著者
西沢 爽
出版者
國學院大學
巻号頁・発行日
1989

博士論文
著者
神事 努
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

セイバーメトリクス(野球選手評価数理理論)と呼ばれる統計量によって、野球の投手の能力を評価することが一般的になりつつある。野球規則の1.05にもあるように、野球の試合の目的は相手より多くの得点を上げて勝つことである。このことから、攻撃はどうやって得点を奪い、守備は失点を防ぐのかという観点がセイバーメトリクスの原点になっている。投手に関して言えば、3アウトを生み出すまでにできるだけ得点を与えないほうが良い。よって、ほぼ100%アウトになる奪三振が多い投手は評価が高くなる。また、フライよりもゴロを打たせたほうがアウトになりやすく、長打になりにくいことがわかってきている。これら統計量は、投手の能力を総合的に評価できる一方で、投球されたボールやフォームに関する力学量とどのように関連しているのか明らかになっていない。そこで、セイバーメトリクスで扱う統計量が、投球されたボールの速度や回転、フォームなどのバイオメカニクス的変量とどのような関係があるのかを検証することを本研究の目的とした。本研究では、試合中のボールの初速度、回転速度、リリース位置、投球軌跡等を自動で計測できるシステム(TrackMan Baseball、以下Trackman)によって取得されたデータと、セイバーメトリクスとの関連性を検証している。しかしながら、このシステムで取得できるデータには、いくつかの項目において系統誤差が含まれていることが明らかになった。また、球種のタグ付けに関しては、人が判定しており、球種判定の妥当性が低いことが明らかになった。系統誤差の補正や、球種判定の自動化のようなデータのクレンジング作業をこれまで行ってきた。また、これら作業に影響を受けない部分のデータを用いて、打球の傾向(打球飛距離、打球速度、打球角度)と投球されたボールの到達地点の関連性を調べ、日本野球科学研究会にて発表を行った。
著者
久野 マリ子
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

共通語は東京方言を基盤とし、東京方言は関東方言を基盤としている。これまで首都圏の関東方言は共通語に近いとされ詳細な資料報告が少なかった。高年層が健在なうちに首都圏方言の基盤となった関東方言の記述と保存を行う。また、首都圏方言が公の場で用いられる共通語に対して、日常の生活語として使われる首都圏方言が、日本各地において特に若年層で、くつろいだ場で用いられる内々の共通語として受け入れられつつあることを明らかにする。方言の事象というより、「ゼーイン(全員)」のような第2拍目の撥音の音声変化が日本語音韻全体に浸透しつつある実態を明らかにしようとする。
著者
久野 マリ子
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成元年(1989)から平成4年(1992)にかけて調査された東京都下のデータが収集されたままになっていた。これらをもとに、『新東京都言語地図』を作成し、発表した。東京方言の伝統的特徴を示す162項目、高年層と青年層の分布図である。首都圏方言の古層を明らかにするには、伝統的な東京方言の実態を明らかにする必要がある。この資料は明治35年~昭和3年生まれの生え抜きの高年層の話者と、昭和42年から昭和45年生まれの青年層の話者について、対面聞き取り調査した資料である。両親もしくは少なくとも一方の親がその土地の出身で、言語形成期をその地で過ごした男性の話者に限定した話者から得られた資料は、平成の世の東京都方言の実態を反映している。調査音声資料が残されている。とりわけ、高年層の話者のデータは貴重で、現在では、すでに明治生まれの話者に話を聞くことは不可能である。当時の東京都下の方言を記録した音声資料を公表することは、東京方言の実態、首都圏方言の研究に大きな価値を持つと言えよう。音韻の項目については、伝統的な音声特徴の年代による差を明らかにした。例えば、ヒとシの混同や、直音化は青年層では消えかけている。連母音の融合では、体言よりも用言の方が融合しやすい。形容詞では場面により青年層で融合形が増加することが指摘された。例えば、「大根」は連母音が融合したデーコンと発音する話者は青年層ではほとんどみられなかった。一方、「痛い」では、とっさの場合に発音するとき、イテーと発音する話者は青年層の方が高年層よりも多く観察された。ただ「痛い」の場合は、イテーと答えた話者は高年層の方が多く、青年層では減っていた。このことから、場面差による連母音の流合が青年層では若者ことばとして広まりつつことあることが予測できる。引き続き、足柄上郡出身の明治20年代生まれの話者によるライフヒストリーの文字化作業も行っている。
著者
根岸 謙之助
出版者
國學院大學
巻号頁・発行日
1992

博士論文