著者
米田 奈穂 武内 八重子 加藤 晃一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.74-81, 2006-03
被引用文献数
2

近年国立大学図書館全体としては文献複写依頼件数の減少が見られるが,千葉大学附属図書館亥鼻分館では文献複写依頼件数が減少していない。このような相違の生じる要因を明らかにするために亥鼻分館における2002 年度から2004 年度のILL文献複写依頼データを詳細に分析したところ,看護文献の依頼増加という傾向が明らかになった。亥鼻分館における受付タイトル分析及びNACSIS-ILLでの全国的な依頼タイトル分析でも同様の傾向が見られたことから,その要因について看護分野の文献需要と提供という観点から考察した。
著者
加藤 好郎
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.24-28, 2001-02

ここ数年来、次年度の事業計画を作成する際、いつも悩まされるのが、「変わらなければならないもの」と「変わってはならないもの」とを常に対比しながら事業計画を考えることにある。つまり、慶応義塾図書館の伝統あるサービスの継承とインターネット環境下の新しいサービス展開を考えることであるが、予算が潤沢な時期であれば、悩むこともないわけだが、予算縮小期における事業展開については予算枠内での組み替え運用が必要となる。一方、新しい事業展開や研究支援をするうえでの必要な能力を持った図書館員の確保も必要になってきている。図書館員の養成・育成は、事業の実施・拡大において急務であり、そのためにしっかりした研究計画を立て、確実に養成・育成を実現していかなければならない。今回、慶応義塾図書館で行っている研修を紹介することで、今後の図書館界全体における研修が充実することを期待する。
著者
気谷 陽子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.33-41, 2002-12

大学院の量的整備によって倍増した博士課程大学院生が,大学と補完にどんなサービスを求めているのかを把握するため,1999年度に筑波大学に提出された課程博士論文の引用文献を用いて文献利用調査を行った。調査結果の定量的な分析に基づいて,筑波大学附属図書館の博士課程大学院生に対するサービスにおいては,図書のリクエスト制度,相互利用サービス,学術情報についての教育サービス,レファレンスサービスを拡充することが必要であるとかんがえられることを指摘する。
著者
兎内 勇津流
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.1-14, 2005-03

NII の総合目録においては,著者名典拠レコードの新規登録件数が低下傾向にあり,書誌レコード中の著者標目フィールドと著者名典拠とのリンク形成率もまた低下傾向にある。その一方,著者名典拠レコードの「歩留まり」には向上が見られるが,これには新規レコード作成に与かる館の減少が関係している可能性がある。NII の総合目録システムにおいては,参加館が多く登録書誌レコードが増えるほど目録負担が軽減され,それがさらに拡大を生むという循環の一方で,参加館の中に目録作成能力が十分でない館が増え,「歩留まり」の低下により,維持コストを引き上げる等の負の循環が生じるおそれがあり,それを踏まえた運営体制が要請される。
著者
大野 友和 久保木 和義 平田 さくら
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.13-19, 2001-08

明治大学図書館は、国際協力事業の一環として、韓国にある私立大学の一研究所の図書館づくりを支援した。翰林(ハンリン)大学校日本学研究所(池明観所長)日本語図書約3万冊を、わが国の国立情報学研究所目録所在情報サービス(NACSIS−CAT)を利用して整理するためのシステム構築、目録作成指導、図書館づくり指導等について、支援活動を行ってきた。本稿では、それら指導・支援に対する図書館としての考え方、システム化過程、図書館整理システムの概要、図書の整理方針の策定と整理方法及びNACSIS−CAT入力の為の要員要請過程などについて報告する。
著者
鹿島 みづき
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-10, 2004-08

メタデータはインターネットとその周辺技術の進化と共に、益々図書館にとって意味深い存在となった。メタデータを応用した技術は次世代目録や図書館ポータルの構築になくてはならないものだからである。そして、メタデータにおいても質の高い主題アクセス重要性が"ベイツレポート"など世界の動向からうかがい知ることができる。本稿は国立情報学研究所(NII)メタデータ・データベース共同構築事業でメターデータのメリットを確認することで、世界標準であることの有用性がもたらすLCSHの可能性を考察する。