14 0 0 0 OA 無機物質の色

著者
田中 勝久
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.194-197, 2017-04-20 (Released:2017-10-01)
参考文献数
3

無機物質に見られる様々な色は,可視域の特定の波長の光と無機物質との相互作用の結果として現れるものであり,光の吸収と発光が本質的に無機物質の色の違いにかかわる。また,散乱や反射といった現象は色の見え方に影響を及ぼす。光の干渉が独特の色調をもたらす場合もある。無機物質における光吸収や発光の起源として重要なものは,遷移金属イオンのd軌道が関与する電子遷移,結晶におけるバンド間遷移などである。また,金属光沢は光の反射に基づく現象であり,金属中の自由電子がその起源となる。本稿では具体的な例を挙げながら,無機物質における光の振舞いと色との関係を解説する。
著者
林 松彦 高松 一郎 吉田 理 菅野 義彦 佐藤 裕史 阿部 貴之 橋口 明典 細谷 龍男 秋葉 隆 中元 秀友 梅澤 明弘 重松 隆 深川 雅史 川村 哲也 田中 勝 杉野 吉則
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.551-557, 2012-07-28 (Released:2012-08-07)
参考文献数
24
被引用文献数
2 4

カルシフィラキシスは,末期腎不全により透析療法を受けている患者を中心に発症する,非常に疼痛の強い難治性皮膚潰瘍を主症状とする,時に致死的な疾患である.病理学的所見としては,小動脈の中膜石灰化,内膜の浮腫状増殖を特徴的所見としている.これまで本邦における発症状況などは不明であったが,平成21年度厚生労働省難治性疾患克服事業として,われわれ研究班により初めて全国調査がなされた.その結果,発症率は欧米に比べて極めて低いと推定され,その要因の一つとして,疾患に対する認知度が極めて低いことが考えられた.そこで,疾患概念を明らかとして,その認知度を高めるとともに,診断を容易にするために,全国調査を基として診断基準の作成を行った.この診断基準は,今後の症例の集積に基づく見直しが必要と考えられるが,カルシフィラキシスに対する認知度を高める上では重要な試みと考えている.
著者
日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン策定委員会 石井 則久 浅井 俊弥 朝比奈 昭彦 石河 晃 今村 英一 加藤 豊範 金澤 伸雄 久保田 由美子 黒須 一見 幸野 健 小茂田 昌代 関根 万里 田中 勝 谷口 裕子 常深 祐一郎 夏秋 優 廣田 孝司 牧上 久仁子 松田 知子 吉住 順子 四津 里英 和田 康夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.125, no.11, pp.2023-2048, 2015-10-20 (Released:2015-10-22)
参考文献数
185

Here, we present our new guideline for the diagnosis and treatment of scabies which we, the executive committee convened by the Japanese Dermatological Association, developed to ensure proper diagnosis and treatment of scabies in Japan. Approval of phenothrin topical use under the National Health Insurance in August 2014 has contributed to this action. Permethrin, a topical anti-scabietic medication belonging to the same pyrethroid group as phenothrin, is already in use worldwide. For making proper diagnosis of scabies, following three points should be taken into consideration: clinical findings, detection of the mite(s) (Sarcoptes scabiei var. hominis), and epidemiological findings. The diagnosis is confirmed when the mites or their eggs are identified by microscopy or by dermoscopy. As we now have a choice of phenothrin, the first line therapy for classical scabies is either topical phenothrin lotion or oral ivermectin. Second line for topical treatment is sulfur-containing ointments, crotamiton cream, or benzyl benzoate lotion. Gamma-BHC ointment is no more provided for clinical use. If the patient is immunosuppressed, the treatment option is still the same, but he or she should be followed up closely. If the symptoms persist, diagnosis and treatment must be reassessed. For hyperkeratotic (crusted) scabies and nail scabies, removal of thick scabs, cutting of nails, and occlusive dressing are required along with topical and/or oral treatments. It is important to apply topical anti-scabietic lotion/cream/ointment below the neck for classical scabies or to the whole body for hyperkeratotic scabies, including the hands, fingers and genitals. For children and elderlies, it is recommended to apply treatment to the whole body even in classical scabies. The dosage for ivermectin is a single oral administration of approximately 200 μg/kg body weight. It should be taken on an empty stomach with water. Administration of a second dose should be considered at one-week with new lesions and/or with detection of mites. Safety and effectiveness of combined treatment with topical and oral medications are not yet confirmed. Further assessment is needed. Taking preventative measures is as important as treating those infected. It is essential to educate patients and healthcare workers and conduct epidemiological studies to prevent further spread of the disease through effectively utilizing available resources including manpower, finance, logistics, and time. (Jpn J Dermatol 125: 2023-, 2015)
著者
富田 隆 後藤 英和 吉村 勇哉 坪内 良子 中西 利恵 小島 千賀子 米島 美穂子 吉田 正 田中 勝也 住谷 賢治 幸田 幸直
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.6, pp.835-840, 2015-06-01 (Released:2015-06-01)
参考文献数
8
被引用文献数
11 15

It has been reported that magnesium oxide tablets are excreted in a non-disintegrated state in the stool of patients when the tablets are administered after being immersed in a food thickener. Therefore we examined whether immersion in a food thickener affects the pharmacological effect in patients taking magnesium oxide tablets, and whether immersion affects its disintegration and solubility. The mean dosage (1705 mg/d) was higher for patients who took tablets after immersion in a food thickener than for those who took non-immersed tablets (1380 mg/d). The disintegration time and dissolution rate of the immersed tablets were lower than those of non-immersed tablets in vitro. Furthermore, components that constitute the food thickener and differences in composition concentrations differentially affect the disintegration and solubility of magnesium oxide tablets. This suggests that commercially available food thickeners are likely to be associated with changes in the degradation of magnesium oxide tablets, and they therefore should be carefully used in certain clinical situations.
著者
宮田 翔平 赤司 泰義 林 鍾衍 呉 楊駿 田中 勝彦 田中 覚 桑原 康浩
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.257, pp.11-20, 2018-08-05 (Released:2019-08-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2

建築物の熱源システムにおいて,設計性能を発揮できなくなる要因である不具合を明らかにする不具合検知・診断は非常に重要である。本研究は物理モデルと機械学習により熱源システムの不具合検知・診断を行うことを目的とする。本報では未知の不具合を有する熱源システムを対象として,機械学習の一手法である畳み込みニューラルネットワークによる不具合検知・診断を試みた。そのための学習・テストデータとしては,該当システムに対する詳細なシミュレーションにより 6 種類の不具合状態を再現し,適切なラベルをもつように作成されたデータベースを利用した。十分な学習データ量を用いることで高い精度で検知・診断できることを確認した。
著者
田中 勝則 田山 淳 有村 達之
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.334-342, 2013-04-01

本研究では大学生における身体醜形懸念とアレキシサイミアの関連について検討することを目的とした.身体醜形障害およびアレキシサイミアのいずれにもネガティブ感情が関連していることから,身体醜形懸念,アレキシサイミア,ネガティブ感情についての関連を検討した.大学生328名(男性187名,女性141名)から得られたデータを分析した結果,ネガティブ感情を統制したうえでも,身体醜形懸念の下位因子はいずれもアレキシサイミアの下位因子である感情同定困難因子と有意な正の相関を示した.また,身体醜形懸念の下位因子の一つである容姿への否定的評価因子は,同様にネガティブ感情を統制した際に,アレキシサイミアの下位因子である感情伝達困難因子とも有意な正の相関を認めた.アレキシサイミアの外的志向因子は身体醜形懸念とは有意な相関を認めなかった.重回帰分析の結果,感情同定困難因子は身体醜形懸念のいずれの下位因子とも有意な正の関連を示した.一方,感情伝達困難因子および外的志向因子は身体醜形懸念のいずれの下位因子とも有意な関連を示さなかった.以上の結果より,アレキシサイミアの特徴の一つである感情同定困難が身体醜形懸念と正の関連を有している可能性が示唆された.
著者
夏 吾太 田中 勝也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.110-116, 2018 (Released:2018-07-20)
参考文献数
16

本研究の目的は,日本の農業分野における環境直接支払制度を対象として,その普及に関する決定要因を明らかにすることである.この目的のため,現在の支払制度である環境保全型農業直接支払交付金が開始された2011(平成23)年からデータが利用可能な2014(平成26)年までの期間について,都道府県レベルのパネルデータを構築し,経済・社会的な諸要因が,普及に与える影響を定量的に分析した.分析では,都道府県ごとの観測されない異質性を考慮するため,Pooled OLSに加えて固定効果モデルおよび差分モデルによる推計をおこなった.分析の結果,環境直接支払の普及水準は,面積あたり交付金額や営農状況,高齢化の度合いなどの諸要因により,複合的に規定されることが示された.
著者
田中 勝博 土田 恭史 今野 裕之 丹 明彦
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.49-61, 2008

本研究は,卵画と洞窟画における描画内容および対象者の自己印象評定と自己イメージとの連関について検討した。その結果,自己イメージの違いによって,卵画や洞窟画に投影される描画アイテムが異なることが示唆された。自己イメージ高群は明るく,構成的な描画を行うのに対して,低群は暗く非構成的な描画を行うことが多い傾向が認められた。描画に対する印象評価は,描出された描画の全体的な印象や構成度などによって影響を受けるが,自己イメージも描画の印象評定に影響をおよぼすことがうかがわれた。
著者
田中 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.161-173, 2002-02-01
被引用文献数
3

本論文では,非加法的エントロピーであるTsallisエントロピーの平衡分布に2次までのq-モーメントの存在を要求したときに得られる確率分布について考察する.この確率分布は一つのパラメータqと平均と分散を指定することにより特定の確率分布を表すようになる.例えば,q=1のときは通常の正規分布を表し,q=2のときはCauchy分布を表す.ただし,q=2のCauchy分布の場合は2次のモーメントは存在しないので,形式的に確率分布関数の中に現れるパラメータσ^2は単にスケールファクタと解釈する.特にq=1+2/(n+1)のときは`t-分布'が得られるが,この場合も2次モーメントが存在しない場合には,確率密度関数の中に現れるパラメータσ^2をスケールファクタとして解釈する.また,q=-∞の場合には標準偏差の2倍(2σ)の幅をもつ一様分布が得られる.すなわち,ここで考察する確率密度関数は,サポートがコンパクトな一様分布からサポートが非コンパクトな正規分布を経て,`t-分布'やCauchy分布を経由して非コンパクトなサポートをもつ一様分布(完全に平たんな分布)までを,パラメータqを通じて滑らかに結ぶことのできる確率密度関数である.ここでは,この確率密度関数をq-正規分布と呼ぶ.q-正規分布と,従来知られている正規分布を含む確率分布族との最も重要な違いは,通常の正規分布を含む確率分布族では,正規分布のみが情報量すなわちBoltzmann-Shannonエントロピーを最大化するものとして明確なエントロピーとの関係が付けられるのに対して,q-正規分布では,パラメータqにより決定されるすべての確率分布は,必ずそのqの値に応じたエントロピー(Tsallisエントロピー)をただ一つもっており,その対応するエントロピーを最大化するという例外のない明確な情報量との関係をもつことである.このようなq-正規分布による期待値には,通常の期待値のほかに,エスコート分布による期待値の2通りの期待値が考えられる.それぞれについてモーメントを得るための一般的な公式も与える.また,q-正規分布はqについて滑らかなので,正規分布の周りで展開することができる.つまり,他の確率密度関数を正規分布を用いて近似することができる.このことについても併せて考察する.更に,q-正規分布p_q(χ:μ,σ)は,エスコート分布を介して,他のq-正規分布p_<1/(2-q)>(χ:μ,√<(3-q)/(5-3q)σ>)と双対な関係をもつことも示す.
著者
平尾 一之 田中 勝久
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

セラミックスの破壊強度は雰囲気の影響を大きく受ける。特にアパタイト-ウォラストナイトガラスーセラミックス組成の人工骨では、ガラス相を粒界相に存在するので、その影響は顕著である。本研究では、この人工骨を用いて、凝似体液を始めとする種々の環境下で、破壊特性がどのように変化するかについて調べるとともに、破壊じん性が大きく、応力腐食や疲労を受けにくくするには、組成をどのように改善すれば良いかなどについて検討を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)アパタイトーウォラストナイト人工骨セラミックス(以下AW)の安定破壊試験を行ない、破壊じん性値が1.12MPa・m^<1/2>であることがわかった。また、その有効破壊エネルギ-は、ケロシン中で3.88Jm^<ー2>となったが、水中では1.99、凝似体液中では1.84と大きく減少し、応力腐食反応を人工骨が受けやすいことがわかった。また、破断面のSEM観察の結果、破壊は粒界ガラス相で生じていることがわかった。以上より、水や凝似体液は、粒界のガラス相と腐食反応をおこし、破壊エネルギ-、つまり破壊じん性値を下げることがわかった。実際に、使用条件下では、応力を受けているので、この反応を抑えることが肝要である。そこで、ガラス組成をケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩ガラスを変化させ、ガラス自体の安定破壊をおこさせ、その挙動を観察したところ、ケイ酸塩ガラスでは胞性破壊しやすいのに対し、リン酸塩やホウ酸塩ガラスでは塑性変形をおこしやすいことがわかった。そこで、出発原料として、リン酸塩組成を多く含ませることにより、人工骨セラミックスの破壊特性を改良できることがわかった。(2)分子動力学コンピュ-タシミュレ-ションにより、原子レベルでの破壊実験を行なったところ、ホウ酸塩ガラスではその構造にボロキソルリングなど中距離表面構造があるので塑性変形しやすい事がわかった。