著者
山本 周美
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

トランス脂肪酸(TFA)は、不飽和脂肪酸のうち二重結合の立体配置がトランス型になっているものの総称である。工業由来TFAは、子宮内胎児発育遅延や発達障害のリスクとなることが欧州の研究で示唆されている。そこで、本研究では日本人妊婦を対象に、胎児の発育に及ぼすTFAの影響について検討した。胎盤組織から脂質抽出を行い、GC-MSにて脂肪酸分析を行い、児の発育指標との関連を検討した。結果、早産児の場合、胎盤中のTFAの存在比率と出生体重SDスコアが負に相関した。この結果から、TFAが児の発育を抑制する可能性が示唆された。
著者
太田 真祈
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

藍の生葉染めでは、条件によっては青く染色できない場合がある。藍の色素であるインジゴの生成過程で、その構造異性体である赤色色素のインジルビンが生成することも一因であるが、どのような条件でインジルビンが生成するのか、詳しく検討されていない。またこの赤色のインジルビンを積極的に染色に利用すれば、インジゴの青と混ざって、赤紫色の染色物を生葉染めで得ることが可能であると考えられる。インジルビンは、藍の葉に含まれるインジゴの前駆体であるインジカンの加水分解物であるインドキシルと、その酸化生成物であるイサチンとの反応で生成することがわかっている。インジカンは試薬として入手可能であるが、高価である上、酵素でしか加水分解できないので、インジカンの代わりに安価な試薬である酢酸インドキシルを用いて、どのような加水分解条件でインジルビンが多く生成するかを調べたところ、pHや温度等に依存することがわかった。また、酢酸インドキシルからアルカリ加水分解でインドキシルを生成させ、pHを中性付近に下げ絹布を染色したところ、長時間放置しておいたものが赤紫色に染色された。酢酸インドキシルのメタノール溶液を絹にしみこませて長時間放置することによっても赤紫色に染色されることがわかり、加水分解されずに残っていた酢酸インドキシルが絹布内でインジルビンに変化することがわかった。さらに、生葉染めを様々な条件で検討したところ、インドキシルが酸化される時にアルカリ性になる条件、また水への溶解性の小さいイサチンを可溶化できるような条件で赤紫色に染色することができた。
著者
新井 彩
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,運動の修正や結果の誤差修正の積極性が高まることを期待して意図的に調節した教示を与えることを,複数の運動様式を採用して行い,その効果を定量化することを目指した.本研究では,リバウンドジャンプトレーニング中にリズムをガイドラインとして教示をする方法で,接地時間やスティフネスの改善等の一定の効果が認められた.次に,歩行,ジャンプ等を用い,距離のターゲットに対し運動を調節した結果にて意図的に甘い判定と厳しい判定を返すことによる誤差修正の変化を検証した.この結果,パワー発揮特性に応じて誤差修正パターンに一定の傾向があることが認められた.
著者
宮崎 由子
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

第3次健康食品ブームと言われている今日、健康維持に役立つ食品としてきのこが注目を集めている。特に最近、きのこ由来の多糖体が脂質代謝に関与したり、免疫促進作用を示すことが報告されているので、筆者はきのこに含まれる糖脂質に着目し、数種きのこの糖脂質について構造解析し、その生理活性について検討した。今回は、マイタケ(Grifora frondosa:新潟産)を用いて、Folch法に従い脂質を抽質した。抽出脂質はクロロホルム:メタノール:水(65:25:4by vol)及びクロロホルム:メタノール:酢酸(65:25:10by vol)の展開溶媒にて二次元薄層クロマトグラフィー(TLC)を行い、アントロン試薬で糖脂質を、Dittmer-Lester試薬でリン脂質を、ニンヒドリン試薬でアミノ脂質を各々検出した。総脂質をアルカリ加水分解しTLCで分画後、糖脂質を単離精製しIR分析及びFAB/MS分析により構造を同定した。総脂質の主成分は、カルジオリピン(CL),フォスファチジルエタノールアミン(PE),フォスファチジルコリン(PC),フォスファチジルセリン(PS)の各リン脂質と3種類の糖脂質(MGL-1,2,3)を検出した。単離した糖脂質について構造解析を行なった結果、MGL-1はグルコースを構成糖とし、d_<18:0>の長鎖塩基を持ち、脂肪酸として2-ヒドロキシステアリン酸を含有する質量数m/z742(M-H)^+のセラミドモノヘキソシドであることを確認した。しかし、MGL-2,MGL-3については構造を明確にはできなかった。さらに、MGL-1,2,3について生理活性を検討するために免疫の指標となるヒト好中球に対する貧食活性を調べた。ヒト末梢血よりmonopoly resolving meduimを用いて好中球を分離し、coverslip上にて90分前培養を行い、その好中球に各MGL-1,2,3をコートした黄色ブドウ球菌死菌体を加え60分培養した。その後メチレンブルーで染色し顕微鏡下で観察し、好中球内に貧食している菌数をカウントした。その結果MGL-2において貧食活性の促進が認められた。しかし、MGL-1およびMGL-3では変化はなかった。今後、MGL-2について、貧食細胞内での殺菌作用についても検討するつもりである。
著者
寺島 修一
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

歌学書所引『万葉集』データベースの作成を目指し、以下の作業を行った。歌学書本文の電子テキスト化を進行した。電子テキスト化を終えたのは、『俊頼髄脳』(日本歌学大系本、京大本「無名抄」、関大本「俊秘抄」、松平文庫本「唯独自見抄」)『奥義抄』(日本歌学大系本、大東急文庫本)『袖中抄』(日本歌学大系本、歌論歌学集成本)『八雲御抄』(伝伏見院筆本)である。これらは底本とそれに対する校異という形を取らず、同一の歌学書であっても伝本ごとに独立した本文テキストとしてある。このような形にしたのはデータベースとして完成したときに伝本ごとの本文が独立して参照できるようにするためである。データの形式は基本的に国文学研究資料館の「原本テキストデータベース」の初期入力に準じて整形してある。また、新編国歌大観所収の『万葉集』から西本願寺本訓を抽出し、電子化テキストとして整形した。歌学書本文から『万葉集』歌を抽出する際に参照する本文としては、公開されているものの中では西本願寺本訓が最も適当であると判断した。これらのデータに基づき歌学書所引『万葉集』のデータベースの作成に着手した。歌学書各伝本ごとに万葉歌を抽出し、『万葉集』西本願寺本訓と対応させた。この作業過程において類歌検索プログラムを用いて自動化を試み、その結果に対してさらに手を加えた。類歌検索プログラムは古典文学データベースの研究会において手ほどきを受けたものである。以上のとおり、データベース化の基礎作業を進行させた。