著者
中村 満紀男 二文字 理明 窪田 眞二 鳥山 由子 岡 典子 米田 宏樹 河合 康 石田 祥代
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、インクルーシブ教育の社会的背景と理論的基盤について、アメリカ合衆国・英国・北欧について検討した。インクルーシブ教育(インクルージョン)は、先進風・途上国を間わず、国際機関や各国の中央政府が支持している現代における世界的な教育改革運動であるが、その真の意味は必ずしも正確に把握されていない。同時に、インクルーシブ教育運動が世界的に拡大してきた背景とそれを支えている理論についても、共通的基盤と多元的部分に整理して解明されていない。この複雑さが整理されないまま、インクルーシブ教育が差異ではなく、障害のみに焦点化して捉えられる場合、日本における特別支援教育に例示されるようにインクルーシブ教育のモザイク的理解に陥ることになる。こうして、インクルーシブ教育とは、社会的・経済的・教育的格差、文化的・宗教的差異、エスニシティの相違によって生じる社会からの排除を解消し、社会への完全な参加を促進し、民主制社会を充実・実現するために、通学者が生活する近隣コミュニティに立地する通常の学校において共通の教育課程に基づき、すべての青少年を同年齢集団において教育することである。またインクルーシブ教育は、これらの目的を達成するための方法開発も併せて追求している点にも特徴がある。このように、教育改革運動としてのインクルーシブ教育は、差異やそれに基づく排除を解消するための、政治・経済・宗教・文化等、広範囲に及ぶ社会改革運動であり、画期的な理念を提起していて成果もみられるが、既成の枠組みを打破するまでに至っていない。同時に、理念の普遍化が実現方法の画一化に陥っていて、理念とは裏腹の排除を生んでいる例など、今後の課題も多い。

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こんな研究ありました:民主社会実現手段としてのインクルーシブ教育の社会的背景と理論的基盤に関する研究(中村 満紀男) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/14201026
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