- 著者
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中村 政明
坂本 峰至
蜂谷 紀之
村田 顕也
- 出版者
- 国立水俣病総合研究センター
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2011-04-01
我々は、成人のMeHg曝露による健康影響を調査した。被験者は、日本の伝統的な捕鯨の発祥地の太地町の住民194人。毛髪水銀濃度の幾何平均が14.9μg/gで、鯨肉摂取量と有意に相関したことから、太地町住民が鯨肉摂取によるMeHg高曝露群であることが示唆された。毛髪水銀濃度と神経所見の間に有意な相関はなかった。また、MRSで、感覚野と小脳のNAA/ Cr比が正常だったことから、明らかな神経細胞の減少がないことが示唆された。全血水銀とSe濃度の有意な正の相関がみられ、全血水銀/Seモル比は1以下だった。これらの所見は、充分なSe摂取がMeHg曝露の有害影響がなかった原因の1つである可能性を示唆した。