著者
加藤 玄
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アキテーヌ公領を当時の社会的諸関係や諸制度の投影=領域として捉える視点から、本研究は以下の3点を論じた。最初に、フランス学界における領域史の研究動向の整理を行った。次に、エドワード1世の大陸所領巡幸路を確定し、王が都市やバスティードに頻繁に立ち寄りつつ、支配領域をくまなく巡ったことを示した。最後に、領域横断的な貴族の活動を具体的に解明した。以上の研究を遂行する中から、アキテーヌ地方の領域的性格の歴史的形成と変遷の検討という視点を得た。この問題を明らかにするためには、中世から近世に及ぶ長期間を扱う必要があろう。
著者
久保田 静香
出版者
日本女子大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

デカルトおよびデカルト主義者は、近代以降のフランスにおいて「レトリック」が「弁論術・説得術」から「修辞学・美辞学」へと変容するにあたり大きな役割を果たした。この歴史的事情を、デカルト主義の先駆ともいわれる16世紀のペトルス・ラムスから、デカルト思想の洗礼を受けた17世紀後半のカルテジアン(とりわけポール=ロワイヤル派とベルナール・ラミ)へと至る、学芸(litterae, lettres)の改革の系譜を辿ることで、その内実を明らかにする。これにより、近代修辞学―18世紀のデュマルセや19世紀のフォンタニエに代表される「文彩(figures)」研究―へと至る前景を描き出す。