著者
渡辺 憲 高麗 秀昭 小林 功 柳田 高志 鳥羽 景介 三井 幸成
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.63-72, 2017-03-25 (Released:2017-03-30)
参考文献数
21
被引用文献数
6 3

燃料用木質チップとしての使用を目的とした丸太の天然乾燥において,乾燥時間の推定法,および丸太の諸形質が乾燥性に及ぼす影響について検討した。2014年11月から2015年8月にかけて茨城県つくば市にてスギ丸太の天然乾燥試験を実施した。乾燥期間中の含水率を初期含水率,直径,長さ,心材率および乾燥時間の関数として表現し,階層ベイズモデルによって丸太の個体差を考慮した乾燥曲線モデルを構築した。このモデルを用いて丸太の平均含水率を推定した結果,実測値は乾燥曲線とほぼ一致し,任意の含水率に対して乾燥時間を推定できる可能性が示唆された。また,丸太の乾燥性に影響を及ぼす要因を総合的に評価したところ,初期含水率,直径および長さが丸太の乾燥性に影響を及ぼしていることが示された。
著者
佐賀 清崇 柳田 高志 リュドミラ ベスピャトコ アウン ウィン 藤本 真司 美濃輪 智朗
出版者
一般社団法人 エネルギー・資源学会
雑誌
エネルギー・資源学会論文誌 (ISSN:24330531)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.1-6, 2011 (Released:2019-08-08)
参考文献数
10
被引用文献数
2

This study evaluates three bioethanol production pathways that are composed by saccarification and fermentation process (SFP), gasification and chemical synthesis process (GCP), gasification and biosynthesis process (GBP). These pathways are designed by process simulator PRO/II, and these material and energy balances are calculated. From the simulation results, the CO2 emission reduction of each process is evaluated. It becomes clear that the CO2 emission reduction of the process via syngas is larger than that of the process via sugars. The ethanol yield of GBP is the maximum, and GBP can support oneself a power and thermal energy in the process. In three processes, therefore, the CO2 emission reduction of GBP is the largest. The ethanol yield of SFP and GCP is almost the same. Because the residue including lignin contains moisture, the thermal energy from which SFP can be recovered is not large. On the other hand, GCP can use the thermal energy generated by chemical synthesis for the power production. It is indicated that GCP has the possibility of increasing the CO2 emission reduction more than SFP.
著者
神名 麻智 木村 直人 山下 康貴 柳田 高志 松村 幸彦
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.326-330, 2013 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
6 6

草や木に代表されるリグノセルロース系バイオマスから効率よくエネルギーを生産することは,今後のエネルギー生産において非常に重要な課題である。リグノセルロース系バイオマスからエタノールを生産する過程の一つである水熱前処理はその処理過程で,後の処理段階である発酵を阻害する物質類を生成する。これらの発酵阻害物質は酵母の増殖,発酵に影響を及ぼすことが知られているが,定量的な整理は行われておらず,反応器の設計には困難が生じている。本研究では4種類の発酵阻害物質について酵母増殖に与える影響を実験的に確認,Monod式にフィッティングさせ,発酵阻害物質のMonod式のパラメーターに及ぼす影響を確認した。
著者
柳田 高志 清水 直人 木村 俊範
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.79-87, 2005-03-15 (Released:2010-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

熱帯プランテーションで毎年大量に廃棄されているバナナ茎・葉の有効利用が重要な課題となっている.私たちは, 未だ研究報告のないバナナ葉抽出物に注目し, 有効利用の指針となるようなバナナ葉抽出物の基礎資料を得ることと効果的な抽出操作を提案することを目的とした.バナナ新鮮葉・乾燥葉の抽出成分を脂質画分, 塩基性画分, 酸性画分, 中性画分およびフェノール性画分に分画した.その結果, バナナ葉抽出物には植物性ワックス, 抗菌性物質, 抗酸化性物質といった有用な成分が含まれていることが明らかとなった.脂質画分にはワックスが多く含まれており, 果実収穫後のバナナ葉には, 乾燥重量あたり約3%の収率での回収が見込まれた.さらに, 酸性およびフェノール性画分には抗菌および抗酸化性が確認できた.また, 効果的な抽出法として, 最初に新鮮葉を用いてワックスを抽出し, その後, 乾燥処理を行ってから抗菌, 抗酸化活性を有する画分を抽出し, 残渣を繊維として利用する手順を提案した.
著者
久保山 裕史 古俣 寛隆 柳田 高志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.226-232, 2017-12-01 (Released:2018-02-01)
参考文献数
38
被引用文献数
3 9

我が国の未利用木質バイオマス発電施設は,発電効率は25%前後と低く,設備コストや燃料コストが高いため,高い経済性を確保するのは容易ではない。一方,電力だけでなく熱も利用可能な熱電併給 (CHP) は,小中規模でも経済性を高められると考えられる。これを定量的に明らかにするため,評価モデルを開発し,四つの発電規模 (1,200,1,600,1,999,5,700 kW) を対象に,1) 発電のみ,2) 蒸気利用のCHP,3) 温水利用のCHPの三つの事業について内部収益率等を推計した。売熱単価は,A重油価格を参考に7.7円/kWhと5.2円/kWhの2通りとした。推計の結果,a) 発電事業よりも,総合効率を確保してCHP事業を行う方が経済性は高くなる,b) 1,200 kWの場合,発電効率が低下するため,売熱単価が低い場合には,CHP事業を行っても採算が取れない,c) CHP事業では,発電量が大きく低下する蒸気利用よりも,発電量の低下が少ない温水利用の方が経済性が高い,d) 熱電併給事業の経済性を高めるためには,大きな熱需要の確保が必要であることが明らかとなった。
著者
多田 千佳 柳田 高志 佐賀 清崇 ベスピャトコ リュドミラ バティスタ エルマー 藤本 真司 美濃輪 智朗
出版者
The Japan Institute of Energy
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.869-876, 2009

The economic impacts, CO<SUB>2</SUB> emission, and change in industrial structures using rice husk power plant in Japan were investigated using input-output table of Japan. The direct and second economic impacts by investment to the rice husk power plant sector were 1.5 times higher than that to the power sector. The flow of money shifted to the agriculture, forestry and fisheries sector during introduction rice husk power plant. Increasing rate of using rice husk power plant induce the high-value added and the low CO<SUB>2</SUB> emission society with a very little change in industrial structure.
著者
多田 千佳 柳田 高志 佐賀 清崇 ベスピャトコ リュドミラ バティスタ エルマー 藤本 真司 美濃輪 智朗
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.869-876, 2009 (Released:2009-11-24)
参考文献数
25

The economic impacts, CO2 emission, and change in industrial structures using rice husk power plant in Japan were investigated using input-output table of Japan. The direct and second economic impacts by investment to the rice husk power plant sector were 1.5 times higher than that to the power sector. The flow of money shifted to the agriculture, forestry and fisheries sector during introduction rice husk power plant. Increasing rate of using rice husk power plant induce the high-value added and the low CO2 emission society with a very little change in industrial structure.