著者
江藤 宏美 堀内 成子 中山 和弘 西原 京子 堀内 成子 中山 和弘 西原 京子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

生後2週目から3か月の乳児の夜間の母児同室下における睡眠覚醒状態の特徴を明らかにするための録画・分析システムの開発を行い、国際的な睡眠研究者とのネットワークによるプラットホームを構築することを目的とした。その結果、録画システムは、非侵襲で、夜間の暗い環境状況下で安定した画像収録ができるような赤外線LED照明と超高感度モノクロカメラを実装した機械ができた。分析システムは、画像差分の算出をベースに自動判定アルゴリズムを作成した。情報共有プラットホームとして、研究者間で情報共有を行うインフラとして、大容量かつ高信頼性のサーバー構築を行った。システムの評価をした結果、自動判定アルゴリズムで乳児の睡眠状態をビデオ画像からロバストに自動判定できる可能性を確認した。
著者
土江田 奈留美 中川 有加 土屋 円香 永森 久美子 小林 紀子 堀内 成子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.33, pp.85-92, 2007-03

本稿は,聖路加看護大学看護実践開発研究センター主催,日本助産学会東京支部中央区分会の後援により2004年9月に開設した,ルカ子母乳育児相談室の2年間の事業報告である。本事業の主な内容は,病院,助産院などで勤務経験がある助産師で,大学院生と教員による,地域での母乳育児支援である。毎週金曜日に来室相談および随時訪問相談を行っており,2年間での総相談者は母児54組,総相談件数は289件であった。そして,主な相談内容は,「母乳分泌量の不足」「乳房のトラブル」「断乳・卒乳」「吸わせ方や抱き方」「哺乳拒否」であった。また,利用者の感想は,「不安が解消された」「子育てに自信がついた」「また利用したい」などであった。そして今後のルカ子母乳相談室の役割として,以下の3点を継続,拡大していきたいと考えている。1.授乳期全期にわたり悩みが尽きない母親たちの支援を行う場2.資源が少ない地域への貢献の可能性3.病院だけでは補いきれない育児支援を継続していく場
著者
堀内 成子 江藤 宏美 大隅 香 西原 京子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

研究者らは静電容量型加速度センサーを用いて、妊婦の腹部より胎動を記録する小型装置・自動解析システムを開発した。胎動監視装置FMAM(Fetal Movement Acceleration Measurement)は、(290g,77mmX27mmX140mm)で二つのセンサー(胎児・母親の体動をピックアップする)、生体アンプ、SDカードを内蔵し、40時間連続記録可能である。9名の健康な妊婦(29-39歳)の妊娠20週から36週の間の睡眠中の胎動変化を分析することができた。妊娠週数による胎動数の変化が把握できた。さらに胎動変化の個人差が大きかった。母親の呼吸運動がアーチファクトとして混入し、自動解析システムの課題が判明した。死産後の次子妊娠中の妊婦2名の家庭での胎動モニタリングを行い、コントロール妊婦の胎動の変動範囲に入っていることを確認した。睡眠中の胎動変動を見せることにより、妊婦の安心感を得た。こうした家庭訪問により、妊婦は不安を表出できた。妊婦は、胎動監視装置を用いて自分自身で簡単に胎動を記録することが可能であった。さらにデータを収集して、母親のアーチファクトを自動的に除外する解析システムに改善する必要がある。新胎動記録・解析システムは、胎児のwell-beingをみる妊婦による妊婦のための家庭胎動モニタリングとして期待できる。
著者
有森 直子 堀内 成子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人工妊娠中絶につながる出生前検査や母乳を介して病気が感染する可能性のあるヒトT細胞白血病ウィルスI型(以後HTLV-1)の栄養方法選択は、当事者にとって苦渋の選択となる。本研究は、患者やその家族がよりよい決定ができるように支援する看護職のための教育プログラムを検証した。本プログラムは情報提供のみではなく、患者の価値観を考慮した支援のあり方を重視している。受講した看護職は支援について理解が深まり、今後このプログラムがより広く活用されるための示唆が得られた。
著者
佐々木 空美 長松 康子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-32, 2008-03
被引用文献数
2

【序論】在日外国人は200万人を超え,医療面での対応が急務とされている。インターネットは安価で簡単に情報を得ることができる。そこで本研究では,自治体のホームページの外国人向け医療情報の提供状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2000年度国勢調査において,外国人人口が1万人を超える17自治体を対象とし,そのホームページを,使用外国語・情報量・操作しやすさの3点で評価した。さらに,外国人人口,外国人割合,連携機関の有無についての関連を調べた。【結果】17すべての自治体がホームページを有していた。予算が多く,外国人が多い自治体ほど情報量が豊富で,外国人割合の多い自治体ほど外国版ホームページは操作しやすい傾向があった。使用している外国語は,英語が最も多く,次いで韓国語,中国語,ポルトガル語であった。13件(76%)が外国語の医療情報を掲載し,医療サービスシステム,日本の保険制度,母子保健等の情報を載せていた。外国語のできるスタッフのいる医療機関や電話による外国語医療相談を紹介する自治体もあった。【考察】人口の多い外国語については概ねホームページの外国語に取り入れられていた。しかし人口が多いにもかかわらずタイ語を用いているホームベージがないことは問題である。外国人人口の多い自治体ほど外国版医療情報が充実していたのは,ニーズに対応した結果と思われる。【結論】すべての自治体がホームページを有し,76%が外国語医療情報を提供していた。