含有するものがあった.今回測定した食品では,健康食品に,非常に多くのプリン体を含むものがあり,推奨される1日のプリ体摂取量400mgの半量を占めることから,これらの健康食品の日常的な服用には注意が必要であると考えられた
著者
大山 博司 大山 恵子 諸見里 仁 高木 宜史 田代 優輝 大山 高史 山田 美紀 江戸 直樹 藤森 新
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.123-130, 2016-12-20 (Released:2016-12-20)

健常者3名と高尿酸血症患者6名を対象に,有酸素運動,低強度(20RMで10回を3セット)レジスタンストレーニング,高強度(10RMで10回を3セット)レジスタンストレーニングの3段階の運動を実施して血清尿酸値への影響を検討した.健常者,高尿酸血症患者とも有酸素運動では血清尿酸値は変化しなかったが,高尿酸血症患者では低強度,高強度いずれのレジスタンストレーニングでも運動翌日に血清尿酸値の有意な上昇がみられ,高強度レジスタンストレーニングでは運動直後にも血清尿酸値の有意な上昇が観察された.レジスタンストレーニングは解糖系をエネルギー源とする嫌気性運動筋である速筋を使用するトレーニングであり,運動直後の血清尿酸値の上昇には筋肉活動によって生成された乳酸による尿酸排泄障害が関与する可能性が疑われた.また,有意差はついていないが,健常者,高尿酸血症患者いずれにおいても運動翌日に血清CK値が運動前の数倍上昇しており,運動翌日の血清尿酸値の上昇には筋線維の断裂・破壊などに伴う,筋肉内に含まれているプリンヌクレオチドの溶出の影響も可能性として挙げることができるかもしれない.レジスタンストレーニングは強度によっては血清尿酸値上昇をもたらす可能性があり,その機序に関しては今後さらなる検討が必要と考えられた.レジスタンストレーニングはインスリン感受性やHDLコレステロールを上昇させる効果や筋肉量の増加,基礎代謝の亢進などにより生活習慣病の予防に有効なことが報告されており,痛風・高尿酸血症患者に運動を実施する場合は,痛風関節炎の有無や尿酸値の推移に注意しながら有酸素運動と無理のない程度の低強度レジスタンストレーニングを組み合わせた運動を推奨することが望ましいと考えられた.
著者
小片 絵理 山辺 智代 金子 希代子 澤重 亨一 水沼 眞紀子 山内 俊一 飯嶋 正広 藤森 新
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.9-13, 2000 (Released:2012-11-27)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

地ビールおよび発泡酒のプリン体含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した.各アルコール飲料に含まれるプリン体を加水分解し,adenine,guanine,hypoxanthine,xanthineの4種類のプリン塩基として測定し,各々を合計して総プリン体量と総プリンN量を求めた.その結果, 地ビールは6.78~16.64mg/dl( 総プリンN量として2.35~7.32mg/dl) で, 多いものでは一般のビールの3倍量のプリン体を含んでいた.一方,発泡酒のプリン体は少なく,2.83~3.82mg/dl(総プリンN量として1.29~1.77mg/dl)で,一般のビールの半分程度であった.