著者
山田 陽城
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.56-70, 2018 (Released:2018-03-14)
参考文献数
46
被引用文献数
1

Nature is a very important resource for not only new drug discovery but also application of traditional medicines. Kampo (Japanese traditional) medicines have been used as the traditional formula in which multi-active ingredients may attack multiple target sites to recover complicated symptoms caused by disturbance of the body systems such as immune, neural and endocrine systems. Therefore, their multilateral actions are suitable to treat multifactorial diseases. Kampo medicines are using for the treatment depending on the patient’s clinical situation, either separately or to complement modern western medicine in Japan. Present review describes the concept and characterization of Kampo medicines, and introduces our pharmacological studies of Kampo medicines to clarify their action mechanism and active ingredients. The results may contribute for more evidence-based clinical applications of Kampo medicines.
著者
田中 幹也 春山 和男 山田 陽 若佐 裕治 明石 卓也
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-103, 2008-02-15 (Released:2008-02-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

少子高齢化の進展に伴い高齢者の福祉現場では様々な問題が生じている。特に中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭では介護者の人手不足が深刻で高齢者の移動を自動的に検知し通報するシステムの開発が望まれている。このためここでは中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭でも導入可能であり,安全で,安価で,故障の少ない超音波レーダと電灯線通信を用いた移動検知通報システムを開発したので報告する。本システムは高齢者がベッドから離れようとした場合や居室から出ようとした場合にそれを検知し,管理室や別室の介護者に警報を発する移動検知通報システムである。
著者
永井 聖剛 山田 陽平 仲嶺 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17342, (Released:2019-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

Previous studies have shown that the physical movements of participants influence creativity thinking. We examined whether another type of movements (bigger or smaller arm movements) modulates creative idea productions. In Experiment 1 participants were required to generate new names for rice after performing bigger or smaller arm movements. Bigger arm movements were associated with more divergent idea productions (e.g., non-typical ideas) compared to smaller arm movements. In Experiment 2, another task was used to generate as many ideas as possible for creative gifts the participants might give to an acquaintance, and the results showed the possibility that bigger arm movements led to more flexible idea generation than did smaller one. Taken together, the current study suggested the size of movements modulated creative thinking: bigger ones increased divergent creative thinking, possibly because bigger physical movements facilitate the divergent cognitive processing mode.
著者
山田 陽子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.380-395, 2002-12-31
被引用文献数
1

本論の目的は, 「社会の心理学化」 (P. L. Berger) をE.デュルケム以来の「人格崇拝」の再構成から位置付けることである.心理学的知識が普及した社会では, 「心」に多大な関心が払われる.その侵犯を回避すべく慎重な配慮がなされ, 「心」は聖なるものとして遇される.「心」が重要だと語りかける一方で, それを操作対象とする「心」をめぐる知の普及はいかに解釈されうるか.ここではデュルケムの「人格崇拝」論にE.ゴフマンの儀礼論, A.ホックシールドの感情マネジメント論を接続し, それぞれに通底する「人格崇拝」論の構造と異同を明らかにすることによって解答を試みる.<BR>デュルケムは「人格崇拝」概念において, 近代社会では個人の人格に「神聖の観念」が宿ると指摘した.ゴフマンはそれを継承して儀礼的行為論を展開し, 世俗化の進行する大衆社会において唯一個人が「神」である様子を詳細に記述・分析した.デュルケムの宗教論とゴフマンの儀礼的行為論の影響が認められるホックシールドの感情マネジメント論では, 人格や「カオ」に加えて「心」に宗教的配慮が払われることが示唆されている.<BR>ホックシールドを「人格崇拝」論から読む試みを通じ, デュルケムやゴフマンの現代的意義を再評価しつつ, 心理学的知識の普及に関する新たな分析視角の導出と理論的枠組みの構築をめざす.
著者
山田 陽子
出版者
広島国際学院大学現代社会学部
雑誌
現代社会学 (ISSN:13453289)
巻号頁・発行日
no.10, pp.133-144, 2009

本報告は、広島国際学院大学現代社会学部・社会学合同演習「現代社会にみる恋愛」の一環として、2008年6月21日(土)に広島国際学院大学立町キャンパスにて行なわれた公開講義「純化する愛、その不安」の概要である。本講義では、恋愛について社会学的な観点から講じた。主として、1)ロマンティック・ラブ・イデオロギーと恋愛結婚の誕生、2)「純粋な関係性」と「コンフルエント・ラブ」(A.Giddens 1992)、3)コンフルエント・ラブが導く関係の不確定性、以上三点について講じている。受講者は、社会学にまったくなじみのない高校生や一般の方であったため、「恋愛チェックシート」(資料1)を作成し、講義の前に自らの恋愛観を振り返ってもらうという、最も身近なところから議論を出発させた。受講者一人一人が普段何気なく抱いている恋愛に関する様々な規範意識や感覚が、現代社会の成員の多くに共有されている社会意識であることを示し、そのことを通じて、通常は最も個人的で私的なものと考えられている感情が社会的・外的要因によって規定される側面を持つこと(E.Durkheim 1912)、もしくは自然で内発的なものであるとみなされている感情が社会的に決められた「感情規則」(A.Hochschild 1983)に沿う形で経験されていることに対する認識を促すことを目的とした。さらには、現代人に共有されている恋愛観や関係性の特徴、不安の来歴について講じることによって、社会規範や社会の在り方は常に「別様でもありうること」(N.Luhmann)を提示し、受講者自らが生きる社会を客観的に観察する契機となればとの期待をこめた。
著者
山田 陽滋 鴻巣 仁司 森園 哲也 梅谷 陽二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.666, pp.509-516, 2002-02-25
被引用文献数
26

In the social context of an aging workforce at the labor intensive manufacturing sectors, we discuss an assisting system for older workers who have excellent skills though their physical ability to perform iterative tasks at a constant speed with high quality. "Skill-Assist" which is proposed in this paper is a new type of assisting system which varies its mechanical impedance to give workers who have been working under the lifetime employment system a sense of achievement in being again able to accomplish the skilled tasks they were capable of when younger. This paper discusses the control algorithm of Skill-Assist. First, a criterion for changing the impedance of Skill-Assist in response to task condition variations is explained to propose. "Phase-Dependent Impedance Control". Second, desirable impedance patterns are experimentally determined. The patterns are required to produce a good subjective operational feel and precise positioning when maneuvering Skill-Assist. Finally, the effectiveness of Skill-Assist is verified under more practical positioning tasks, which is evaluated based on the subjective operational feel, physical stress, and productivity.
著者
永野 光 岡本 正吾 山田 陽滋
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.343-353, 2011
被引用文献数
3

This article describes research directions in the structure of perceptual/tactile dimensions of material textures. We introduce methods of psychological experiments and mathematical approaches for structuring tactile dimensions and summarize such dimensions revealed in previous studies. Furthermore, we discuss the dimensions from the points of view of sensory receptors. Holistically, we suggest that the material textures are composed of at least 5 perceptual dimensions, that are macro and fine roughness, hardness/softness, coldness/warmness, and friction (moistness/dryness, stickiness/slipperiness).
著者
加瀬 七夏美 中村 友紀 植木 毅 桑原 直子 松尾 侑希子 三巻 祥浩 立川 英一 山田 陽城
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】コルチゾールは、血糖上昇、蛋白質異化促進、脂質分解促進、抗炎症や免疫抑制作用を有する生命維持に必須のホルモンである。生体がストレスに晒されると視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系が活性化され、コルチゾールが大量に産生されてストレスに拮抗する。一方で過度なストレスによってHPA系機能が亢進され続けるとネガティブフィードバック機構が破綻し、過剰に分泌されたコルチゾールが精神疾患や代謝性疾患、悪性腫瘍、記憶障害などを引き起こす。近年、難治性うつ病患者ではHPA系機能障害が起こり、コルチゾール濃度の顕著な増加が持続されていることが知られている。演者らは漢方薬の香蘇散に見出された抗うつ様作用に、HPA系機能の改善作用が関わっていることを既に報告した。また先に、新たなHPA系機能改善物質を探索するため、35種類の漢方薬について副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激によるコルチゾール産生に対する影響をスクリーニングし、生薬ダイオウが活性に関与することを見出した。今回、引き続きコルチゾール産生抑制活性を指標にダイオウの成分探索を行ったところ、活性成分を単離・同定したので報告する。【方法・結果】ダイオウ(日局、5.0 kg)の水抽出エキス(575 g)をDiaion HP-20カラムクロマトグラフィーに付し、順次極性を下げながら溶出させ5個の粗画分に分画した。このうち最も強い活性が認められたエタノール溶出画分について、各種クロマトグラフィーを用いて分離・精製を行い、6種のアントラキノン類を単離した。単離された化合物のACTH刺激によるウシ副腎皮質細胞のコルチゾール産生抑制活性を評価した結果、2種の化合物が強い活性を示した。
著者
永井 聖剛 山田 陽平 仲嶺 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.294-300, 2019 (Released:2019-08-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

Previous studies have shown that the physical movements of participants influence creativity thinking. We examined whether another type of movements (bigger or smaller arm movements) modulates creative idea productions. In Experiment 1 participants were required to generate new names for rice after performing bigger or smaller arm movements. Bigger arm movements were associated with more divergent idea productions (e.g., non-typical ideas) compared to smaller arm movements. In Experiment 2, another task was used to generate as many ideas as possible for creative gifts the participants might give to an acquaintance, and the results showed the possibility that bigger arm movements led to more flexible idea generation than did smaller one. Taken together, the current study suggested the size of movements modulated creative thinking: bigger ones increased divergent creative thinking, possibly because bigger physical movements facilitate the divergent cognitive processing mode.
著者
平田 佐智子 山田 陽平 中川 岳 永井 聖剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.65-68, 2013-11-02

本研究では、従来概念との対応が主に検討されてきた音象徴に対し、動作の強度や速さといった反応出力との対応を検証した。音声または文字を刺激、動作の強度や大きさを反応とした刺激反応適合性課題を行った結果、有声子音と強い/大きい動作、無声子音と弱い/小さい動作の間に適合性が見られた。これらの結果は音象徴と身体動作の接点を示唆する新しい知見といえる。
著者
豊田 弘司 山田 陽平
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 = Bulletin of Nara University of Education. 奈良教育大学 編 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.51-55, 2019-11

偶発記憶に及ぼす欲求階層構造に基づく符号化の効果 【日本語要旨】本研究は, Maslow(1962)による欲求階層構造に対応して偶発記憶成績が規定されるか否かを検討した。30名の参加者は,小冊子によって記銘リストが提示され,各ページに印刷された語(漢字1字)が示す対象に対して,生存欲求処理条件では「生きるために必要ですか?」,親和欲求処理条件では「人と親しくなるために必要ですか?」,快-不快処理条件では「どんな印象ですか?」に対して6段階評定(生存及び親和条件では,とても必要~全く必要でない;快-不快条件では良い感じ~嫌な感じ)で該当する数字を選択していった。このような方向づけ課題を行った後,挿入課題を行い,その後に偶発自由再生テストを実施した。その結果,全体の再生率においては生存欲求処理条件と親和欲求処理条件が快-不快処理条件よりも再生率が高かったが,生存欲求処理と親和欲求処理条件間に差はなかった。また,評定値が5及び6であった語(有効な精緻化がなされた語)の再生率においては,生存欲求処理条件が親和欲求処理条件よりも再生率が高かったが,他の条件間に差はなかった。これらの結果は,Nairneら(2007)が提唱するサバイバル処理(本研究における生存欲求処理)による符号化の有効性を示唆するとともに,Maslow(1962)の欲求階層構造に対応して記憶成績が規定される可能性を示唆した。
著者
大村 智 供田 洋 乙黒 一彦 山田 陽城 宇井 英明 清原 寛章 塩見 和朗 林 正彦
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

我々は天然物由来の新規な構造の抗マラリア剤を発見するために探索研究を行った。4年間の研究期間で、天然物素材等12,832検体を北里研究所のスクリーニングセンターに提供し、in vitroでの抗マラリア活性の評価を行った。その結果、選択毒性の高い抗マラリア活性を有する天然物素材として18種を活性物質取得候補とした。微生物素材からの探索の過程で、放線菌K99-0413株、KP-4050株、K99-5147株、KP-4093株(後に、高生産株OM-0060株を選択)及び糸状菌FKI-0266株の生産する抗マラリア活性物質は各々既知抗生物質のX-206、K-41、polyketomycin、borrelidin及びleucinostatin Aであると同定された。また、抗生物質ライブラリーからは、既に当研究所で発見されたtakaokamycin (hormaomycinと同定)及びoctacyclomycinに抗マラリア活性があることが分かった。さらに、X-206、K-41及びborrelidinはin vivoで既存の抗マラリア剤(artemether, artesunate及びchloroquine)よりも優れた効果を示した。特に、K-41及びborrelidinは新規な骨格の抗マラリア剤としてのリード化合物の可能性があり、今後開発に向けて詳細を検討する必要がある。植物素材からの探索の過程では、ジンチョウゲ科植物根部に含まれる抗マラリア活性物質2種を精製し、既知のbiflavonoid誘導体のsikokianin B及びCあることを同定した。上記の化合物類の抗マラリア活性は新知見である。また、新たにな素材としての海洋生物素材、天然物由来の活性物質誘導体については、現在抗マラリア活性の評価中である。他の選択菌株及び和漢生薬からの抗マラリア活性物質についても現在検討中である。
著者
原 進 鈴木 健太 山田 陽滋
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.17-00208, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
17

Recently, proceeding of the aging society has encouraged research and development of power assist systems. The authors' research group studies on the assist system control using an assist cart as a rollator. The merit of the proposed system is the aging people walk by themselves using the cart as the assisting tool and it helps anti-aging. Most serious problems of the proposed system are the avoidance of fallings and collisions without losing operability. To solve the problem, this paper proposes the remote control system taking operators' safety and operability into account. The remote control has a possibility of the establishment of the cost-effective multiple target control systems by reducing the requirement for each control target system. However, because of the limitation of communication data capabilities, the controller cannot grasp the state of the controlled object completely. To grasp the state and keep the safety, the authors apply an evaluator in the remote control system. It detects the effect of the uncertainty and keeps the controlled object safe. In addition, as an interface for the users to avoid the collisions, this paper applies the stiffness control. Introducing the virtual spring into the control system, the proposed system prevents the controlled object to collide the obstacle, without losing operability. Based on an application example for the one-dimensional assist rollator collision avoidance, this paper reveals the practicality of the proposed system by conducting experiments and the simulations. The result shows the proposed way is one of the effective ways for applying a remote control system to the assist system problem.
著者
永井 聖剛 山田 陽平
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心大会論文
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.27, 2013

創造性には,広範かつ新しい枠組みから物事を捉え新規かつ独創的なアイデアを産み出す「拡散的思考」,制約や状況に基づきアイデアを産出する「収束的思考」の2成分が存在する。創造性を促進する要因として&ldquo;気分状態&rdquo;は主要な研究対象であるが,本研究では,認知情報処理は身体の状態や動作に影響を受けるとする&ldquo;身体性認知(Embodied Cognition)&rdquo;の枠組みに基づき,「腕を大きく回す動きが(小さく回す動きよりも)広範で拡散的な思考を導き,拡散的思考が促進されるか否か」を検討した。「実在しないコメの名前」を考えるという創造性課題を課し,事前に「○○ヒカリ」という典型的回答を5例提示した。実験の結果,腕回し動作の大小は回答総数には影響を与えなかったが,大きく回す群では小さな群よりも典型例に縛られない非典型的なアイデアの回答比率が高く,拡散的思考が促進されることが明らかとなった。