著者
森本 英之
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.58-69, 2003-03

日本で作成された書誌レコード群の一つである図書館流通センターがRLINに登録してきたTRCレコードの特徴について、それらの日本語図書に対するLCの目録慣行との互換性という観点から考察する。まず日本で作成されたソースレコードのRLINとWorldCatへの登録に関する背景と関連した先行報告を述べ、続いてTRCレコードを北米で加工する為の編集要件として、クラスター形成、基礎書誌単位、主記入、漢字の字体、分かち書き、大文字、ローマ字と原綴り組フィールド、物理的詳細、標目形、分類番号、固定長記号に関して概観する。
著者
庄 ゆかり 長登 康 稲垣 知宏 隅谷 孝洋
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.92, pp.27-35, 2011-08

広島大学図書館は. 1年次前期授業「情報活用基礎」において1回60分で文献情報の探索と利用に関する情報リテラシー教育プログラムを提供している。このたび,この授業について,アンケートとe-learning教材を利用した事前テスト・事後テストにより,学生の能力調査と授業評価を行った。コンピュータ利用経験と文献情報利用に関する情報リテラシー能力には大きな関連性は見られなかった。また,4-7月の期間における通常の授業の影響は明らかではなかったが,このプログラムには効果があることが確認できた。知識を実際の学習行動に結びつけることが今後の課題である。Hiroshima University Library offers an information literacy program to freshmen in their first semester which is a one-shot sixty minute session on how to search for and use bibliographic information. Student knowledge and sessions are evaluated through the use of questionnaires about their experiences using computers and pre-and post-tests using e-learning resources. While neither a strong correlation between computer use and information literacy knowledge nor direct effects of their learning in other subjects during the period of April to July was found in relation to use of bibliographic information, the researchers were able to confirm that the program was effective. How to link the knowledge learned in this program and reallearning behavior is a topic that needs to be studied further.
著者
富田 健市
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.20-26, 2001-08

国立情報学研究所はその全身である学術情報センター当時に、北京日本学研究センター及び国際交流基金からの要請を受け、北京日本学研究センター図書資料館の情報化支援を中心する学術情報交流プロジェクトを開始した。本プロジェクトは、1998年度から3年計画で実施され、2001年3月までにほご所期の目標を達成して終了した。この3年にわたるプロジェクトの概要を日中の図書館員の交流を中心として報告する。
著者
岡部 幸祐 金成 真由子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.85, pp.1-11, 2009-03

筑波大学附属図書館では,利用案内ビデオを改訂するにあたり,図書館利用促進ツールとして,図書館そのものに興味を抱かせるプロモーションビデオを制作した。学生志向に視点を転換し,必要な情報を提供するとともに新しい図書館利用を提案する内容とした。また,公開はWebで行い,利用案内情報とのリンクやプロモートを意図したコンテンツも合わせて掲載することで,図書館リテラシーの向上を期待し,学生との関係性構築及びコミュニケーション促進の可能性も考慮した。その企画,制作,公開の実際を報告する。
著者
篠塚 富士男
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-11, 1990-07

abstractなし
著者
江上 敏哲
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.60-71, 2006-08

2005年12月,イタリアのナポリ・ローマ・ヴェネツイアの日本資料図書館を訪問し,各館における実態,特に,活動・運営,蔵書,日本資料・日本情報の提供・入手,目録等について調査した。イタリアにおける日本語学習者は増加傾向にあるが,蔵書の多い図書館は少なく,ほとんどの図書館で東アジア・東洋等と同組織である。日本語を理解する司書も少ない。日本からの図書館サービス・情報発信の改善として,書誌・目録データベースにおけるローマ字併記の整備,ILL受付体制の整備と説明の強化等が考えられる。In December 2005, the author visited Italian Japanese resource libraries in Napoli, Rome, and Venice, and surveyed their collections, operations, and activities and how they select, acquire and catalog Japanese language materials. While the number of Japanese language learners appears to be on the increase in Italy. There are very few libraries with large Japanese collections. Most libraries are operated as a combined East Asian or Oriental collections and there are very few staff who can understand Japanese. The author offers a number of examples of how improved services from Japan, such as including Romanization in cataloging records or providing more information about getting interlibrary loan, can help Italian Japanese resource libraries to serve their clientele better.
著者
長谷川 順子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.58-68, 2003

<p>国立大学図書館協議会の海外派遣事業で,スウェーデンの図書館を訪問した。スウェーデンは高度福祉社会であり,生涯学習の盛んな国である。また,インターネットの普及率も世界のトップクラスである。スウェーデンの大学図書館において中心的役割をもつ王立図書館の一組織であるBIBSAMをはじめ,いくつかの図書館を訪問し,情報の流通と図書館サービスについて調査した。その結果,図書館は市民に支持を受けた社会的,文化的公共機関であることを確認した。発達したIT社会において図書館は学術情報,生涯学習を支える情報基盤としての役割を果たしている。</p>
著者
外崎 みゆき
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.24-34, 2010

<p>私立大学では機関リポジトリに登録できる学術コンテンツの量は左程多くない。一方で私立大学には創設時の資料や独自のコレクション,教材などがあるが,これらの電子資料を学術資料と区別して別のデータベースに収録するのは非効率である。経済効果を高めるため,公開・非公開に加えて,学内のみの公開・学部学科限定公開など,より多くの電子資料を収録可能な環境が望ましい。未公開資料を含めて,登録が可能な資料を増やすためには環境の整備が不可欠である。登録管理が可能なデータ範囲を広げることで,より多くのコンテンツ登録が可能となり,基盤を広げることが公開可能なコンテンツの増加につながる。今回,「大容量コンテンツへの対応」「所属情報による閲覧の制限」「多様なコンテンツへの対応」という3つの機能を強化し,システムの開発,環境設定の見直しなどを行った。</p>
著者
藤倉 恵一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.21-31, 2006

<p>文教大学越谷図書館は1981年10月の新図書館開館を機に,学外者に図書館を開放している。当時は画期的・先進的なことであったが,20年以上が経過して大学図書館の学外開放が一般的になったいま,あらためてサービス展開の経緯と現状,意義と課題についてまとめる。また,同図書館内で運営されている小学校中学年以下の子どもを対象にした児童文庫「あいのみ文庫」も開設以来盛況を保っているが,これについてもあわせて紹介する。</p>
著者
安江 明夫
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.32-38, 2012

<p>国際図書館連盟の『図書館の災害対策』(1995年)及び『災害に対する備えと計画-簡略マニュアル』(2006年)により,図書館に蔵書防災計画が必須であることの理解が世界的に広まってきている。しかし日本の図書館界ではこの理解が希薄で,蔵書防災計画を整備している図書館は殆どない。これでは図書館がその基盤とする蔵書を災害から保護することは困難である。本稿は蔵書防災計画の成立経緯を紹介した後,国際図書館連盟の防災計画を概説し,日本の大学図書館における早急の取組みを促す。</p>
著者
関 秀行
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.11-18, 2013

<p>慶應義塾大学メディアセンターでは海外の図書館・図書館活動との連携を重視した図書館運営を行っている。目録フォーマットと図書館システムの国際標準化を基盤に,Googleブックス図書館プロジェクト,OCLC Research Library Partnershipなどの国際的な活動に参加しており,職員の海外図書館研修にも力を入れている。本稿では,それぞれの活動を概観として報告し,「国際化」を支える背景について述べる。</p>
著者
高橋 輝
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.59-68, 2007-12

文部科学省より予算措置され,修復された,琉球大学所蔵のベッテルハイムの手稿日記・手稿公文書簡集を題材に,この史料の意義および修復内容を報告する。また,この史料を機関リポジトリにより公開する際に考えられる,アイテムのとらえ方のいくつかの形態について,その検討の過程を述べる。This paper reports on the significance and methods of restoration of the manuscript journals and letters in the Bettelheim collection held by University of the Ryukyus, undertaken with funding from the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. The author also considers various methods for releasing these rare materials within the institutional repository.