著者
北村 暁夫 池谷 知明 勝田 由美 小谷 眞男 柴野 均 高橋 利保
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究はイタリアの自由主義期を対象として、議会選挙やさまざまな立法活動などの際に見られる国家と地域社会との交渉や妥協の歴史的過程を具体的に分析することにより、イタリアの「国民国家」形成の特質を明らかにすることを目的としている。本研究は共同研究であり、研究代表者、研究分担者7名、研究協力者6名の合計14名の参加者から構成され、2年の研究期間に合計6回に及ぶ研究会(研究打ち合わせ1回、研究合宿4回、他の研究会(イタリア近現代史研究会)の年次大会とのジョイント1回)を行った。この間に史料や研究文献のリスト作成や年表の作成なども行い、こうした一連の作業の成果を大部に報告書に集約した。この二年間の研究成果として以下のことが明らかになった。(1)近年の研究では1880年代後半から1890年代半ばにかけてのクリスピ時代に統治機構の大規模な改革が行われたことに注目が集まっていたが、それに先立つデプレーティス時代に国民形成に向けてのある種の構造転換が起きていた。(2)議会が多様な地域利害が議論・調整される場として、エリート層のナショナルな統合を推進する役割を果たしていた。(3)南部問題は、「国民国家」形成にとって重要なモーメントの一つであった。(4)カトリック教会やカトリシズムは従来想定されていた以上に、ナショナルな統合に大きな役割を果たしていた。(5)多様な地域的利害を交渉・調整していくうえで、ローカル・エリートが果たした役割の重要性が明らかになった。以上の成果を踏まえたうえで、今後は本研究の方法を深化させるために、特定の地域社会やローカル・エリートを対象とした中央一地方関係の事例研究を推進していく必要性を確認した。
著者
坂本 清恵
出版者
日本女子大学
雑誌
国文目白 (ISSN:03898644)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.41-53, 2013-02-28
著者
有馬 学
出版者
日本女子大学
雑誌
史艸 (ISSN:02883066)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.136-161, 2011-11-30
著者
金沢 創 作田 亮一 山口 真美
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

摂食障害者において自己の顔画像と他者の顔画像を観察している際の脳活動を、NIRSを用いて検討した。具体的には自己顔を観察している際の脳活動を、摂食障害者とコントロール群との間で、比較検討した。その結果、定型発達群では、自己顔にのみ特異的な脳活動がみられたが、摂食障害群では、自己顔および他者顔の双方に対して、側頭部の脳活動が見られた。この結果は、摂食障害者の特殊な自己認知を意味している。また、ADHD児を対象に表情認知を、これもNIRSを用いて検討し、ADHD児では、笑顔に対してのみ、脳活動が観察された。さらに定型発達乳児においても、質感知覚やカテゴリカル色知覚について検討した。