著者
松澤 孝明 徳永 朋祥
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.156-165, 2013
被引用文献数
13

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。筆者は,データの捏造,改ざんおよび盗用を含む科学における不正行為について公開情報を収集し,必要に応じて,不正行為の発覚から,調査,確定までのプロセスを整理することにより,わが国の研究不正の特徴について考察を行った。
著者
平原 伸昭
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.764-767, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)

インターネットの利便性をこれまでになく享受し,ネット上に拡散する情報の力が革新的な発想を後押しすることも多い21世紀初頭は,同時に情報漏えいや権利侵害,依存といった弊害や危うさを露呈し始めた時代でもある。不可視だが確実に存在する脅威,ネットにつながっているゆえの不自由さをも見極める必要がある。現代の環境を冷静に認識し,今起きていることに対してどうふるまうべきか。現代思想・法曹・警察行政・迎撃技術・情報工学・サイバーインテリジェンス等のスペシャリストが,6回に分けて考える。第4回はトレンドマイクロ・平原伸昭氏が,コンピューターウイルスの特徴の変遷,セキュリティーソフトの歴史をふりかえり,大量のサンプル情報を利用した正・不正の検出など迎撃技術開発の最新事情までを解説する。
著者
荒川 紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.32-39, 2007
被引用文献数
2

COUNTERは,電子ジャーナルやデータベースなどを購読している図書館等に対して,各ベンダーがその機関からの利用量を報告する際に準拠することが推奨されている国際的な基準である。JSTの電子ジャーナルサイトJ-STAGEでは,購読機関向けの利用統計提供サービスを始め,2006年末に日本発のサービスで初めてCOUNTERに準拠した。J-STAGEは出版者に代わって第三者の立場で統計を配信するという立場にあり,また,無償公開の雑誌も多いため,いかに購読機関を扱うかが最大の課題であった。本記事では,J-STAGEに利用統計提供サービスを導入するまでの経緯とその利用方法を紹介する。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.222-235, 2013
被引用文献数
6

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。データの捏造,改ざんおよび盗用を含む研究不正についての公開情報を収集し,主として研究不正が発生した機関の特徴や研究不正の責任が問われた研究者の役職や年齢構成,研究不正の動機などに着目した分析を行い,わが国の研究不正の特徴,および研究不正低減のための取り組みについて考察を行った。
著者
岡本 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.808-818, 2012

東日本大震災で被災した博物館・美術館,図書館,文書館,公民館への支援活動を行うsaveMLAKの活動を,図書館に特化して紹介する。saveMLAKはWikipedia等で用いられている共同編集ソフトMediaWikiを用いた被災・救援情報のまとめサイトであり,情報の集約と共有による情報支援・間接支援・中間支援である。また,集約・共有した情報に基づき,宮城県図書館と共同して実施している被災地の図書館支援の事例を紹介する。これまでの活動の経緯と課題を示すとともに,saveMLAK以外の図書館支援活動に対する建設的な批判や提言をあわせて展開する。その上で来るべき大災害に対応するために,平常時から非常時への備えを行う恒久的な機関・機能を常設することを提案する。
著者
石戸 奈々子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.616-623, 2016-12-01 (Released:2016-12-01)
参考文献数
5

2002年に設立したNPO法人CANVASは,デジタル時代の子どもたちに,ワークショップなどの創る場,表現する場を提供し続け,これまでに約35万人の子どもたちが活動に参加している。「主体的で協働的で創造的な学びの場」を普及させるため,国内外の科学館や教育工学系の研究者,アーティストや自治体,企業らが集うプラットフォームとして活動を続けている。また,活動の一環としてCANVAS設立時から,プログラミング学習にも取り組んできた。現在,1,000年に一度の変革ともいえるデジタル革命を迎え,現代の子どもたちは,「今までにない仕事」を自らつくり出してゆく能力が求められている。CANVASは,プログラミング学習を通じ,論理的に考え,問題を解決する力,他者と協同し新しい価値を創造する力を養ってほしいと願っている。
著者
田嶋 一夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.554-567, 1983

日本語によるデータの世界が, ほぼ無限の文字から形成されることから, 可動性のある文字セット (オープンキャラクタセット) が必要になることを論証した。またこの問題点として, 漢字における異体字の問題があることを明らかにし, これがコード化法では解決不可能であることを分析した。その上で国家的規模における文字セットコントロールシステムの必要性を提案した。また異体字取り扱い法の一つとして"漢字シソーラス"の必要性を述べた。さらに, 文字セットコントロールシステムの実現方法について考察した。
著者
亀岡 孝治 幹 渉
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.544-551, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
6

三重大学は,実践的な水産学教育・研究を通して,水産分野の6次産業化を地域に創出することが求められている。そこで三重大学では「マリンフードイノベーション創発ユニット構築プロジェクト」をスタートさせ,「拡張現実対応遠隔教育支援システム」と食の安全・安心に基づく「水産製造加工現場実習支援システム」の整備を行った。地域の活性化を図る目的を有する本事業の情報関連分野に着目して現状と方向性についてまとめる。