- 著者
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山本 洋司
橘 武史
- 出版者
- The Japan Petroleum Institute
- 雑誌
- 石油学会誌 (ISSN:05824664)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.4, pp.325-328, 1997-07-01 (Released:2008-10-15)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
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内燃機関の代替燃料として, メタンを主成分とする天然ガスが注目され, 我が国でも既に千台程度の天然ガスエンジン自動車が導入されている。しかし, メタンは炭化水素系燃料で最も燃焼速度が遅く, これが今後の改良の障害の一因となることがしばしば指摘されている。他方, 現在の火花点火機関の燃料の主流であるガソリンの燃焼速度の詳細にわたる報告はほとんど見当たらない。そこで, 高温•高圧下での燃焼速度も得られる球形容器法を用いて両者の燃焼特性の比較を行った。また, 燃焼特性改善のため, メタンに容積割合で20%水素を添加したものの燃焼速度も測定した。その結果, (1)常温, 常圧での燃焼速度はガソリンの方がメタンより若干速く, 過濃側での差が大きい, (2) 温度上昇に伴い燃焼速度が上昇する傾向は類似している, (3)圧力が上昇するに従い燃焼速度は低下するが, ガソリンの方がその傾向が強い, (4)定容燃焼終了時圧力はガソリンの方が10%程度高い, (5)メタンに水素を20%添加することで燃焼速度が約25~35%上昇するが, 傾向はメタンと基本的に同じ, であることが示された。