著者
岡 憲司
出版者
大阪府環境農林水産総合研究所
巻号頁・発行日
no.2, pp.15-19, 2009 (Released:2013-10-08)

ガス状亜硝酸の屋内濃度および灯油ストーブを暖房使用している室内での濃度を調査した。1)羽曳野市(住居地域)での屋内濃度は平均1.8ppb(0.9~3.3ppb),大阪市(準工業地域)では平均3.7ppb(1.0~5.6ppb)であった。いずれも多くの人々が一日のほとんどを過ごしている屋内濃度は屋外濃度より高濃度であり,HONO/NO2濃度比も屋内の方が大きかった。屋内では壁や家具等によって,NOやNO2と水との不均一相反応の反応場となる広い表面が提供されており,ガス状亜硝酸生成反応が促進されたためと推定される。2)灯油ストーブ使用室内では最高52ppbと,曝露試験において健康影響が報告されている濃度の約1/10に相当する高濃度が測定され,HONO/NO2濃度比も環境より約10倍高かった事から,ストーブから大量のガス状亜硝酸が発生したものと推定された。また,使用したフアンヒーターと芯式反射型ストーブの差も大きかった。
著者
平松 和也
出版者
大阪府環境農林水産総合研究所
雑誌
大阪府環境農林水産総合研究所研究報告 (ISSN:18827659)
巻号頁・発行日
no.3, pp.7-10, 2010-03

キイロサナエAsiagomphus pryeriはサナエトンボ科アジアサナエ属に属する日本固有種で,本州西部・四国・九州・種子島に分布し,主に平地や低山地の流れに生息する。近畿地方では生息地が限られており,大阪府では準絶滅危惧種に指定されている。府内では豊能・三島・北河内・中河内・南河内・泉北で生息が確認されているが,近年の情報は少ない。筆者は府内北部の安威川において,本種の生息を確認したが,その生息地点において護岸工事を実施するとの情報を大阪府安威川ダム建設事務所より得た。そこで,本種の生息環境を調査し,幼虫の好む環境を把握するとともに,工事による影響を考察した。
著者
豊原 憲子 山本 聡 長谷 範子 土居 悟 岡田 正幸
出版者
大阪府環境農林水産総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

難治性小児気管支喘息による入院児童に対し、種まき-栽培-収穫-摂食の行程を中心とした園芸プログラムを実施した結果、活動による呼吸機能の低下は認められず、栽培体験と児童個人への管理責任の設定と栽培した植物を自宅家族に持ち帰ることが植物へのこだわりを高めて自主的行動を誘導した。このプログラムにより一症例で顕著なストレス軽減が認められ、病棟内での行動の改善と退院につながるなど、プログラムによる精神的安定と退院の時期に関連性があった。プログラムを提供する庭園内での児童の行動解析から、下草が繁茂して見通しの悪い植生が行動の制限要因となった。