著者
長野 正道
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.E29-E31, 2003-08-20 (Released:2017-10-02)

細胞性粘菌という単細胞アメーバの、細胞間コミュニケーションに関する研究から、新しいリズム同期化法が得られた。受容体と呼ばれる生物センサーの基本性能と、意図的に作られる細胞周辺の化学場が主要な役割を果たしている。更に、この新しい同期化法は、多数の独立した非線形振動子を、どのように結合したら全系を1つのリミットサイクル系に変換できるのか、その手順をも教えてくれる。このリミットサイクル系としての規則正しい安定振動状態が相互同期状態に対応する。
著者
福留 秀雄
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.145-152, 1956

Low方程式は今迄の散乱問題の方程式と異りnon-linearな方程式であるので、その解が一義的に決定出来るかどうかが興味をもたれる。ところでDysonその他の人々は最近static nucleonとcharged scalar又はneutral scalar中間子の相互作用する系のLow方程式でnon-meson近似を取り、それが任意のpurameterを無数にもつ解をもっていることを示してLow-方程式はそれだけでは散乱問題に対して一意的な答を与えないと結論した。この論文では前の論文で与えられたLow方程式の微分系を使って、真空状態を基準状態とするLow方程式が線型の方程式に書き直すことが出来、かつその際にDysonらの見出した不定性が現れることを一般的に示そうと思う。
著者
松井 哲男
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.B105-B110, 1978

我々は,ハドロン多体系である植物質での新しい型の相転移として注目されているπ凝縮の問題を,核子サイドに焦点をあて,π凝縮にともなう核子系の構造変化と相転移のメカニズムを調べてきた。その際我々がとったアプローチの方法については,既に前回の研究会で報告済みであるが,今回は特に(1)我々のモデル("SCB")と京大グループの"1次元[ALS]"モデルとの対応関係,(2)核子-核子短距離相関とアイソバー・空孔偏極の効果をとり入れたより現実的な取り扱いへの予備的考察に重点をおいて,その後の研究の成果を報告した。