著者
中野 綾美 池添 志乃 益守 かづき 高谷 恭子 首藤 ひとみ 佐東 美緒
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

子どもの脳死に直面した家族が辿る苦悩に満ちた意思決定プロセスを支えるケアガイドラインの開発を目的とした。臓器提供を行った家族の 10 編の手記、子どもの看取り又は臓器移植をした家族への看護を看護師 13 名に面接調査し質的に分析した。その結果と家族看護エンパワーメントガイドラインを活用し、研究者と小児看護や家族支援 CNS、小児救急看護 CN の 12 名でブレインストーミングを実施した結果、家族が子どもの最善を考えるケアガイドラインを検討し、今後、洗練化が課題である。
著者
宮上 多加子 河内 康文 田中 眞希 辰巳 裕子 野村 脩 臼杵 百合子 佐々木 則枝 山崎 和子
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,福祉・医療分野における準専門職の経験学習プロセスを明らかにするとともに,準専門職の「仕事の信念」の構造および経験との関係を明らかにすることを目的とした.資格として,介護福祉士・准看護師・保育士を取り上げ,社会人学生および現場の職員に対する個別面接調査により得られたデータを質的記述的に分析した.準専門職の経験学習は,コルブ(Kolb,K)が示しているサイクルをらせん状に辿るプロセスとして確認できた.「仕事の信念」は,「自身の力量向上への志向」と「ケア対象者への志向」に類型化され,2つの志向性は3資格ともに学生時代から保持していた.
著者
清原 泰治
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1950年代、「昭和の大合併」後、地域住民の融和を図ることを目的に、市町村民運動会が開始された。県行政は、運動会で実施する種目を提案したり、自治体に配置した体育指導委員に運営を担わせるなど、市町村民運動会の開催を推進した。初期の段階では、地区対抗方式による運営方法のために、住民間の対抗意識が助長され、トラブルが問題となる。主催者は、トラブルを防ぐために、娯楽性の強い種目を取り入れたり、採点方法を工夫するなどして、円滑な実施を図った。このような運営上の工夫もあって、この時期に市町村民運動会は地域に定着する。
著者
山中 福子 下元 理恵 山田 覚
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

保存期のCKD患者、CKD患者に関わる看護師を対象に半構造的面接調査を行い、質的帰納的に分析した。結果、保存期CKD患者は、自分の体感と一致しない身体の状態に直面し、戸惑いながらも、悪化させないための療養に取り組んでいた。看護師は、患者の状況に応じて病状変化の原因を患者とともに探索する、患者の感情・考えを表現できる機会をつくるなど患者の体験に着目した支援を行っていた。看護師は、患者の体験を捉え、支援につなげていた。また、個々の支援を連携するための課題が明らかになった。
著者
杉原 俊二
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

うつ経験者の回復期支援として4テーマ分析法(以下、4T法)を10 名に実施し、8名(男6名、女2名)は中断なく終えることができた。手順をマニュアル化した。 初回面接(面接の手順と調査協力の承諾)。第2回面接では、 対象者の年表を調査者と一緒に作成した。うつ経験者では、「発症前」「発症時」「治療期」「リハビリ期」とテーマを一定にした。第3回~第6回面接(4T法の実施1テーマ1回) 。第7回面接(振り返り)。語られた内容を文章化して、 2人で読み合わせ内容の検討。第8回面接(終了面接)。これまでの面接内容を振り返り。
著者
野嶋 佐由美 中野 綾美 池添 志乃 畦地 博子 田井 雅子 畠山 卓也 升田 茂章 槇本 香 小松 弓香理 岩瀬 信夫 山口 桂子 服部 淳子 岩瀬 貴子 濱尾 早苗 坂本 章子 中山 洋子
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は医療施設及び専門看護師(以下、CNS)と研究―臨床の連携のシステムを構築し、『家族看護エンパワーメントガイドライン』の臨床への導入と看護介入の評価の検証を行うことを目的として行った。CNSは家族の問題を瞬時に判断し、情緒的支援を行いながら、家族の意思決定の支援や日常生活・セルフケアの強化、対処行動や対処能力の強化等の介入を融合しながら実践していた。介入によって家族の生活にも好循環が生まれていた。さらにCNSは、他の看護師や病棟全体の変化をもたらしていた。また一般看護師の本ガイドラインに沿った家族看護実践の実態として家族行動力を強化していく項目の実践度が高いことが見出された。
著者
清原 泰治 西村 秀樹 米谷 正造 五百蔵 高浩
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、伝統的な地域スポーツ・イベントがまちづくりに果たした役割を考察した。「昭和の大合併」を経て、地域住民の「融和」が行政課題となった高知県内の各自治体において1950年代に行政主導で始まった市町村民運動会は、新たなまちづくりを担うことを期待されるスポーツ・イベントであった。一方、地域の伝統的な相撲大会は、住民によって主体的に運営され、地域社会を維持していくためのつながりを強化・継承する機能を持っていた。