著者
瀬尾 明彦 砂川 久弥 土井 幸輝 鈴木 哲
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.96-105, 2008 (Released:2008-12-09)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では,睡眠時間が翌日全体の認知・運動機能に及ぼす影響を評価することを目的とした.具体的には,睡眠時間の長い条件(6時間)と短い条件(3時間)の2条件で,起床後の身体の「知覚」,「思考」,「記憶」,「運動」の一連の認知から運動に至るまでの機能に対応した作業を被験者に行わせ,脳波計測による各作業時の覚醒度,自覚症調査による各作業後の主観的負担感,各作業の結果により総合的に評価した.また,本研究では実験中の被験者の生体リズムの変化についても体温・心拍数計測により確認した.その結果,体温,心拍数の変化から,睡眠時間の長短による生体リズムの顕著な差は見られなかったが,短睡眠では主観的負担感が高くなることがわかった.脳波についても短睡眠時には翌日に覚醒度の低下が確認された.また,翌日の作業結果にも大きく影響することがわかった.具体的に,知覚機能,思考機能,記憶機能においていずれも低下が大きいことがわかった.一方,動作機能の顕著な変化は見られなかった.
著者
田中 幹也 春山 和男 山田 陽 若佐 裕治 明石 卓也
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-103, 2008-02-15 (Released:2008-02-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

少子高齢化の進展に伴い高齢者の福祉現場では様々な問題が生じている。特に中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭では介護者の人手不足が深刻で高齢者の移動を自動的に検知し通報するシステムの開発が望まれている。このためここでは中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭でも導入可能であり,安全で,安価で,故障の少ない超音波レーダと電灯線通信を用いた移動検知通報システムを開発したので報告する。本システムは高齢者がベッドから離れようとした場合や居室から出ようとした場合にそれを検知し,管理室や別室の介護者に警報を発する移動検知通報システムである。
著者
瀬尾 明彦 砂川 久弥 土井 幸輝 鈴木 哲
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.96-105, 2008
被引用文献数
2

本研究では,睡眠時間が翌日全体の認知・運動機能に及ぼす影響を評価することを目的とした.具体的には,睡眠時間の長い条件(6時間)と短い条件(3時間)の2条件で,起床後の身体の「知覚」,「思考」,「記憶」,「運動」の一連の認知から運動に至るまでの機能に対応した作業を被験者に行わせ,脳波計測による各作業時の覚醒度,自覚症調査による各作業後の主観的負担感,各作業の結果により総合的に評価した.また,本研究では実験中の被験者の生体リズムの変化についても体温・心拍数計測により確認した.その結果,体温,心拍数の変化から,睡眠時間の長短による生体リズムの顕著な差は見られなかったが,短睡眠では主観的負担感が高くなることがわかった.脳波についても短睡眠時には翌日に覚醒度の低下が確認された.また,翌日の作業結果にも大きく影響することがわかった.具体的に,知覚機能,思考機能,記憶機能においていずれも低下が大きいことがわかった.一方,動作機能の顕著な変化は見られなかった.
著者
八幡 勝也
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.110-118, 2010 (Released:2010-04-25)

保健指導において、遠隔、非対面での指導が初対面から可能であるのか、長らく不明確であった。それは、保健分野と医療分野の境界が曖昧なままであったことが大きいと考えられる。ここでは、医療行為について現状をまとめ、保健指導と医療行為を検討した結果、医療行為には明確に、場所の申請、資格、行為の妥当性などの要件が必要であるが、一方保健指導の場合には、資格と業務のに沿った行為で、治療を目的にしない事が明確で有れば良い事が分かった。つまり医療行為と保健指導の間では、正当な医療行為を明確にすることで、保健指導との境界が明確になると考えられた。よって医師もしくは保健師の実施する保健指導であれば、非対面での指導が実施可能である。非対面による遠隔の保健指導の導入により、時間、場所の制限が緩和され、多くの職種の指導を受けられる可能性が高くなり、より効果的且つ効率的な活動が可能になると考えられる。
著者
谷村 晋
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.30-39, 2006-09-25 (Released:2007-01-18)
参考文献数
12

学会プレゼンテーションの映写機器をコンピュータと液晶プロジェクタに切り替える学会が一般化してきたが、このときMicrosoft PowerPointが排他的に指定される傾向にある。学会プレゼンテーションに必要なソフトウェアの条件項目を多角的に検討した結果、PowerPointは学会プレゼンテーションのための映写ソフトウェアとして、むしろ不適切であることを明らかにした。必要とされる条件項目を満たす代替手法として、本稿ではPDFファイルによるプレゼンテーション(PDFプレゼンテーション)を提案するとともに、その具体的な例と留意点を示す。PDFプレゼンテーションを採用すると、学会運営側はPowerPointの場合よりも低費用低リスクで安心でき、発表者側はスライド作成負担が軽減される。
著者
木村 憲洋
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.24-29, 2006

2005年4月に個人情報保護法が施行され、関連して厚生労働省をはじめとして幾つかのガイドラインが発表された。しかし、これらガイドラインには改善すべき点が残されているようである。事業者の対応に行き過ぎた点があり、消費者も対処に戸惑った例もあった。これらの課題に適切に対処している例として今井病院(栃木県足利市)を紹介する。今井病院では情報を患者情報、診療情報、経営情報、職員情報として分類し、個人情報保護法の対象だけでなく、すべて保護すべき情報として管理している。具体的に病院内の個人情報保護法に対する対策を述べると、個人情報保護方針の作成と掲示、個人情報利用目的承認用紙の作成と関係者への配布と受領、個人情報保護法についての院内勉強会、職員との守秘義務契約を行った。この法が施行されて半年が経過したがトラブルは起きていない。これらの対策が一応の成果を挙げているものと考える。