著者
金森 逸作
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.C38-C40, 2004-06-20 (Released:2017-10-02)

非可換性を導入することで、格子上でもLeibnitz則とnilpotencyを持った微分形式を定義できる。我々はClifford積と呼ばれる微分形式同士の演算を格子上で定義し、それを用いてDirac-Kahlerフェルミオンを記述した。得られた格子フェルミオンはstaggeredフェルミオンであり、結合則を持つClifford積で記述したため、容易にゲージ不変な作用を書き下すことができる。この報告は河本昇氏(北大理)との共同研究[1]に基づく。
著者
松田 卓也
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.B10-B17, 1999-05-20 (Released:2017-10-02)

学会における口頭発表は、情報交換の手段として今後ますます重要になる。しかし多くの講演者の講演スタイルには、情報伝達の効率という点において非常に大きな問題がある。ここでは、若手研究者がOHPを使って10分程度以下の口頭発表をする場合にターゲットを絞って、その技術を解説する。そのエッセンスを述べれば、トランスペアレンシーは内容を精選して、大きな字で書くこと、聴衆の方を向いて、聴衆とアイコンタクトをしながら話すことである。
著者
島田 一平
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究
巻号頁・発行日
vol.108, no.4, pp.D30-D31, 2004

ふたつの異なる分野において,ふたつの異なる量がほとんど同一の公理系に基いて導入されている。一つは数理経済学における"効用の数値的尺度"であり、他の一つは熱力学における"エントロピー"である。このことから、複数の主体間の競合という点を別にすれば、経済的均衡が熱平衡と形式的に同一の概念である事が結論でき。均衡点(熱平衡)の安定性の考察を経て、経済動学と非平衡動力学との関係へと、アナロジーをたどる足掛かりが与えられる。
著者
田中 正
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.335-381, 1979-08-20 (Released:2017-10-02)

lepton-quarkの統一模型として,相対論的なdeformable rotator modelが検討される。結果としてlepton-quarkに対するWeinberg-Salam型の理論に実体的な解釈が与えられると同時に,いくつかの特徴的な結論が導かれる。i)lepton-quarkの固有スピンと弱アイソ・スピンとはrotatorの回転モードに起因する相互に不可分の量で,ともにSU_2構造をもつ。ii)rotatorの"変形主軸"の回転モードから,フレーバー自由度として新たにSU_2&otimes;SU_2構造,従ってそれに伴う2種のフレーバー・アイソ・スピンL^^→,M^^→が現われる。iii)"変形主軸"方向のdilatation自由度から,カラーSU_3とleptonとquarkを識別するU_1構造が導かれる。iv)この拡がり模型の斉合的記述には一般化されたKaluza-Klein型の多次元空間の導入が必要とされ,後者の計量テンソルγ_<AB>(A,B=1,2,・・・,4+n)を通じて4次元重力テンソル場g_<μν>(X),上述のlepton-quarkの内部対称性を局所化するためのYang-Mills場A^a_μ(X)(a=1,2,・・・,n),および対称性の自発的破れを誘発するHiggs場と見做されるスカラー場g_<ab>(X)(a,b=1,2,・・・,n)が自動的に理論内部に導入される。v)この理論からの予見として,(ν_τ,τ),(t,b)につづくlepton-quarkの第4のsequential doubletの存在とともに,さらに複雑な構造をもつlepton-quarkの励記状態の存在の可能性が指摘される。