著者
郡司 良夫
出版者
松山大学
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.343-363, 2010-03-01
著者
伊藤 詔子
出版者
松山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

アメリカ環境文学のグローバルな影響力を自然表象の変遷のなかで検討し、風景構築と人種的無意識の関係を、主としてソロー、ポーなど19世紀男性作家に探った。また20世紀後半と21世紀、環境文学のもっとも重要なテーマのひとつとなってきた汚染というテーマが、地域の歴史とどのような関係にあり、またどのような身体表象を伴っているかを、ソロー、ポーの影響を受けた現代女性環境文学作家数名を中心に考察した。研究成果は、現代英語環境文学103作(映画や音楽も含む)を、汚染、自然表象、アクティヴィズムと環境正義など10のテーマに分類し、作家概説、作品紹介と文献解題による辞書兼教科書を、監修共編著として出版し、その他共著3冊と、国際学会での発表2回を含む7回の口頭発表、および論文数編に結実した。
著者
伊藤 詔子
出版者
松山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究「文学批評理論としてのエコクリティシズム確立にむけての研究」2年目では、1年目のソローを中心とする研究から、1)エコクリティシズムの批評そのものの現状を分析し、2)環境文学の始まりとなったレイチェル・カーソンの『沈黙の春』を中心に、汚染の言説と環境正義のレトリックの特質を考察し、3)『沈黙の春』以降の女性環境作家作品について、発展的な考察をした。3点についての具体的成果は以下であった。1)ロレンス・ビュエルによる最新のエコクリティシズム研究書Future of Environmental Criticismをエコクリティシズム研究会で研究し、5人で協力してその邦訳を、巻末書誌、環境批評用語解説とともに鶴見書店より2007年5月に出版した。序文と第1章、5章、あとがき、原稿取りまとめ、監修を伊藤が担当した。また英語青年に「ビュエルエコクリティシズム三部作の完成に寄せて」と題して、エコクリティシズムの修正主義である第二波について概説した。2)アメリカ学会・学会誌の特集「自然と環境」に、「Silent Spring--Toxic Infernoを下って沈黙のジェンダー的ルーツを探る」と題する論文を寄稿し、エコクリティシズム第二派が焦点化する、汚染の言説と環境正義のテーマについて考察した。3)ソローとカーソン以降の女性環境作家について、阪大の人文COEプロジェクト「環境と文学」第三回フォーラムで講演し、その他二つの論文で調査研究の成果を発表した。(1)「ソローとホーガンのいきもの表象をめぐって」(日本ソロー学会『ヘンリー・ソロー研究論集』No.33(2)「『沈黙の春』とアポカリプス」ミネルヴァ書房名作シリーズ『カーソン』(2007年5月刊行)
著者
遠藤 泰弘
出版者
松山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

従来必ずしも本格的な研究対象とはされてこなかった、第二帝政期ドイツの穏健的自由主義思想を、積極的な政治秩序構想の1つとして評価できることを示した。具体的には、ドイツ団体思想の大家オットー・ギールケ(1841-1921)と、その弟子でありヴァイマル共和国憲法の起草者であったフーゴ・プロイス(1860-1925)の国家論を、同時代の支配学説との対比において理解し、「不徹底」と評価され続けてきたギールケ国家論は、まさに「不徹底」であるがゆえの絶妙のバランスを保っていたのであり、この点をむしろ政治構想としての強みとして積極的に評価しうることを明らかにした。
著者
大内 裕和
出版者
松山大学
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.329-349, 1999-10-01