著者
渡邊 由紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.343-353, 2007
被引用文献数
2

大学図書館が電子リソース・サービスを推進するために必要なことについて,九州大学附属図書館の事例に基づき提案する。コンテンツの整備では,コレクション構築のための財政基盤の確立とそれに伴う図書館の責務を自覚することが重要である。利用環境の整備では,ナレッジベースを構築し,リンクリゾルバ,電子ジャーナル集,OPACといった電子的サービスを相互に連携させることで,電子ジャーナルの視認性を向上することが可能になる。電子リソースの最大限の利用を促進するためには,電子リソース担当体制の強化が必要であり,従来の枠組みを超えた図書館組織の再編・整備を検討すべきである。
著者
井上 徳三
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.25, no.12, pp.1077-1084, 1983

第41回FID (International Federation for Documentation ; FEDERATION INTERNATIONALE DE DOCUMENTATION) 香港大会は, 昭和57年9月12日から9月16日まで世界37か国から, 二百数十人の参加者を得て, 香港理工学院 (Hong Kong Polytechnic) Barry Burton氏を大会委員長に, 全体テーマ"情報技術への挑戦"(The Challenge of Information Technology) を掲げて, 終始活発な討議が行われた。大会では, セッションをA~Hに分けて催されたが, ここでは印象に残ったセッションB:情報技術の今日と, セッションC:情報技術の明日でのレポータ-の発表内容と, 大会開催地香港の2大学 (香港理工学院・香港中文大学) の図書館の横顔を紹介したい。
著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.323-333, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

AMED(日本版NIH)や製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,医薬品・パイプラインが対象とする適応症の観点から,疾病別にみた医薬品の開発状況を分析した。具体的には,国際特許分類(IPC)を用いた分析や,個々の疾病に基づいた分析を行った。
著者
時実 象一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.615-624, 2000 (Released:2001-04-01)
参考文献数
10
被引用文献数
5 1

1999年11月に,欧米主要12出版社が引用文献から電子ジャーナルへの相互リンクシステムを実現することで合意した。これに基づきCrossRefプロジェクトが発足し,2000年6月には米国化学会など主要学会も含め36出版社が参加し,すでに10出版社2,700雑誌へのリンクが可能となった。CrossRefはDOI (Digital Object Identifier) をリンク先のURLに用いている。そのメカニズム,料金,影響,問題点について解説した。
著者
塩崎 亮 菊地 祐子 安藤 大輝
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.651-663, 2014

各国の国立図書館を中心に,複数データベースから集約したメタデータを第三者が利活用可能な形式で公開する「プラットフォーム」化の動きがある。本稿では,先行例である欧州のEuropeanaと,日本の「プラットフォーム」の1つといえる国立国会図書館サーチのメタデータ収録状況について比較考察を行った。結果,国立国会図書館サーチは,国際的にみても大規模なデジタル文化資源へのアクセス機会を提供しているが,メタデータ形式や連携方式の標準化は進んでいないことが明らかとなった。今後は,データのライセンスを整備のうえ,参加機関との持続的な関係を構築していくことが課題となる。
著者
塩崎 亮 菊地 祐子 安藤 大輝
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.651-663, 2014

各国の国立図書館を中心に,複数データベースから集約したメタデータを第三者が利活用可能な形式で公開する「プラットフォーム」化の動きがある。本稿では,先行例である欧州のEuropeanaと,日本の「プラットフォーム」の1つといえる国立国会図書館サーチのメタデータ収録状況について比較考察を行った。結果,国立国会図書館サーチは,国際的にみても大規模なデジタル文化資源へのアクセス機会を提供しているが,メタデータ形式や連携方式の標準化は進んでいないことが明らかとなった。今後は,データのライセンスを整備のうえ,参加機関との持続的な関係を構築していくことが課題となる。
著者
村田 健史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.552-561, 2012

筆者らのグループでは,科学研究専用のクラウドシステムとしてNICTサイエンスクラウドを構築してきた。サイエンスクラウドは,高速ネットワークバックボーンであるJGN-X上に分散型のクラウドシステムとして構築されている大規模分散ストレージ,並列分散処理環境,スパコン,大規模可視化環境等のリソースを利用するデータ指向型科学研究の基盤として設計され,宇宙・地球科学分野を中心とするさまざまな科学研究分野での成果を挙げている。本稿では,サイエンスクラウドにより初めて達成された研究成果のうち,特に大規模データ処理および高速データ通信に関連する成果事例を紹介する。さらに,それらの成果を挙げるために用いられているクラウド技術について説明する。
著者
日下 九八
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.2-12, 2012
被引用文献数
4

ウィキペディアは,誰でも編集できる,フリーなオンライン多言語百科事典である。多くの人に利用されているが,信頼性についての疑問が示されてきた。本稿では,まず,その信頼性について,先行する調査を概観していく。百科事典の性質や,ウィキペディアの記事内容に関する「検証可能性」「独自研究は載せない」「中立的な観点」という重要な方針が促す改善と常に発展過程にあるという性質による限界を論じる。また,あらゆる人に知識を提供するオンライン百科事典の果たす社会的な役割についても検討する。誰もが専門的な知識を理解しなければならない知識基盤社会/高度情報化社会において,検証可能な信頼できる情報源を示したオンライン百科事典は,すべての人を専門的な知識へと導くことを可能にする。

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.606-606, 2014-11-01 (Released:2014-11-01)