著者
田中 勝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

まちづくりの出発点は住民参加であり、学校や家庭、地域社会などのあらゆる場で適切なまちづくり教育が行われていく必要がある。本研究は、まちづくり教育の先進国である英国を日本のモデルに位置づけ、(1)都市・住宅事情史とその社会的背景、(2)小中学校におけるまちづくり教育の実践と評価の2点について日英比較を行った。研究成果を要約すると、以下の如くである。1.英国のまちづくり教育は自然環境保護に出発し、社会改善運動の歴史の中で都市環境教育をも含めた環境教育の一分野として確率した。特に産業革命後の急速な都市化に対する都市計画の中で、初等教育や社会教育におけるまちづくり教育の意義(プル-デンレポート、スケフィントンレポート)を常に確認していた点が日本とは決定的に異なる。2.英国独自の教育体系とカリキュラムの中でまちづくり教育に関する多様な提案や実験が行われている。レディング大学では環境教育の指導者育成と情報交換を行い、ロンドンのア-バンスタディセンターではコミュニティにおける都市環境教育の拠点として最新の情報提供や教材作成(ア-バントレイル)を行っている。アイアンブリッジに代表されるエコミュージアム手法を用いたまちづくり教育は、小中学生に都市の時間的な変容と空間体験をしてもらう意味で極めて有効であり、わが国でも既存の凍結的博物館施設をエコミュージアムとして再生していくことが望まれる。3.英国に比べて日本の都市・住宅事情は戦後にドラステックな変貌を遂げ、その多様な内容が教育現場で適切に把握されていない状況にある。まちづくり教育は環境教育の中では全く新しい概念であり、現実の都市計画と連動していない点にも問題がある。4.豊田市のまちづくり副読本を作成するために市内小中学校の校歌を収集し、その中から市民の環境イメージとしての都市景観要素(猿投山や矢作川、逢妻川)を抽出した。
著者
忠 和男 川西 直樹
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

既設橋脚の耐震補強には、水平耐荷力の増加を抑え、変形性能のみを向上させることが必要とされる。本研究では、既設の円形断面鋼製橋脚について、従来までの縦リブ追加による補強に対して、縦リブの下端と橋脚底面との間にわずかなすき間を設ける耐震補強法(接触縦リブ補強)を提案し、その耐震補強効果について検討した。これらの結果、提案した耐震補強により補強前の橋脚に対して水平耐荷力の増加をごく僅かに抑え、変形性能の向上を図ることができることが確認された。
著者
松本 嘉孝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

河川環境とその場に生息する生物の相互作用を仲介する堆積性有機物BOMの堆積・流出メカニズムの解明は進んでいない。そこで本研究では,BOM量の基礎的データを蓄積し,出水前後におけるBOM量変動の把握とその影響要因の解析を行った。その結果,1)BOMはサイズによりその堆積量が異なり,変動傾向にも違いが現れた。2)出水前後のBOM量の変化は,出水始めの水位上昇時にはBOM量が減少し,出水後の水位低下時にはBOM量が増加する傾向が見られた。
著者
山田 耕司 小林 正
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
豊田工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02862603)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.135-138, 2006-11-24

Architects want the free shape for their architecture from the ordinary structural design. Free shape design needs the structural design agent system for their probability of structural limit. This report deals with the both the scanning of a free shape and the creation of its structural analysis data. As results, the smooth surface needs the scanning accuracy of 1/50-length for the short span of scanning object. The complicated surface needs the scanning accuracy of 1/4-wavelength of its surface. The useful file format is 3DMF. The smooth surface decreases the total number of nodal points into 10% of original scan data, and it can be analyzed with shell elements. The complicated surface needs 3Ds olid analysis with hexahedral solid elements.
著者
櫻井 君紀 大森 峰輝 小林 正
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
豊田工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02862603)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.97-104, 2007

本稿では想起エレメント法を用い、学生の豊田高専周辺の環境についての意識を調査、分析した。その結果は以下のようにまとめられた。1)生活(居住)年数が増すごとに周辺の環境を認知する度合いは増すが、比例的に増加するのではなく、1年から3年の間に急速に増加し、それ以後は緩やかであることが明らかとなった。2)ショッピングセンター、商店施設等は女性の認知が高く、「買い物」に関しては女性のほうが周辺環境を意識していると考えられた。3)徒歩、自転車を移動手段とする学生の想起率には大きな差異は無かった。しかし、車(バイク)に乗ることにより、行動範囲が広がり、周辺環境の認知が大きく高まることが明らかとなった。4)個人の年齢、移動手段等に左右されるものの、中心となるのは梅坪駅、豊田市駅周辺であり、そこから半径約3km以内であると推測できた。また、建築物の認知についても、外観だけではなく、立地、用途等によって認知に差が現れることが確認できた。