著者
西村 康 和田 晴吾 斎藤 正徳 中条 利一郎 鈴木 努 道家 達將 稲田 孝司
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

重点領域研究『遺跡探査』では、地下に埋没している遺跡・遺構のみならず、地上に遺存する文化財も含めて、それらが包含する歴史情報をもれなく収集するための、格段に進歩した遺跡探査専用の装置と方法を開発することを目的とした。目的を達成するためには、理工学の研究者と考古学を中心とする人文学研究者とが緊密な連携のもとに、共同研究をすることが必須である。そこで、総括班では装置の設計段階、遺跡の実際での実験的測定、応用測定において、両分野の研究者が検討あるいは共同作業をするための環境設定を優先事項として考え、研究会議などの機会を数多く設定してきた。研究では、1)地中レーダー探査、2)電気探査、3)磁気探査、4)超音波探査においてぞぞれ装置と方法を開発、5)化学・光学探査では熱履歴を特定する手法を考案した。一方、遺跡の実際における探査では、1)被熱の遺構を特定する手法として、磁気探査、帯磁率測定、磁化率測定を組み合わせる方法を開発、2)石造構造物を対象とする場合には、地中レーダー探査、電気探査、VLF探査の方法を用いれば、遺構が推定可能なことを実証、3)土層判別探査(含:金属有機物探査)では、パルス(チャープ)レーダー探査、FM-CWレーダー探査、電気探査と電磁誘導探査の方法を応用すれば、有効な成果が得られることを実証した。なお、総括班では研究の進行に伴う成果の公表を逐次発表するために、公開シンポジウムを開催、ニュースレターを刊行してきた。また、研究成果を世界にアピールすること、正当な評価を得ることを目的に、平成9年9月には伊勢市において『第2回国際遺跡探査学会』を開催したところである。
著者
浅川 滋男 あさかわ しげお Asakawa Shigeo
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
no.1998, pp.18-19, 1998-09-30

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著者
光谷 拓実
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

9年度、10年度と2年度にわたって採取した標本17本分は、心材部に続く辺材部(白太ともいう)がすべて失われており、その正確な枯死年代を求めることのできない形状のものばかりであった。年輪年代の結果は500年前後と1000年前後を示すグループに分かれた。そこで、失われたであろう辺材部の年輪数を推算してみると、500年前後を示すグループは600年を境に前後した枯死年代が、もう一方の1000年前後示すグループは1100年を境に前後した枯死年代が考えられる。ここで、過去に発生した大地震の古記録を見てみると、西暦599年と1096年に大地震が発生している。あくまでも推定ではあるが、調査した湖底木はこの2度の地震で急斜面に生育していた巨木が地滑りとともに、芦ノ湖の湖底に移動し、逆さスギが誕生したものと思われる。2年度にわたる調査結果を見ると、まず第1に湖底木の年輪年代から見て、この地域を襲った巨大地震は約500年の周期が考えられる、第2は、C^<14>年代法で推定していた年代(西暦350年頃、西暦900年ごろ)がいずれも約200年ほど新しくなることが明らかになり、C^<14>年代法の信頼度をクロスチェックできたことになる。本研究で得られた結果は、今後の箱根地域での地震予知を考える上で、貴重な年代情報を提供できたことになろう。現在、芦ノ湖を誕生させた神山の泥流中に埋没していたヒノキ材の年輪解析を進めている。これらの年輪年代が確定すれば、芦ノ湖の誕生した年が判明するであろう。
著者
佐川 正敏 さがわ まさとし Sagawa Masatoshi
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
no.1991, pp.42-43, 1992-03-31

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著者
小林 謙一 こばやし けんいち Kobayashi Kenichi 佐川 正敏 さがわ まさとし Sagawa Masatoshi
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
no.1989, pp.51, 1990-03-13

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著者
村上 訒一
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
vol.1968, pp.13-16, 1968-12-18