著者
田中 智志
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.A1-A28, 1996-03

一九世紀前期のニューイングランドに、多くの、愛による教育を論じる書物が登場した。愛による教育は、自己統治する<人間>を形成する方法である。自己統治する人間は、自己が超越的な内在性に準拠するという、自己準拠の形式をもつ身体である。愛による教育は、おもに中産階級の<家庭>をつうじて流布していったが、この家庭も、自己準拠の形式をもつ制度である。また、公教育は、第二の家庭として、父の補として、治療する博愛として構想されたものである。人間も家庭も公教育も、モダンな言説戦略に条件づけられ、この戦略は、機能連関という社会構造によって条件づけられている。愛、したがって愛による教育は、こうしたモダンな身体・制度、言説戦略、社会構造とともに可能になるものである。
著者
山県 敏夫
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.A1-A16, 1969-03
著者
中村 昭之
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.A20-A30, 1974-03

本論文は,特別養護老人ホーム入所中の老人を対象として,彼等の日常生活活動の実態と,それらの活動に影響を与える要因を分析したものである。それらの結果を要約すると以下のとおりである。(1)特別養護老人ホームの老人は,A.D.L.では,特に,歩行,行動範囲,入浴,着,脱衣,整とんなどで,困難なものが多い。(2)A.D.L.中,基本的機能である,視機能,聴機能,会話機能,歩行機能についてみると,これらのうち,視機能,聴機能,会話機能は,やや悪いと評価されるものが多いが,これらと比較して,歩行機能は,最も劣っていて,これが,特別養護老人ホームの老人の特徴であるように思われる。(3)心理的能力と態度では,活動意欲の減退しているものが,非常に多い。(4)A.D.L.得点も,心理的能力と態度の得点も,年齢と共に上昇傾向を示し,A.D.L.では,60〜69歳代と,70〜74歳代の間の得点上昇は急激である。(5)心理的能力や態度得点は,80歳以上では分散が大で,能力や態度の高低,良否の差が,顕著になる。(6)脳神経系障害群と,その他の疾患群の人員構成比は,約3:1で,圧倒的に前者が多い。両群間には,A.D.L.の平均得点で,明確な差は認められないが,各項目についてみると,着脱衣,整とん,洗面などで,差がみられた。(7)因子分析によって,共通な因子を抽出してみると,第1因子,歩行と活動意欲の因子,第2因子,会話機能と社会的志向性減退の因子,第3因子,聴機能と学習能力減退の因子が見出された。よって,これらの因子が,特に,老人の日常生活活動に,深い影響を与えているものと考えられる。
著者
田中 智志
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.A19-A48, 1995-03

モダニティを問うために必要な視界は、ノミナリスティックな視界である。この視界をよくあらわしているものは、フーコーの批判的存在論である。かれの批判的存在論は、主体批判として構想されたものであり、主体を歴史的な自己関係形式の一つとして捉える理論である。批判的存在論は、諸力の関係と権力の装置とのダイナミズムを前提にし、権力の装置として言説・テクノロジー・身体形式を想定している。また批判的存在論は、諸力の関係/権力の装置のダイナミズムを明らかにすることによって、力=ピュシスを誘発しようとする。主体身体は、この力=ピュシスから離床し、このピュシスを隠してしまう。主体そのものが権力の装置だからである。よって批判的存在論は、啓蒙の原理にしたがう社会改革を志向するのではなく、啓蒙の態度にしたがう社会変容を志向する。このことから当面帰結することは、モダンな営みである主体形成=教育を国家権力として批判することでもなければ、人間賛歌として宣揚することでもなく、それを諸力の関係を権力に変換する装置として理解し、そこに力=ピュシス誘発の逃走線=闘争線を引くことである。

1 0 0 0 OA 方丈記の欧訳

著者
幣原 道太郎
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.A1-A22, 1961-03