著者
小谷 允志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.817-825, 2006
被引用文献数
1

日本でも企業の不祥事が多発したため,金融庁は米国のサーベンス・オクスレー法(SOX法:企業改革法)に倣い,証券取引法の改正による日本版SOX法を制定しようとしている。これは企業の内部統制の仕組み強化を狙ったものだが,実質的には企業の業務遂行や内部管理の状況,取締役会の意思決定過程などの文書化を義務付け,会計監査時に公認会計士がチェックする制度である。内部統制がいかに密接に記録管理とかかわっているか,内部統制のための記録管理はどのような要件が求められるかにつき詳述し,併せて筆者が提唱している「内部管理のための記録管理」から「外部への説明責任のための記録管理」,すなわち「記録管理のパラダイムシフト」の代表例として説明する。<br>
著者
榊 剛史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.259-263, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2
著者
ヒリナスキエヴィッチ イアン 新谷 洋子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.629-640, 2014
被引用文献数
3

Nature Publishing Groupは,研究助成金機関のニーズに応えるため,また研究者,図書館員,データリポジトリ管理者,データ規格提唱者などのステークホルダーを対象とした調査の結果を踏まえて,まったく新しいデータジャーナルを開発した。それが2014年5月創刊の『Scientific Data』である。Scientific Dataでは,その特有の論文タイプとしてData Descriptorという新しい形式を採用している。Data Descriptorは,従来の科学論文の要素と機械可読メタデータとを組み合わせ,データの種類を問わない均一な検索,関連出版物とのリンク付け,さらにはデータマイニングが可能になるように考案されている。本稿ではオープンデータの重要性からScientific Dataの創刊に至る背景,Scientific Dataの特長とこれからの可能性について述べる。
著者
福島 真司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.2-11, 2015
被引用文献数
4

エンロールメント・マネジメント(EM)の要諦は,データ分析等の科学的マーケティング手法を用いて,大学マネジメントのPDCAサイクルを永続させることである。マーケティングの現代的な意味は,学生募集や寄付募集だけをさすのではなく,学生の価値を創造し,その価値の最大化を実現し続けるための組織一体となった活動をさす。そこにはインスティテューショナル・リサーチ(IR)が欠かせない。入学前の接触情報から,入試成績,入学時の期待,在学中の成績,教育内容や学生生活の満足度,就職状況,卒業後の大学教育への満足度等を調査分析することなしには,学生を知り抜くことはできない。山形大学EM部では,2010年度より学生データを統合して分析するため「総合的学生情報データ分析システム」の構築を始めた。本稿は,実践事例をもとに,大学マネジメントのPDCAサイクルにIRをいかに実際的に機能させるのかを目的として論じるものである。
著者
岡本 隆明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.181-188, 2016

京都府立総合資料館では,所蔵している東寺百合文書の全点をデジタル化し,Webで公開している。利用を促進するため,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに依拠し,適切なクレジットを表示すれば自由に複製や再配布ができるという利用条件にしたことで,これまで東寺百合文書とはあまりかかわりのなかった分野からも関心を集めた。「『東寺百合文書』や古文書とはどういったもので,これまではどのように利用されていたのか」から始め,それをデジタル化してWebで公開し現在に至るまでの概要を紹介する。
著者
田中 政司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.172-180, 2016

ジャパンナレッジは事典・辞書を中心に日本語コンテンツを検索・閲覧できるデータベースサービスである。サービス開始から15年が経過し,大学や公共図書館を中心に世界約800の機関で利用されるサービスに成長した。本稿では,ビジネス的な側面からみたサービスの取り組みと経緯を紹介しつつ,今後,サービスが目指す方向性について紹介する。
著者
小関 敏彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-171, 2016

科学技術の進展はしばしば新しい材料の登場や材料の進化によって促されるが,材料の開発には多くの時間と費用が必要である。特に長期の信頼性が要求される構造材料は膨大な時間と費用をかけて開発・実装されてきた。科学技術の進展や産業の競争力強化,安心で安全な社会の実現には新たな材料の開発の効率化が鍵である。その実現に向け,これまで蓄えられてきた多くの材料の知やデータと計算科学を組み合わせて材料の組織や特性,性能を予測する「マテリアルズインテグレーションシステム」の構築を内閣府の「SIPプロジェクト」の中で進めている。この動きはわが国だけでなく米国や欧州でも活発である。本稿では材料の組織や特性,性能を記述するデータについて構造材料を例に概説するとともに,それを活用したマテリアルズインテグレーションシステムの構成,そのためのデータベース構築の課題を述べる。
著者
小関 敏彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-171, 2016

科学技術の進展はしばしば新しい材料の登場や材料の進化によって促されるが,材料の開発には多くの時間と費用が必要である。特に長期の信頼性が要求される構造材料は膨大な時間と費用をかけて開発・実装されてきた。科学技術の進展や産業の競争力強化,安心で安全な社会の実現には新たな材料の開発の効率化が鍵である。その実現に向け,これまで蓄えられてきた多くの材料の知やデータと計算科学を組み合わせて材料の組織や特性,性能を予測する「マテリアルズインテグレーションシステム」の構築を内閣府の「SIPプロジェクト」の中で進めている。この動きはわが国だけでなく米国や欧州でも活発である。本稿では材料の組織や特性,性能を記述するデータについて構造材料を例に概説するとともに,それを活用したマテリアルズインテグレーションシステムの構成,そのためのデータベース構築の課題を述べる。
著者
田中 政司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.172-180, 2016

ジャパンナレッジは事典・辞書を中心に日本語コンテンツを検索・閲覧できるデータベースサービスである。サービス開始から15年が経過し,大学や公共図書館を中心に世界約800の機関で利用されるサービスに成長した。本稿では,ビジネス的な側面からみたサービスの取り組みと経緯を紹介しつつ,今後,サービスが目指す方向性について紹介する。
著者
細川 聖二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.156-164, 2016

電子ジャーナルの安定的利用と長期的保存に対応するため,世界中の図書館や出版社がさまざまなアーカイブ・プロジェクトに取り組んでいる。本稿では,グローバルなダーク・アーカイブの代表的な事例として,学術コミュニティー(大学図書館,出版社)による共同運営事業であるCLOCKSSについて,どのような仕組みでアーカイブを実現しているのか,その概要を説明するとともに,日本において国立情報学研究所や大学図書館がCLOCKSSに参加し,電子ジャーナル等の長期的保存の一翼を担うに至った経緯について紹介する。