著者
南部 陽一郎
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
no.4, pp.226-228, 1949 (Released:2017-10-02)

朝永-Schuringer理論によつて核子の磁気能率を扱うことは既にCase, Luttingerによつて行われ,その結果が報告されている。ここでは同じような計算をscalar及びpseudoscalar中間子の場合について行つた結果をとりあえず報告する。但しまだ検算が不十分であるからニ、三の誤りがあるかもしれない。計算方法は大体Schuringerをそのまゝ模倣した。
著者
瀧 雅人
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4B, pp.171-243, 2012-02-20 (Released:2017-10-02)

2009年にAlday、GaiottoおよびTachikawaによって発見された新しいタイプの「双対性」について概論したい.摂動的な計算結果の観察から、彼らはN=2四次元超対称ゲージ理論のインスタントン分配関数が、二次元共形場理論のVirasoro共形ブロックと解析的に結びついていることを見抜いた.すなわちこれは四次元ゲージ理論の分配関数と二次元共形場理論のカイラル相関関数が等価であることを意味している.つまり少なくともこれらのセクターにおいては、両理論の間に双対性が存在していることが強く示唆されている.このレビューでは、共形ブロックとインスタントン分配関数の組み合わせ論的計算手法を紹介する.その後でAlday-Gaiotto-Tachikawaの原論文に従い、AGT対応を発見法的に確認する.さらに、その他の双対的記述や弦理論との関係、あるいは証明の試みなどについても紹介したい.なお本稿は、2010年11月に東京工業大学素粒子論研究室で行ったセミナーの講義ノートを大幅に加筆したものである.
著者
奥山 和美
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.1-103, 1996-04-20 (Released:2017-10-02)

超対称性を持つ場の理論を扱う上で,正則性と双対性が強力な手法となっている。最近この手法を用いて,厳密な真空の構造と低エネルギーの有効作用が求められた。この修士論文では,N=1とN=2の超対称ゲージ理論の双対性を用いた解析についてまとめた。
著者
片山 泰久
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.234-247, 1964-05-20 (Released:2017-10-02)

非局所場の内部変数を用いて対称性を導こうとする試みを検討する。内部変数をspurion形式で展開し、アイソ・スピンとhyperchargeを導入する。この系に特定の性質を課することによつて、アイソ・スピンとhyper-chargeの一定の組合せが得られる。
著者
園部 勲
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.105, no.6, pp.101-153, 2002-09-20 (Released:2017-10-02)

本論文では、非摂勅諭的な量子重力理論に対するスピンフォーム模型についてレビューする。スピンフォームとは時空に2次元的に広かったオブジェクトである。この描像が、ループ量子重力理論やPonzano-Regge-Turaev-Viro状態和模型、BF重力理論などなどからそれぞれ独立に導かれることを説明し、スピンフォームという統一的観点による量子重力理論の定式化について解説する。
著者
八田 佳孝
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.75-112, 2002-01-20 (Released:2017-10-02)

宇宙初期の物理などの観点から超相対論的な極限状態のプラズマの非平衡現象は非常に興味深い。本論文では古典力学から非可換ゲージ理論にわたるさまざまな系において輸送方程式(Boltzmann方程式)を議論する。前半は力学系の締約理論としてのくりこみ群法を用いて古典力学と場の理論においてBoltzmann方程式を導出する。後半は非可換ゲージ理論での輸送方程式とそこに現れる赤外発散の問題について議論し、電弱理論におけるバリオン数の破れの問題への応用をレビューする。
著者
深谷 英則
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.131-176, 2003-03-20 (Released:2017-10-02)

近年,格子カイラルゲージ理論の研究が,大きな進展をみせている。Ginsparg-Wilson関係式とよばれる式を用いたカイラル対称性の再定義により,厳密なカイラル対称性が,連続理論と無矛盾に実現可能だとわかったからである。とはいえ,このことは古典的なレベルでの話であり,量子論として,真にカイラルな理論が構成できるかどうかを知るためには,格子上でのアノマリーを議論しなくてはならない。Luscherは,ゲージ場にある条件(admissibility条件)を課すことによって,アノマリーをコホモロジー的な手法を用いて分類できる可能性を示した。その結果,格子カイラルU(1)理論の定式化に成功した。この論文では,格子カイラルゲージ理論の最近の進展についてまとめた。特に, Luscherのadmissibility条件の果たす役割について注目する。
著者
園田 英徳
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.109, no.5, pp.35-89, 2004-08-20 (Released:2017-10-02)

格子理論を使って,場の理論の連続極限をどう構成するか,その処方せんを丁寧に説明するのがこのノートの目的です.2003年度後期の神戸大学での講義に基づいています.
著者
青木 慎也
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.F20-F22, 1999-09-20 (Released:2017-10-02)

この報告は、上記のタイトルで行われた北陸地域スクール(1999年5月)での講義の内容の見出しである。最後に、講義中には述べなかった引用文献の一覧をまとめておいたので、興味のある方はご活用ください。