著者
日野 こころ
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

特徴の異なる頻尿モデルラットを作製し、シストメトリー法による蓄尿・排尿機能に対する仙骨部鍼刺激の効果について検討した。酢酸、塩酸、シクロフォスファミド(CYP)誘発頻尿のうち、CYP誘発頻尿においては排尿間隔(ICI)の変化がなく、頻尿誘発機序の違いが仙骨部鍼刺激の効果に影響する可能性が考えられた。酢酸誘発頻尿モデルラットに対する灸刺激は、下腹部の方が仙骨部よりもICIは延長する傾向にあり、鍼刺激との刺激様式の違いが影響している可能性が考えられた。カンナビノイド(CB1)受容体阻害薬によって仙骨部鍼刺激によるICI延長の効果は消失し、鍼刺激の効果機序にCB1受容体が関与する可能性が示唆された。
著者
和辻 直 篠原 昭二 斉藤 宗則
出版者
明治国際医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

鍼灸師教育のコア・カリキュラムを作成する事前資料として、伝統医学における鍼灸教育の必要項目を整理し、教育項目における学修目標の度合いを検討した。対象は鍼灸師養成施設の教員と伝統鍼灸を実践する鍼灸師とした。東洋医学概論の科目に対して教育項目の重要度を調査した。この結果を参考に東洋医学概論の教育項目82項目を必須知識、上位知識、選択知識に区分した。その区分を対象に評価してもらった。その結果、必須知識の項目の約9割が賛同となり、度合いの設定が妥当と考えた。また上位知識や選択知識の一部では評価が分かれており、調整が必要であることが判った。以上より、結果はコア・カリキュラムの事前資料となることが判った。
著者
伊藤 和憲
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

【目的】エストロゲンが筋肉の痛みや慢性化にどのように影響しているか検討を行った。【方法】実験1:無処置のラット24匹を性周期ごとに4群(各6匹)にわけ、皮膚表面の閾値をvon Frey test [VFT]で、また筋肉の閾値をRandall-Selitto test [RST]で測定した。なお、各ラットは閾値測定終了後に血液を採取し、血中エストロゲン量も調べた。実験2:ラット12匹を卵巣摘出群(n=6)、卵巣摘出+エストロゲン(20%)補充群(n=6)に分け、運動負荷を行った時の変化を観察した。実験3:ラット12匹を卵巣摘出群(n=6)、卵巣摘出+エストロゲン補充群(n=6)に分け、運動負荷を行う腓腹筋の大腿動・静脈の血流を遮断した上で運動負荷を行った時の閾値変化を調べた。実験2・3ともに、経時的な閾値測定と、負荷を行った筋肉に鍼電極を刺入して電気刺激したときの筋電図変化を観察した。なお、運動負荷・卵巣摘出・閾値測定は昨年と同様である。【結果】実験1では性ホルモンと各閾値の関係は明確ではなかったが、血中のエストロゲン量が多いとRSTの閾値のみ低下する傾向にあった。実験2では卵巣摘出後にエストロゲンを補充した群で特にRCTの閾値が低下し、実験3ではエストロゲンを補充した群のみ他の群に比べて長く(2-3週間程度)RST閾値の低下が継続したが、卵巣摘出したのみ群は、雄ラットと同様な経時的変化を示した。一方、筋電図学的な変化に関しては、卵巣摘出群・エストロゲン補充群で違いは見られなかった。【考察】エストロゲンが血中に高濃度に存在するとき筋肉の閾値が低下する傾向があり、また筋肉痛が出現する期間が延長する傾向にあった。このことから、筋肉痛の慢性化には性ホルモン特にエストロゲンの関与が強く、線維筋痛症などの筋肉疾患の予防や治療にエストロゲンを考慮する必要があることが示唆された。
著者
林 弘典
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、国内外において初めて、柔道の審判員が実際にどのような位置で投技評価を行っているかを検証した。現在の副審は移動できないために、異見発生を含め投技評価の半数以上は推奨される審判員の位置(主審と副審2名を線で結んだ三角形の内側)で行われていないことや主審に視界を遮られて投技が見えにくい場面があることが明らかとなった。ゆえに、主審と同様に副審も移動して投技評価を行うことが望ましいことを提言した。
著者
堂上 友紀
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

われわれは、酸化ストレスマーカである4 ヒドロキシ2ノネナール(4HNE)に対する抗体を、放射線を発するヨード125で標識し、これをもちいて動脈硬化病変における酸化ストレスの発生状況をイメージングする方法の開発を試みた結果、取り出した大動脈において画像化に成功した。
著者
新原 寿志
出版者
明治国際医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

開業鍼灸院を対象としたアンケート調査の結果から、安全対策について十分に周知徹底されているとは言えないこと、開業鍼灸師の(社)日本鍼灸師会や(社)全日本鍼灸学会への所属率は低いことから、卒後教育を効率的に実施することは困難であることが示唆された。鍼灸師の養成機関を対象としたアンケート調査では、安全教育において指導内容に差があることが示唆された。これらの結果から、鍼灸の安全性に関する卒後教育および学校教育の質の向上に向けた新たな取組みが必要であると考えられた。