著者
齋藤 征人
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.31-44, 2010-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,社会福祉士国家資格取得後の現任経験がおおむね3年以上の,社会福祉士の「実践知」形成プロセスの全体構造を明らかにすることを目的に,幅広い職域で実践の渦中にある11名の社会福祉士にインタビュー調査を実施し,これをM-GTA法を用いて質的に分析した.その結果,実践知形成のために,実践を可視化することと,それを促進するための環境づくりの重要性が確認された.また,社会福祉士の養成機関において,人との関わりや視野の広がり,社会福祉的なものの見方・考え方を獲得する機会を保障する必要性が改めて示唆された.
著者
坂田 美和 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.43-50, 2013-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
5

栄養学は生理学および生化学を基礎にした学問である。生体内の物質代謝については、近年の生命科学の発展により、かなり新しい知見が加えられている。 栄養学における西欧語からの多くは、日本語に訳されることなく、そのままの形で用いられている。用いられている借用語を正確に把握するためには、言語の意味を理解しておく必要があると考えられたので、その語源を調べてみた。 借用語の多くは英語から取り入れられているが、その語源はラテン語及びギリシャ語であり、更に遡るとサンスクリット語に由来するものである。
著者
坂田 美和 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.33-41, 2013

栄養学は生理学および生化学を基礎にした学問である。生体内の物質代謝につては、近年の生命科学の発展により日々新たな知見が加えられている。栄養学における借用語の多くは、日本語に訳されることなく、そのままの形で用いられている。用いられる借用語を正確に把握するためには、語源の意味を理解しておく必要があると考え、語源を検索してみた。 英語語彙の多くはラテン語及びギリシャ語が語源であり、古くはサンスクリット語に由来している。今回はラテン語及びギリシャ語まで語源を遡ってみた。 学術用語の中には英語以外の語より借用されたものもあるので、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語の相当語や関連語を挙げている。
著者
吉田 優子 植田 志摩子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.7-10, 1992-03-25 (Released:2017-06-15)
参考文献数
9

市販の新鮮なホウレンソウを、4種類の溶液(蒸留水、1%食塩水、0.3%重曹水、1%酢酸溶液)で加熱時間を変えて茄で、クロロフィルからフェオフィチンヘの変化について検討した。1. 0.3%重曹水(pH8.4)で茹でたホウレンソウのフェオフィチンヘの変化率は、5分加熱でO%、10分加熱で26%と低い値てあり鮮緑色を保っていた。2. 1%酢酸溶液(pH5.6)では、5分加熱で98%、10分加熱で100%と大半のクロロフィルがフェ才フィチンに変化していた。3. 1%食塩水(pH5.6)では、5分加熱および10分加熱ともに蒸留水よりも低い値であった。4.いずれの溶液でも、10分加熱よりも5分加熱のほうが低い値を示し、加熱時間が長くなるほど、クロロフィルがフェオフィチンに変化してした。
著者
佐藤 英晶
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学地域連携推進センター紀要 (ISSN:21889791)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.9-19, 2019-09-30 (Released:2019-12-12)
参考文献数
13

近年,成年後見制度の利用を希望する人々の増加により申立て件数が過去最高を記録している。そうした中で,親族後見による不正状況も増し,第三者後見の選任は増加してきている。そのため第三者後見を担う成年後見人等が不足してきている実態がある。特に中山間地域の郡部・過疎地において,第三者後見を担える専門職の量的確保が課題となっている。そこで国や最高裁判所は親族後見の支援に乗り出し,成年後見人等の選任の親族後見への回帰を試みている。しかし,少子高齢化や過疎化により親族後見が期待できない利用者も多く,中山間地域では親族後見に頼らない成年後見人等の選任を検討せざるを得ない。そのため,中山間地域の第三者後見の在り方を検討した結果,専門職後見を担う人材の不足する中山間地域では,法人として行う法人後見が有効であると結論付けられた。また,法人後見には様々な運営主体があり,中山間地域にあった法人後見の推進が求められるため,法人後見の運営主体やその特徴から類型化したうえで,中山間地域に適した法人後見の在り方を検討した。そこから明らかになったことは,町村社会福祉協議会による法人後見が公益性や継続性で他の法人後見に比して優位であると結論付けられた。しかし,一方で町村社会福祉協議会は現状では小規模であったり,財源的に体制を整備したり,十分な人員の配置が困難となっている。そこで,町村が中核機関や後見実施機関の設置を町村社会福祉協議会が担うことで財源や人員配置の問題を緩和でき,地域の成年後見人等の確保につながると結論付けられた。
著者
山元 亜希子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.29-42, 2005-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
9

カルシウムはイライラをおさえる、イライラしているときはカルシウムが足りない、というフレーズは、昔から言われていた。しかし、筆者の知る限り、栄養に関する教科書には載っていない。そこで、抗不安作用に関する文献調査を行った結果を報告する。さらに、今回、管理栄養士・栄養士を対象として、彼女らが教科書どおりの病態に関する栄養指導に利用している栄養情報の情報源と食事因子・栄養素の抗不安作用という教科書には記載が無い栄養情報についての情報源について知ることを目的として横断的研究を実施した。その結果、教科書どおりの病態に関する栄養指導に利用している栄養情報の情報源(教科書・成分表、パンフレット・リーフレット、勉強会・講習会・研究会・学会など)と教科書にはほとんど記載されてはいない食事因子・栄養素の抗不安作用についての情報源(テレビ・ラジオ、新聞・ミニコミ誌など)とは異なることが示された。栄養情報が溢れかえっている今日、管理栄養士による栄養の指導がより効果的であるためには、医療において展開されてきているEBM(evidence-based medicine)の方法論を栄養指導(栄養教育)に応用することの必要性が示唆された。
著者
阿部 好恵
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.99-116, 2013-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
10

本研究は,精神障害者が福祉的就労において主体性を獲得した過程とその要因を仮説的に明確化することを目的とした.就労支援サービスを利用する精神障害者10名を対象にインタビューを行い,M-GTAを用いて分析した.その結果,職員からの【「頼られ」体験】と【「等身大の自分」の確立】が精神障害者の主体性獲得に不可欠な要素であることがわかった.
著者
石井 洋
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-6, 2014-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
16

牛の乳成分組成は泌乳期の進行にともなって変動し,特に初乳期には顕著に変化する.本研究では,近年のホルスタイン種高泌乳牛の分娩後7日間の初乳乳量,乳成分組成を経時的に調査した.近年、1乳期の生産乳量は経産牛平均で9000kg前後までに達し,これを1930年頃と比較すると2〜3倍の増加である。しかし、初乳の主要乳成分と無機質成分の含量とその変動傾向は1930年頃とほとんど同じであり,変化が少ないことが確認された.乳中尿素窒素とクエン酸は,分娩直後にそれぞれ常乳期の9倍または2倍以上になっているが,その後急減し,乳に移行する血液成分の量の変動に影響されていると考えられた.これらの成分の変動から,多量の血液成分の乳への流入は,おおむね分娩後18時間で抑制されるものと推察された.また,氷点降下度は初乳成分の著しい変動にも係わらず,一定の狭い範囲で安定していることが認められた.氷点降下度と浸透圧が正の相関にあるため,乳の浸透圧が一定水準になるように微量成分のバランスが保たれていると考えられた.
著者
柴山 真理子 植田 志摩子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.7-15, 1990-03-25 (Released:2017-06-13)
参考文献数
3

サラダ油、べに花油およびコーン油について、揚げ物の種類や材料の違いによる吸油量、脱水率、温度変化および重量変化を検討した。結果は下記のとおりであった。1.吸油量の多かったのは、えびの春雨揚げ、ついでさつまいもの天ぷらおよびいかの天ぷらの順であったが、少なかったのは素揚げ・じゃがいも拍子木切り、ついで鶏のから揚げおよびコロッケであった。2.脱水率の高かったのは、水と油の接触面積の大きい素揚げ・じゃがいも輪切り、ついで拍子木切りおよび鶏のから揚げの順であったが、逆に低かったのは、衣で周囲が保護され、しかも衣からの水分蒸発が少ないえびの春雨揚げ、ついでホッケフライおよびコロッケであった。3.コロッケの内部温度が最も低く55℃であり、中身は加熱処理をしたものを用いる必要があると思われた。4.最下時温度が最も低い値を示した素揚げ・じゃがいも輪切りは脱水率が最も高く、逆に最下時温度が最も高い値を示した鶏のから揚げ(2度目)は脱水率が低かった。5.重量減少の著しかったのは、衣で保護されず、かつ表面積の大きい素揚げ・じゃがいも輪切りおよび拍子木切りであった。増加のあったのは、衣から水分蒸発の少ないえびの春雨揚げおよびホッケフライであった。6.脱水率が高く吸油量の少ないものほど重量減少が著しく、三者の間には関連性が認められた。7. 3つの油については明らかな差は認められなかったが、吸油量と内部温度ではサラダ油がやや高い値であり、衣揚げの脱水率と最下時温度ではコーン油がやや高かった。